遊戯王オリジナルstage 【ep-05 サイドS】
「創志君……」
創志は視線に力を込め、不死鳥――<重爆撃禽ボム・フェネクス>を見据える。
(確かに強力なプレッシャーだが……これくらいじゃ、萌子さんの足元にも及ばねえ!)
「創志さんもサイコデュエリスト……?」
「ああそうだ。だからこの場は任せとけって」
その言葉に、純也はゆっくりと頷き、ようやく引き下がった。
ここまでの大言を吐いたんだ。みっともない姿を見せるわけにはいかない。
「<重爆撃禽ボム・フェネクス>の効果を発動。フィールド上のカード1枚につき、300ポイントのダメージを与エル」
ローブ男……ペインが口を開き、デュエルが再開される。
現在、創志のフィールドのカードは3枚。ペインは4枚。合計7枚ということは、2100ポイントのダメージが発生する。一気にライフポイントの半分近くを削られる、強力なダメージだ。
と、いうことはそれにふさわしい「痛み」が創志に降りかかるのだろう。
「食らエ! フランメ・レーゲン!」
宣言と共に<重爆撃禽ボム・フェネクス>の体が膨張し、土の壁にくりぬかれた空を覆い尽くす。
そして、創志に向かっていくつもの炎の渦が雨のように降り注いだ。
その内の1つにでも巻き込まれたら、瞬きをする間もなく焼き尽くされてしまうであろう灼熱。
「創志さん!」
「ダメージを受けなけりゃいいんだろ……手札の<A・ジェネクス・ガードナー>の効果を発動! ライフポイントにダメージを与える効果を無効にし、このカードを特殊召喚する!」
創志は視線に力を込め、不死鳥――<重爆撃禽ボム・フェネクス>を見据える。
(確かに強力なプレッシャーだが……これくらいじゃ、萌子さんの足元にも及ばねえ!)
「創志さんもサイコデュエリスト……?」
「ああそうだ。だからこの場は任せとけって」
その言葉に、純也はゆっくりと頷き、ようやく引き下がった。
ここまでの大言を吐いたんだ。みっともない姿を見せるわけにはいかない。
「<重爆撃禽ボム・フェネクス>の効果を発動。フィールド上のカード1枚につき、300ポイントのダメージを与エル」
ローブ男……ペインが口を開き、デュエルが再開される。
現在、創志のフィールドのカードは3枚。ペインは4枚。合計7枚ということは、2100ポイントのダメージが発生する。一気にライフポイントの半分近くを削られる、強力なダメージだ。
と、いうことはそれにふさわしい「痛み」が創志に降りかかるのだろう。
「食らエ! フランメ・レーゲン!」
宣言と共に<重爆撃禽ボム・フェネクス>の体が膨張し、土の壁にくりぬかれた空を覆い尽くす。
そして、創志に向かっていくつもの炎の渦が雨のように降り注いだ。
その内の1つにでも巻き込まれたら、瞬きをする間もなく焼き尽くされてしまうであろう灼熱。
「創志さん!」
「ダメージを受けなけりゃいいんだろ……手札の<A・ジェネクス・ガードナー>の効果を発動! ライフポイントにダメージを与える効果を無効にし、このカードを特殊召喚する!」
<A・ジェネクス・ガードナー> 効果モンスター(オリジナルカード) 星4/闇属性/機械族/攻1200/守1500 相手が「ライフポイントにダメージを与える効果」を持つカードを発動した時、 その発動を無効にし、このカードを手札から特殊召喚する。
鉄球をいくつも組み合わせたような姿のロボット、<A・ジェネクス・ガードナー>は、フィールドに現れると同時、両手を天にかざす。
すると、創志たちの頭上に巨大なバリアが出現し、降り注ぐ炎の渦を全て受け止めた。
「ナイスじゃ創志!」
「バーン効果を使ったターン、<重爆撃禽ボム・フェネクス>は攻撃できませんし、<幻想召喚師>の効果で特殊召喚した融合モンスターは、エンドフェイズに破壊されるはずです!」
切とかづなが色めきたつ。これで、このターンはしのいだはずだ。
が。
「……永続罠<血の代償>を発動スル」
すると、創志たちの頭上に巨大なバリアが出現し、降り注ぐ炎の渦を全て受け止めた。
「ナイスじゃ創志!」
「バーン効果を使ったターン、<重爆撃禽ボム・フェネクス>は攻撃できませんし、<幻想召喚師>の効果で特殊召喚した融合モンスターは、エンドフェイズに破壊されるはずです!」
