遊戯王 New stage 番外編 ラスト・ドライブ―4
レボリューションほどではないにしろ、城蘭もデュエルギャングの中ではそれなりの勢力を誇るチームだ。猿水の指示に他の5人が大人しく従っているのを見ると、彼はリーダーに近い立場の人間なのだろう。
一筋縄ではいかない相手だ。果たして、高良がどう動いてくるか――
「先攻はもらうぞ。ドロー」
カードを引いた猿水の瞳は、狩人のそれに酷似していた。思わぬところから転がり込んできた獲物に、喜色を隠しきれないようだ。
「俺は<ダーク・エルフ>を召喚」
猿水が呼びだしたのは、エメラルドのドレスを纏った褐色のエルフだった。その唇は艶やかな赤に彩られており、ただでさえ美しい顔立ちに妖艶さを加えている。
一筋縄ではいかない相手だ。果たして、高良がどう動いてくるか――
「先攻はもらうぞ。ドロー」
カードを引いた猿水の瞳は、狩人のそれに酷似していた。思わぬところから転がり込んできた獲物に、喜色を隠しきれないようだ。
「俺は<ダーク・エルフ>を召喚」
猿水が呼びだしたのは、エメラルドのドレスを纏った褐色のエルフだった。その唇は艶やかな赤に彩られており、ただでさえ美しい顔立ちに妖艶さを加えている。
<ダーク・エルフ> 効果モンスター 星4/闇属性/魔法使い族/攻2000/守 800 このカードは1000ライフポイント払わなければ攻撃できない。
「顔に似合わずかわいいモンスターを使うのね。意外だと思ったけど黙っとこう」
「おい。声に出てるぞ」
「…………ターンエンドだ」
猿水のエンド宣言に微かな苛立ちが混じっていたのは気のせいということにしておこう。
――それにしても。
<ダーク・エルフ>……下級モンスターとしては最高クラスの攻撃力を有しているが、その代償として1000ライフを払わなければ攻撃することができない。
先攻1ターン目、相手の迎撃役としては十分なモンスターだろう。
「おい。声に出てるぞ」
「…………ターンエンドだ」
猿水のエンド宣言に微かな苛立ちが混じっていたのは気のせいということにしておこう。
――それにしても。
<ダーク・エルフ>……下級モンスターとしては最高クラスの攻撃力を有しているが、その代償として1000ライフを払わなければ攻撃することができない。
先攻1ターン目、相手の迎撃役としては十分なモンスターだろう。
【猿水LP4000】 手札5枚
場:ダーク・エルフ(攻撃)
【高良LP4000】 手札5枚
場:なし
場:ダーク・エルフ(攻撃)
【高良LP4000】 手札5枚
場:なし
「俺のターンだな! ドロー!」
城蘭のメンバーたちが生みだしている圧迫感に包まれながらも、高良の調子は変わらない。
随分楽しそうにデュエルをするんだな、と切は思った。
仲間内での対戦ならともかく、これは危険な連中との賭けデュエルだ。負ければディスクとデッキが奪われるのだから、もう少し緊張感を持ってもいいと思うのだが。
――何より、私の命がかかってるんだから。
手札を眺める高良の顔は真剣だったが、その瞳は爛々と輝いている。
獲物を吟味し舌なめずりをしているような薄汚れた喜びではなく、純粋にデュエルができることを楽しんでいるようだった。
考えをまとめた様子の高良は、いたずらっ子のような笑みを浮かべ、
「<ダーク・エルフ>――確かに強力なモンスターだが、ちょっとばかり俺の引きが良すぎたみたいだ。伏せカードもないことだし、一気に行かせてもらうぜ!」
この場全体に響くような声で、高らかに宣言した。
「……威勢だけはいいな。やれるものならやってみせろ」
対し、猿水は冷静に受け流す。高良の宣言を話半分に聞いているようだった。
「なら、遠慮なくやらせてもらうとするか! まずはフィールド魔法<竜の渓谷>を発動!」
高良のディスクの先端部が開き、カードをセットすると同時に元の状態に収納され、カードデータが読み込まれる。
処理が終了すると、周りの景色が変化する。昼間のはずなのに夕焼けの赤い光が差し、切たちが立つ場所を谷底にするように切り立った崖がフィールドを取り囲んだ。
城蘭のメンバーたちが生みだしている圧迫感に包まれながらも、高良の調子は変わらない。
随分楽しそうにデュエルをするんだな、と切は思った。
