遊戯王 New stage サイドS 9-5
「魔法カード<思い出のブランコ>発動。墓地に存在する通常モンスター<ジェムナイト・ガネット>を特殊召喚する」
<思い出のブランコ> 通常魔法 自分の墓地に存在する通常モンスター1体を選択して発動する。 選択したモンスターを自分フィールド上に特殊召喚する。 この効果で特殊召喚したモンスターはこのターンのエンドフェイズ時に破壊される。
紅蓮の騎士の礎となった戦士が、右拳に炎を宿らせフィールドへ降り立つ。
「<ジェムナイト・ルビーズ>の効果発動! 自分フィールド上の<ジェム>と名のついたモンスター1体をリリースすることで、エンドフェイズまでリリースしたモンスターの攻撃力分<ルビーズ>の攻撃力は上昇する!」
<ジェムナイト・ガネット>の全身が炎へと変化し、<ジェムナイト・ルビーズ>の持つ槍へと集まっていく。
「ブレイズ・カット!」
ゴウ! と槍を包む炎が激しく燃え上がる。
その炎は、持ち主である紅蓮の騎士を焼くことはない。
その炎は、敵を屠るためだけに燃え続ける。
<ジェムナイト・ガネット>の攻撃力を吸収し、<ジェムナイト・ルビーズ>の攻撃力は4400に上昇した。
「バトルだ! <ジェムナイト・ルビーズ>で<A・ジェネクス・クラッシャー>を攻撃!」
槍に宿った炎が紅蓮の騎士の周囲で渦巻き、一瞬だけ姿を隠す。
その一瞬で、<ジェムナイト・ルビーズ>は跳んだ。
炎の渦を自ら突き破り、加速する。
「受けな。クリムゾン・トライデント!」
弾丸と化した紅蓮の騎士が標的を突き刺すのに、1秒とかからなかった。
迷彩色の装甲を、安々と貫かれる<A・ジェネクス・クラッシャー>。
だが、そこで攻撃は終わらない。
槍の先端から、3本に枝分かれした炎が生まれる。三つ又槍の矛先と化した炎は、そのまま創志に襲いかかってくる。
「<ルビーズ>の効果だ。守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を……いいやめんどくせえ。貫通ダメージを食らいな」
3本の炎が複雑に絡み合い、不規則な軌道を描く。
そして、ほぼ同時に創志の体を突き刺す。
「<ジェムナイト・ルビーズ>の効果発動! 自分フィールド上の<ジェム>と名のついたモンスター1体をリリースすることで、エンドフェイズまでリリースしたモンスターの攻撃力分<ルビーズ>の攻撃力は上昇する!」
<ジェムナイト・ガネット>の全身が炎へと変化し、<ジェムナイト・ルビーズ>の持つ槍へと集まっていく。
「ブレイズ・カット!」
ゴウ! と槍を包む炎が激しく燃え上がる。
その炎は、持ち主である紅蓮の騎士を焼くことはない。
その炎は、敵を屠るためだけに燃え続ける。
<ジェムナイト・ガネット>の攻撃力を吸収し、<ジェムナイト・ルビーズ>の攻撃力は4400に上昇した。
「バトルだ! <ジェムナイト・ルビーズ>で<A・ジェネクス・クラッシャー>を攻撃!」
槍に宿った炎が紅蓮の騎士の周囲で渦巻き、一瞬だけ姿を隠す。
その一瞬で、<ジェムナイト・ルビーズ>は跳んだ。
炎の渦を自ら突き破り、加速する。
「受けな。クリムゾン・トライデント!」
弾丸と化した紅蓮の騎士が標的を突き刺すのに、1秒とかからなかった。
迷彩色の装甲を、安々と貫かれる<A・ジェネクス・クラッシャー>。
だが、そこで攻撃は終わらない。
槍の先端から、3本に枝分かれした炎が生まれる。三つ又槍の矛先と化した炎は、そのまま創志に襲いかかってくる。
「<ルビーズ>の効果だ。守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を……いいやめんどくせえ。貫通ダメージを食らいな」
3本の炎が複雑に絡み合い、不規則な軌道を描く。
そして、ほぼ同時に創志の体を突き刺す。
【創志LP3100→700】
「がっ……!」
1本は左肩。1本は腹。1本は右脚。
「ぐあっ!」
熱い。
焼けた鉄の棒をねじ込まれたような痛みを感じる。
苦痛に顔を歪めながら穿たれた場所を見れば、傷一つついていなかった。
――手加減されたのか?