切とかづなが色めきたつ。これで、このターンはしのいだはずだ。
が。
「……永続罠<血の代償>を発動スル」
<血の代償> 永続罠 500ライフポイントを払う事で、モンスター1体を通常召喚する。 この効果は自分のメインフェイズ時及び 相手のバトルフェイズ時にのみ発動する事ができる。
ペインは、ターンを終了しようとはしなかった。
「500ライフを支払イ、モンスター1体を通常召喚すル」
「500ライフを支払イ、モンスター1体を通常召喚すル」
【ペインLP4000→3500】
攻め手を増やし、こちらの守備モンスターを破壊してくるのだろうか。
そんなことを考えた瞬間だった。
ズン! と。
先ほどとは比べ物にならないほどの圧倒的なプレッシャーが創志に圧し掛かった。
「なんじゃ……? これは……!?」
震えた声で困惑を顕わにする切。プレッシャーを感じているのは創志だけではないようだ。
「<幻想召喚師>と<重爆撃禽ボム・フェネクス>をリリース」
ペインのフィールドにいた2体のモンスターが、黒い影のようなものに塗り潰される。
そして、ペインは1枚のカードを手に取った。
そんなことを考えた瞬間だった。
ズン! と。
先ほどとは比べ物にならないほどの圧倒的なプレッシャーが創志に圧し掛かった。
「なんじゃ……? これは……!?」
震えた声で困惑を顕わにする切。プレッシャーを感じているのは創志だけではないようだ。
「<幻想召喚師>と<重爆撃禽ボム・フェネクス>をリリース」
ペインのフィールドにいた2体のモンスターが、黒い影のようなものに塗り潰される。
そして、ペインは1枚のカードを手に取った。
「さア、暴れ狂え! <The tyrant NEPTUNE>!!」
最初に見えたのは、巨大な鎌だ。
死神が持つのにふさわしいそれは、音も無く<幻想召喚師>と<重爆撃禽ボム・フェネクス>を両断する。
2体のモンスターを覆っていた影が霧散し、新たな形を作り上げる。
洗練された鎧を纏った巨大な爬虫類型のモンスター……影はその頭部を形作る。
蛇か、ドラゴンか。
風に吹かれた炎のように揺らめく影は、見たものを畏怖の底へと叩き落とす。
「冷たき暴君」。
どこかの世界ではそう例えられたモンスターが、創志の前に出現した。
死神が持つのにふさわしいそれは、音も無く<幻想召喚師>と<重爆撃禽ボム・フェネクス>を両断する。
2体のモンスターを覆っていた影が霧散し、新たな形を作り上げる。
洗練された鎧を纏った巨大な爬虫類型のモンスター……影はその頭部を形作る。
蛇か、ドラゴンか。
風に吹かれた炎のように揺らめく影は、見たものを畏怖の底へと叩き落とす。
「冷たき暴君」。
どこかの世界ではそう例えられたモンスターが、創志の前に出現した。
<The tyrant NEPTUNE> 効果モンスター 星10/水属性/爬虫類族/攻 0/守 0 このカードは特殊召喚できない。 このカードはモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚する事ができる。 このカードの攻撃力・守備力は、アドバンス召喚時にリリースしたモンスターの 元々の攻撃力・守備力をそれぞれ合計した数値分アップする。 このカードがアドバンス召喚に成功した時、 墓地に存在するリリースした効果モンスター1体を選択し、 そのモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る。
「<The tyrant NEPTUNE>の攻撃力と守備力は、アドバンス召喚時にリリースしたモンスターの元々の攻撃力守備力を合計した数値分アップすル」
<幻想召喚師>の攻守は800と900。<重爆撃禽ボム・フェネクス>の攻守は2800と2300。
「あやつの攻撃力は3600、守備力は3200というわけか……!」
「さラに、<The tyrant NEPTUNE>はアドバンス召喚に成功した時、墓地に存在するリリースした効果モンスター1体と同名カードとして扱い、同じ効果を得る。魂を喰ラエ……! <The tyrant NEPTUNE>!!」