仲間内での対戦ならともかく、これは危険な連中との賭けデュエルだ。負ければディスクとデッキが奪われるのだから、もう少し緊張感を持ってもいいと思うのだが。
――何より、私の命がかかってるんだから。
手札を眺める高良の顔は真剣だったが、その瞳は爛々と輝いている。
獲物を吟味し舌なめずりをしているような薄汚れた喜びではなく、純粋にデュエルができることを楽しんでいるようだった。
考えをまとめた様子の高良は、いたずらっ子のような笑みを浮かべ、
「<ダーク・エルフ>――確かに強力なモンスターだが、ちょっとばかり俺の引きが良すぎたみたいだ。伏せカードもないことだし、一気に行かせてもらうぜ!」
この場全体に響くような声で、高らかに宣言した。
「……威勢だけはいいな。やれるものならやってみせろ」
対し、猿水は冷静に受け流す。高良の宣言を話半分に聞いているようだった。
「なら、遠慮なくやらせてもらうとするか! まずはフィールド魔法<竜の渓谷>を発動!」
高良のディスクの先端部が開き、カードをセットすると同時に元の状態に収納され、カードデータが読み込まれる。
処理が終了すると、周りの景色が変化する。昼間のはずなのに夕焼けの赤い光が差し、切たちが立つ場所を谷底にするように切り立った崖がフィールドを取り囲んだ。
<竜の渓谷> フィールド魔法 1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に手札を1枚捨てる事で 以下の効果から1つを選択して発動する事ができる。 ●自分のデッキからレベル4以下の「ドラグニティ」と名のついた モンスター1体を手札に加える。 ●自分のデッキからドラゴン族モンスター1体を墓地へ送る。
「<竜の渓谷>の効果を使うぜ! 俺は手札の<ドラグニティ―ファランクス>を捨て、デッキからレベル4以下の<ドラグニティ>と名のついたモンスターを手札に加える! <ドラグニティ―ドゥクス>を手札に加え、そのまま召喚!」
慣れた手つきで一連の動作を処理し、高良はモンスターを召喚する。
現れたのは、純白の法衣を纏い、燕によく似た翼を生やした鳥人だ。その手には、部隊を指揮するための払子が握られている。
慣れた手つきで一連の動作を処理し、高良はモンスターを召喚する。
現れたのは、純白の法衣を纏い、燕によく似た翼を生やした鳥人だ。その手には、部隊を指揮するための払子が握られている。
<ドラグニティ―ドゥクス> 効果モンスター 星4/風属性/鳥獣族/攻1500/守1000 このカードの攻撃力は、自分フィールド上に表側表示で存在する 「ドラグニティ」と名のついたカードの数×200ポイントアップする。 このカードが召喚に成功した時、自分の墓地に存在する レベル3以下の「ドラグニティ」と名のついた ドラゴン族モンスター1体を選択し、 装備カード扱いとしてこのカードに装備する事ができる。
「<ドゥクス>の効果発動! このカードが召喚に成功した時、自分の墓地に存在するレベル3以下の<ドラグニティ>と名のついたドラゴン族モンスター1体を、装備カード扱いで装備することができる! <ファランクス>を装備だ!」
<ドラグニティ―ドゥクス>の左腕に、大型の盾が装備される。
「……どうやらそのモンスターは表側表示で存在する<ドラグニティ>の数だけ攻撃力を上げるようだが、それでも<ダーク・エルフ>には届かない」
現在、高良の場に<ドラグニティ>と名のついたカードは2枚。<ドラグニティ―ドゥクス>自身と装備した<ドラグニティ―ファランクス>だ。攻撃力は400ポイント上昇し、1900ポイント。<ダーク・エルフ>の2000にはわずかに届かない。
<ドラグニティ―ドゥクス>の左腕に、大型の盾が装備される。
「……どうやらそのモンスターは表側表示で存在する<ドラグニティ>の数だけ攻撃力を上げるようだが、それでも<ダーク・エルフ>には届かない」
現在、高良の場に<ドラグニティ>と名のついたカードは2枚。<ドラグニティ―ドゥクス>自身と装備した<ドラグニティ―ファランクス>だ。攻撃力は400ポイント上昇し、1900ポイント。<ダーク・エルフ>の2000にはわずかに届かない。