にわかオタクの雑記帳

にわかオタクがそのときハマっていることを書き殴るブログです 主にアニメ・ゲーム中心

遊戯王オリジナルstage 【ep-03 サイドM】

「俺のターン、ドロー」
 準備は万端……というわけではないが、これ以上相手を野放しにするのもまずい。そろそろ揺さぶりをかけるべきだろう。
「<ドラグニティ―ミリトゥム>を召喚」
 現れたのは、剣と短刀という2本の刃を構える、鳥人の兵士だ。

<ドラグニティ―ミリトゥム>
効果モンスター
星4/風属性/鳥獣族/攻1700/守1200
自分の魔法&罠カードゾーンに存在する
「ドラグニティ」と名のついたカード1枚を選択して発動する。
選択したカードを自分フィールド上に特殊召喚する。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。

「そして、<ドラグニティ―ジャベリン>を反転召喚。2体をチューニングする」

<ドラグニティ―ジャベリン>
チューナー(効果モンスター)
星2/風属性/ドラゴン族/攻1200/守 800
このカードがモンスターカードゾーン上で破壊された場合、
墓地へ送らずに装備魔法カード扱いとして
自分フィールド上に表側表示で存在する
「ドラグニティ」と名のついた鳥獣族モンスター1体に装備する事ができる。

 槍の矛のように尖った鱗を持つ小さなドラゴンが元気よく鳴き声を上げると、2体のモンスターが光に包まれる。
「大空を翔ける戦士よ! 気高き友の魂を糧に、我らの道を切り開け!」
「ほォ……そう来るとはなァ!」
シンクロ召喚! 調和をもたらせ――<ドラグニティナイト―ガジャルグ>!」
 光を突き破り、深紅の翼が空を舞うために広がる。
 刃のように鋭く尖らせた銀色の頭部を天に向け、藍色の筋肉と深紅の鱗を身に纏ったドラゴンが飛翔する。その背には、ドラゴンと同じ色合いの鎧を纏った鳥人の姿がある。

<ドラグニティナイト―ガジャルグ>
シンクロ・効果モンスター
星6/風属性/ドラゴン族/攻2400/守 800
ドラゴン族チューナー+チューナー以外の鳥獣族モンスター1体以上
1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動する事ができる。
自分のデッキからレベル4以下のドラゴン族または鳥獣族モンスター1体を手札に加え、
その後手札からドラゴン族または鳥獣族モンスター1体を捨てる。

「<ドラグニティナイト―ガジャルグ>の効果を使う。デッキからレベル4以下のドラゴン族、または鳥獣族のモンスターを手札に加え、その後手札からドラゴン族か鳥獣族のモンスターを捨てる。俺は<ドラグニティ―ファランクス>を手札に加え、そのまま墓地に送らせてもらう」
「<おろかな埋葬>みてェな使い方もできるわけか。便利なモンスターだなァ」
「……バトルフェイズに入る。<ドラグニティナイト―ガジャルグ>で伏せモンスターを攻撃!」
 輝王の宣言を受け、深紅の竜騎士は、地を這うような低い位置を滑空する。
 そして、目標である伏せモンスターの目前で急速に方向転換。ほぼ直角に曲がって天へと飛翔する。
 その瞬間、背に跨っていた鳥人の騎士が手にした槍を振り上げ、伏せモンスターを切り裂く。
 カードが表になり、両断されたモンスターの正体が明らかになる。
「破壊されたのは<キラー・トマト>――効果発動だァ! こいつが戦闘によって破壊され墓地に送られた時、デッキから攻撃力1500以下の闇属性モンスターを特殊召喚できる!」

<キラー・トマト>
効果モンスター
星4/闇属性/植物族/攻1400/守1100
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、
自分のデッキから攻撃力1500以下の闇属性モンスター1体を
自分フィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。

「リクルーターだったか……」
 攻撃は失敗だった――とは思わない。いずれ倒さなければならないのなら、早めに処理した方が賢明だ。戒斗は確実に<幻魔皇ラビエル>召喚のための布石となるモンスターを呼んでくるだろうが、こちらにもそれなりの備えはある。
「俺は<幻銃士>を特殊召喚する」
 戒斗のフィールドに現れたのは、両腕が長い小柄の悪魔だった。背中には2つの砲筒が見える。

<幻銃士>
効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1100/守 800
このカードが召喚・反転召喚に成功した時、
自分フィールド上に存在するモンスターの数まで
自分フィールド上に「銃士トークン」(悪魔族・闇・星4・攻/守500)
を特殊召喚する事ができる。
自分のスタンバイフェイズ毎に自分フィールド上に表側表示で存在する
「銃士」と名のついたモンスター1体につき相手ライフに300ポイント
ダメージを与える事ができる。
この効果を発動するターン、自分フィールド上に存在する
「銃士」と名のついたモンスターは攻撃宣言をする事ができない。

「<幻銃士>を特殊召喚……? そいつは召喚か反転召喚でしか効果を発動出来なかったはずだが?」
「俺には俺の考えがあるッってことだよ。気になるンなら何とかして<幻銃士>をどかしてみるんだなァ」
 輝王の指摘に対し、戒斗は不敵な笑みを返してきた。
「…………」
 戒斗の狙いを看破するには、まだピースが不足している。
「カードを1枚セットする。ターンエンドだ」
 得体のしれない不気味さを感じつつも、輝王はターンを終えざるを得なかった。

【戒斗LP4000】 手札3枚
場:幻銃士(攻撃)、伏せ2枚
【輝王LP4000】 手札3枚
場:ドラグニティナイト―ガジャルグ、伏せ2枚

「俺のターン。ドロー……そォだな。ここは何もせずにターンエンドだ」
「……そうか」
 何かを企んでいるような笑みを崩さない戒斗に、輝王は淡泊な反応を返す。
 戒斗の場には、攻撃力の低い<幻銃士>が攻撃表示のままだ。<キラートマト>のように戦闘破壊されることで効果を発揮することも無い。
 その<幻銃士>をわざわざ攻撃表示で残したということは――当然2枚の伏せカードを使ってくるのだろう。
「……へェ。俺の考えてることはお見通しッてことか?」
「どうかな。ただのブラフという可能性もあるが……いずれにしよ、仕掛けなければ分からないことだ」
「いい答えじゃねェか。罠が張り巡らされていることを承知で敵地に踏み込むかよ。ビビリには言えねェセリフだ」
 ――つまり、罠が伏せられているのは確実ということか。
 輝王の初ターン……後攻1ターン目で攻撃を仕掛けなかったのは正解だったのかもしれない。1ターンの余裕が出来たことで、リカバリーの準備を整えやすい。

【戒斗LP4000】 手札4枚
場:幻銃士(攻撃)、伏せ2枚
【輝王LP4000】 手札3枚
場:ドラグニティナイト―ガジャルグ、伏せ2枚