雄叫びを上げた冷たき暴君の前に、<重爆撃禽ボム・フェネクス>が纏っていた鎧が現れる。
<The tyrant NEPTUNE>はその鎧を右手で掴むと、そのまま握りつぶした。
「これで、<ボム・フェネクス>と同じ効果を得たってことかよ……」
「もう一度ダ。<The tyrant NEPTUNE>……イヤ、<重爆撃禽ボム・フェネクス>の効果を発動!! フィールド上のカード1枚につき、300ポイントのダメージを与える! フランメ・レーゲン!」
ペインが両手を広げると、<A・ジェネクス・ガードナー>によって防いだはずの炎の渦が、再び降り注ぐ。もう1枚<A・ジェネクス・ガードナー>が手札にあるなんていう都合のいい展開はない。創志は歯を食いしばり、痛みに備える。
場のカードは先程と同じ7枚。2100ポイントのダメージが発生する。
落下した炎の渦が、創志の体を包み込んだ。
「ぐあああああああああっ!」
さすがに声をこらえることはできなかった。
燃え滾る溶鉱炉に放り込まれたような感覚。四方八方を灼熱に囲まれ、逃げ場が無い。
焙られる。骨の髄まで。
「ぐっ……!」
身につけている服が燃えていないということは、炎そのものではなくダメージを実体化させているのだろう。そこまで考える余裕があったのは、「今までの」経験によるものだった。
(そうだ……思い出せ……セラや光坂の攻撃に比べたら、これくらい……!)
「創志君!」
かづなの叫び声が耳に届いた直後、炎の渦は消え去った。
<幻想召喚師>の攻守は800と900。<重爆撃禽ボム・フェネクス>の攻守は2800と2300。
「あやつの攻撃力は3600、守備力は3200というわけか……!」
「さラに、<The tyrant NEPTUNE>はアドバンス召喚に成功した時、墓地に存在するリリースした効果モンスター1体と同名カードとして扱い、同じ効果を得る。魂を喰ラエ……! <The tyrant NEPTUNE>!!」
雄叫びを上げた冷たき暴君の前に、<重爆撃禽ボム・フェネクス>が纏っていた鎧が現れる。
<The tyrant NEPTUNE>はその鎧を右手で掴むと、そのまま握りつぶした。
「これで、<ボム・フェネクス>と同じ効果を得たってことかよ……」
「もう一度ダ。<The tyrant NEPTUNE>……イヤ、<重爆撃禽ボム・フェネクス>の効果を発動!! フィールド上のカード1枚につき、300ポイントのダメージを与える! フランメ・レーゲン!」
ペインが両手を広げると、<A・ジェネクス・ガードナー>によって防いだはずの炎の渦が、再び降り注ぐ。もう1枚<A・ジェネクス・ガードナー>が手札にあるなんていう都合のいい展開はない。創志は歯を食いしばり、痛みに備える。
場のカードは先程と同じ7枚。2100ポイントのダメージが発生する。
落下した炎の渦が、創志の体を包み込んだ。
「ぐあああああああああっ!」
さすがに声をこらえることはできなかった。
燃え滾る溶鉱炉に放り込まれたような感覚。四方八方を灼熱に囲まれ、逃げ場が無い。
焙られる。骨の髄まで。
「ぐっ……!」
身につけている服が燃えていないということは、炎そのものではなくダメージを実体化させているのだろう。そこまで考える余裕があったのは、「今までの」経験によるものだった。
(そうだ……思い出せ……セラや光坂の攻撃に比べたら、これくらい……!)
「創志君!」
かづなの叫び声が耳に届いた直後、炎の渦は消え去った。
【創志LP4000→1900】
「すごい……あれを耐えきるなんて」
純也が驚嘆の声を漏らすが、
「あれくらい耐えて当然じゃ。それよりも、<The tyrant NEPTUNE>を何とかせねば」
光坂との激闘を目撃していた切は、厳しい表情で唸った。
「……そうだな」
ふらつきそうになるのをこらえながら、創志は頷く。
この借りは、倍にして返さなければなるまい。
純也が驚嘆の声を漏らすが、
「あれくらい耐えて当然じゃ。それよりも、<The tyrant NEPTUNE>を何とかせねば」
光坂との激闘を目撃していた切は、厳しい表情で唸った。
「……そうだな」
ふらつきそうになるのをこらえながら、創志は頷く。
この借りは、倍にして返さなければなるまい。