一応、創志も首に巻かれたチョーカーを起動し、現実に干渉するサイコデュエリストの攻撃に対する「防壁」のようなものを張ったのだが、機能していたかどうかは怪しい。
サイコデュエリストの力というものは、デュエルディスクが映し出すソリッドビジョンを実体化させるもの……であるはずだ。<攻撃の無力化>のような防御カードがなければ、当然相手の攻撃は防げない。創志が作り出した「防壁」など、気休め程度のものだ。
にもかかわらず傷を負っていないということは、神楽屋の現実に干渉する力がそれほど強くないのか、それとも――
「……痛えか?」
必死に息を整える創志の姿を見て、神楽屋が呟く。中折れ帽を深く被り、その表情を見せることなく。
「――これくらい、屁でもねえっつの」
「強がるなよ。痛かったろ? 俺だってさっきの食らったら痛みで悶絶するしな」
創志の本心を見透かし、神楽屋がフッ、と息を吐く。
「悪いことは言わねえ。サレンダーしな、坊主。今ならまだ見逃してやる――命を粗末にするもんじゃないぜ」
――やっぱり、手加減してやがったのか。
神楽屋の言葉に、自分の考えが正しかったことを確信する創志。
「誰がサレンダーなんてするかよ。ふざけんな」
創志は眉根を寄せ、対峙する男を睨みつける。
どこまでも上から目線の態度に、そろそろ我慢の限界が訪れそうだった。
「俺はさっさとテメエを倒して、約束を果たさなくちゃいけないんだ! ティトを守って、信二を連れ戻すって約束をな!」
自分の覚悟を見せつけるように、創志は叫ぶ。
すると、神楽屋は体の力を抜き、両の手を腰に当てて深いため息をついた。
「約束、か」
神楽屋の口から呟きが漏れる。
「その約束を守るために、お前は戦ってるわけだ」
創志の返事を待たずに、神楽屋は続けた。
「確かに大事な人との約束っていうもんは、人を強くする。約束を守るために奮起する。今のお前や、かつての俺のようにな。だが――」
そこで神楽屋は帽子を脱ぎ捨て、創志を真正面から見据えた。
視線の圧力に、創志は言いかけた言葉を飲みこむ。
1本は左肩。1本は腹。1本は右脚。
「ぐあっ!」
熱い。
焼けた鉄の棒をねじ込まれたような痛みを感じる。
苦痛に顔を歪めながら穿たれた場所を見れば、傷一つついていなかった。
――手加減されたのか?
一応、創志も首に巻かれたチョーカーを起動し、現実に干渉するサイコデュエリストの攻撃に対する「防壁」のようなものを張ったのだが、機能していたかどうかは怪しい。
サイコデュエリストの力というものは、デュエルディスクが映し出すソリッドビジョンを実体化させるもの……であるはずだ。<攻撃の無力化>のような防御カードがなければ、当然相手の攻撃は防げない。創志が作り出した「防壁」など、気休め程度のものだ。
にもかかわらず傷を負っていないということは、神楽屋の現実に干渉する力がそれほど強くないのか、それとも――
「……痛えか?」
必死に息を整える創志の姿を見て、神楽屋が呟く。中折れ帽を深く被り、その表情を見せることなく。
「――これくらい、屁でもねえっつの」
「強がるなよ。痛かったろ? 俺だってさっきの食らったら痛みで悶絶するしな」
創志の本心を見透かし、神楽屋がフッ、と息を吐く。
「悪いことは言わねえ。サレンダーしな、坊主。今ならまだ見逃してやる――命を粗末にするもんじゃないぜ」
――やっぱり、手加減してやがったのか。
神楽屋の言葉に、自分の考えが正しかったことを確信する創志。
「誰がサレンダーなんてするかよ。ふざけんな」
創志は眉根を寄せ、対峙する男を睨みつける。
どこまでも上から目線の態度に、そろそろ我慢の限界が訪れそうだった。
「俺はさっさとテメエを倒して、約束を果たさなくちゃいけないんだ! ティトを守って、信二を連れ戻すって約束をな!」
自分の覚悟を見せつけるように、創志は叫ぶ。
すると、神楽屋は体の力を抜き、両の手を腰に当てて深いため息をついた。
「約束、か」
神楽屋の口から呟きが漏れる。
「その約束を守るために、お前は戦ってるわけだ」
創志の返事を待たずに、神楽屋は続けた。
「確かに大事な人との約束っていうもんは、人を強くする。約束を守るために奮起する。今のお前や、かつての俺のようにな。だが――」
そこで神楽屋は帽子を脱ぎ捨て、創志を真正面から見据えた。
視線の圧力に、創志は言いかけた言葉を飲みこむ。
「もう一度言うぞ、坊主。夢見過ぎだ。現実を知りな」