遊戯王オリジナルstage 【ep-20】
これで、治輝のライフポイントは尽き、彼の力は砂神緑雨へと渡る――
はずだった。
「何……!?」
砂神が戸惑いの声を上げる。見れば、治輝の前に崩れ去ったはずの<-蘇生龍- レムナント・ドラグーン>が、その形をおぼろげに保ちながら、自らの主を守っていた。
「これは……」
無論、治輝が何らかのカードを発動したわけではない。創志の場には、そもそも伏せカードが存在していない。
はずだった。
「何……!?」
砂神が戸惑いの声を上げる。見れば、治輝の前に崩れ去ったはずの<-蘇生龍- レムナント・ドラグーン>が、その形をおぼろげに保ちながら、自らの主を守っていた。
「これは……」
無論、治輝が何らかのカードを発動したわけではない。創志の場には、そもそも伏せカードが存在していない。
「――罠カード<亡霊封鎖>を発動させてもらった。自分フィールド上のモンスターが戦闘で破壊された時、プレイヤーへのダメージを0にして、バトルフェイズを強制終了する」
<亡霊封鎖> 通常罠(オリジナルカード) 自分フィールド上のモンスターが戦闘によって破壊された時に発動する事ができる。 その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、 バトルフェイズを終了する。
ならば、動いたのはこの男しかいない。
「輝王……悪い、助かった」
治輝が礼を言うと、輝王はバツが悪そうに視線を逸らす。
「……フリーチェーンで発動できるようなカードを伏せていれば、<レムナント>で<イレイザー>を撃破出来ていたはずだ。謝るのは俺の方だ」
「そうかもしれないけど、助かったのは事実だ。って言っても、輝王なら何とかしてくれるんじゃないかと思ってたんだけど」
「へっ! 俺もそう思ってたぜ! ここで動かなきゃお前らしくないってな! 治輝の<威嚇する咆哮>に助けられた借りを、まだ返してないもんな」
「時枝……皆本創志……」
2人の視線を受けた輝王は、フッと微笑を浮かべると、
「……後は任せるぞ」
落ち着いた声で、後の戦いを託した。
「おう! アイツを倒すのは、俺の役目だ!」
それを受けて、創志が左手に右拳を叩きつける。パン! という小気味いい音が響き渡り、砂神が不愉快気に眉をひそめた。
「……君に何ができる? 皆本創志。今まで他の2人の足を引っ張ることしかできなかった君が。僕の<邪神イレイザー>を倒すっていうのかい?」
「ああそうだよ。このままやられっぱなしでいられるか。輝王が<アバター>を、治輝が<ドレッド・ルート>を倒したんだ。なら、<イレイザー>は俺が倒す。このままじゃカッコ悪すぎだからな」
そう言ってビシリと<邪神イレイザー>を指差した創志は、力強く告げる。
「潰すぜ。ソイツ」
<-蘇生龍- レムナント・ドラグーン>がフィールドを離れたことにより、治輝は手札を全て捨てた。その中にドラゴン族モンスターは4体。エンドフェイズ、<超再生能力>の効果により、4枚のカードをドローする。
手札補充には成功したものの、次の自分のターンは回ってきそうにないな、と治輝は思った。
「輝王……悪い、助かった」
治輝が礼を言うと、輝王はバツが悪そうに視線を逸らす。
「……フリーチェーンで発動できるようなカードを伏せていれば、<レムナント>で<イレイザー>を撃破出来ていたはずだ。謝るのは俺の方だ」
「そうかもしれないけど、助かったのは事実だ。って言っても、輝王なら何とかしてくれるんじゃないかと思ってたんだけど」
「へっ! 俺もそう思ってたぜ! ここで動かなきゃお前らしくないってな! 治輝の<威嚇する咆哮>に助けられた借りを、まだ返してないもんな」
「時枝……皆本創志……」
2人の視線を受けた輝王は、フッと微笑を浮かべると、
「……後は任せるぞ」
落ち着いた声で、後の戦いを託した。
「おう! アイツを倒すのは、俺の役目だ!」
それを受けて、創志が左手に右拳を叩きつける。パン! という小気味いい音が響き渡り、砂神が不愉快気に眉をひそめた。
「……君に何ができる? 皆本創志。今まで他の2人の足を引っ張ることしかできなかった君が。僕の<邪神イレイザー>を倒すっていうのかい?」
「ああそうだよ。このままやられっぱなしでいられるか。輝王が<アバター>を、治輝が<ドレッド・ルート>を倒したんだ。なら、<イレイザー>は俺が倒す。このままじゃカッコ悪すぎだからな」
そう言ってビシリと<邪神イレイザー>を指差した創志は、力強く告げる。
「潰すぜ。ソイツ」
<-蘇生龍- レムナント・ドラグーン>がフィールドを離れたことにより、治輝は手札を全て捨てた。その中にドラゴン族モンスターは4体。エンドフェイズ、<超再生能力>の効果により、4枚のカードをドローする。
手札補充には成功したものの、次の自分のターンは回ってきそうにないな、と治輝は思った。