遊戯王 New stage サイドS 3-7
女性のそれと見間違うような細い指先が、1枚のカードを選びとる。
「私は<サイコ・ウォールド>を通常召喚。800ポイントライフを支払って、効果を発動します――このターンのバトルフェイズ<マスタージーグ>は2回攻撃が可能になります」
「な――ッ!?」
「私は<サイコ・ウォールド>を通常召喚。800ポイントライフを支払って、効果を発動します――このターンのバトルフェイズ<マスタージーグ>は2回攻撃が可能になります」
「な――ッ!?」
<サイコ・ウォールド> 効果モンスター 星4/地属性/サイキック族/攻1900/守1200 800ライフポイントを払って発動する。 自分フィールド上に表側表示で存在するサイキック族モンスター1体は、 1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。 この効果を発動するターンこのカードは攻撃する事ができない。
カタツムリが進化したような姿のモンスター<サイコ・ウォールド>が現れ、その殻からエネルギーが流れていく。
<マスタージーグ>の目が妖しく光り、創志の体にさらなるプレッシャーがかかる。
「バトルフェイズ! <マスタージーグ>でダイレクトアタック! アンノウン・デザイア!!」
<ハイドロ・ジェネクス>を消し去った「デストロイ・デザイア」のときと同じように、<マスタージーグ>に埋められた宝玉が閃光を放つ。
しかし、今度は細いレーザーではなく、「バスター」と例えられるほどの太い光撃だった。
「――ッ!」
創志は伏せカードの起動ボタンに手をかけ、やめる。
(違う! ここじゃない――)
ドン! という轟音がエントランスに響き、攻撃が創志に直撃する。
「ぐっ……うわああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
全身を未知の痛みが駆け巡り、たまらず悲鳴を上げる。
熱い。
寒い。
苦しい。
軋む。
痺れる。
ねじ切れる。
押しつぶされる。
ありとあらゆる痛みが創志の神経をズタズタにしていく。
「ああっ……ああああああああぐうううううう!!」
まるで、世界中の拷問器具の実験台にされているようだ。
思考がかき乱される。何を考えようとしても、痛みがその邪魔をする。
それでも、<マスタージーグ>から放たれるレーザーの照射が止むことはない。
たまらず膝が折れる。のたうち回りそうになるのを決死の思いでこらえる。
「がああああああああッ!!」
耐えろ、と強い意志を込め、両手の拳を握り、地面に押し付ける。
「…………もういいでしょう」
やがて、攻撃は止まった。
<マスタージーグ>の目が妖しく光り、創志の体にさらなるプレッシャーがかかる。
「バトルフェイズ! <マスタージーグ>でダイレクトアタック! アンノウン・デザイア!!」
<ハイドロ・ジェネクス>を消し去った「デストロイ・デザイア」のときと同じように、<マスタージーグ>に埋められた宝玉が閃光を放つ。
しかし、今度は細いレーザーではなく、「バスター」と例えられるほどの太い光撃だった。
「――ッ!」
創志は伏せカードの起動ボタンに手をかけ、やめる。
(違う! ここじゃない――)
ドン! という轟音がエントランスに響き、攻撃が創志に直撃する。
「ぐっ……うわああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
全身を未知の痛みが駆け巡り、たまらず悲鳴を上げる。
熱い。
寒い。
苦しい。
軋む。
痺れる。
ねじ切れる。
押しつぶされる。
ありとあらゆる痛みが創志の神経をズタズタにしていく。
「ああっ……ああああああああぐうううううう!!」
まるで、世界中の拷問器具の実験台にされているようだ。
思考がかき乱される。何を考えようとしても、痛みがその邪魔をする。
それでも、<マスタージーグ>から放たれるレーザーの照射が止むことはない。
たまらず膝が折れる。のたうち回りそうになるのを決死の思いでこらえる。
「がああああああああッ!!」
耐えろ、と強い意志を込め、両手の拳を握り、地面に押し付ける。
「…………もういいでしょう」
やがて、攻撃は止まった。
【創志LP5600→3000】
「かはっ……ぐっ……」
冷やかに見下ろしてくるセラに憎まれ口でも叩いてやりたがったが、そこまでの余裕はない。気を抜けば、全身の力が抜けて今にも倒れてしまいそうだった。
冷やかに見下ろしてくるセラに憎まれ口でも叩いてやりたがったが、そこまでの余裕はない。気を抜けば、全身の力が抜けて今にも倒れてしまいそうだった。
「分かっていますね? <マスタージーグ>2回目の攻撃」
怖気が走る。
一度攻撃の恐ろしさを知ってしまった以上、震える体を止めることができない。
「あ……」
口からこぼれそうになった「ある言葉」を寸前で飲み込み、創志は軋む体を無理矢理動かし立ち上がる。
耐えてみせる。あいつに「やめてください」なんて頭を下げるなら、死んだ方がマシだ。
意地を通せ。ティトに情けない姿を見せるわけにはいかない。
「……躊躇はしませんよ」
表情を変えずに言ったセラが、右手を振り上げる。
「アンノウン・デザイア!」
号令と共に上げた右手が下ろされ、蛍光色の極太レーザーが創志に迫る。
二度目の直撃。
「…………っぐぐぐううううううあああああああああ!!」
何とか声を抑えようとするが、無理だった。
受け入れがたい痛みが暴れ回り、すぐに立っているのが困難になる。
「ぐあああああああああああッ!!」
意識が断続的に飛ぶ。
ひどい耳鳴りがしたかと思うと、視界がぐるぐると回り始める。
何も聞こえなくなる。何も見えなくなる。
無数の痛みだけが五感を支配していく。
一度攻撃の恐ろしさを知ってしまった以上、震える体を止めることができない。
「あ……」
口からこぼれそうになった「ある言葉」を寸前で飲み込み、創志は軋む体を無理矢理動かし立ち上がる。
耐えてみせる。あいつに「やめてください」なんて頭を下げるなら、死んだ方がマシだ。
意地を通せ。ティトに情けない姿を見せるわけにはいかない。
「……躊躇はしませんよ」
表情を変えずに言ったセラが、右手を振り上げる。
「アンノウン・デザイア!」
号令と共に上げた右手が下ろされ、蛍光色の極太レーザーが創志に迫る。
二度目の直撃。
「…………っぐぐぐううううううあああああああああ!!」
何とか声を抑えようとするが、無理だった。
受け入れがたい痛みが暴れ回り、すぐに立っているのが困難になる。
「ぐあああああああああああッ!!」
意識が断続的に飛ぶ。
ひどい耳鳴りがしたかと思うと、視界がぐるぐると回り始める。
何も聞こえなくなる。何も見えなくなる。
無数の痛みだけが五感を支配していく。
「――フリージング・リインフォース」
しかし、その言葉だけは届いた。
「ゴアアアア!」と雄叫びが生まれ、銀色のカーテンが<マスタージーグ>の攻撃を遮断する。
優しい光を生み出す氷の幕が、創志の瞳の奥に広がっていく。
少年を守るように立つのは、「魔女」の力を行使しつつも、その面影を感じさせない一人の少女だった。
「ゴアアアア!」と雄叫びが生まれ、銀色のカーテンが<マスタージーグ>の攻撃を遮断する。
優しい光を生み出す氷の幕が、創志の瞳の奥に広がっていく。
少年を守るように立つのは、「魔女」の力を行使しつつも、その面影を感じさせない一人の少女だった。