にわかオタクの雑記帳

にわかオタクがそのときハマっていることを書き殴るブログです 主にアニメ・ゲーム中心

遊戯王 New stage サイドM 10-8

<ドラグニティナイト―バルーチャ>
シンクロ・効果モンスター
星8/風属性/ドラゴン族/攻2000/守1200
ドラゴン族チューナー+チューナー以外の鳥獣族モンスター1体以上
このカードがシンクロ召喚に成功した時、
自分の墓地に存在する「ドラグニティ」と名のついた
ドラゴン族モンスターを任意の数だけ選択し、
装備カード扱いとしてこのカードに装備する事ができる。
このカードの攻撃力は、このカードに装備された
「ドラグニティ」と名のついたカードの枚数×300ポイントアップする。

「<バルーチャ>がシンクロ召喚に成功した時、自分の墓地に存在する<ドラグニティ>と名のついたモンスターを任意の数だけ装備することができる! 墓地の<ドラグニティ―バルディッシュ>、<ファランクス>、<ブラックスピア>、<ブランディストック>――4枚のカードを<バルーチャ>に装備させる!」
 墓地から飛び出した4体の竜たちが、淡い光に包まれる。
 その光が霧散したとき、竜たちの体は小さなエンブレムへと変化していた。
 緑の竜騎士が掲げた槍の矛先に、4つのエンブレムがはめ込まれていく。
「<バルーチャ>の攻撃力は、装備した<ドラグニティ>の数×300ポイント上がるぜ」
 つまり、今の<ドラグニティナイト―バルーチャ>の攻撃力は1200ポイント上昇し、3200ポイントということだ。輝王の<AOJフィールド・マーシャル>をわずかに上回る数値である。

「――見せてやるよ、正義! これが俺の覚悟だ! <ドラグニティナイト―バルーチャ>で<AOJフィールド・マーシャル>を攻撃! ストーム・ランス!」

 <AOJフィールド・マーシャル>の上空で、竜騎士は槍を投擲する構えを見せる。
 エンブレムの1つがきらりと光った瞬間――
 空気を貫き、槍が放たれた。
 貫かれた空気が暴れ狂い、竜巻となって槍の周囲を取り囲む。
 対し、白き元帥もまた、両腕を振るって斬撃状の衝撃波を生み出す。
 2つの攻撃が、両者の間でぶつかり合う。
 ガリガリガリ! と何かが削れるような音が響き渡り、
「――ッ!」
 せめぎ合っていた竜巻と衝撃波が消え去る。
 が。
 勢いを失わなかった槍は、<AOJフィールド・マーシャル>の装甲を貫いた。

【輝王LP3300→3000】

 強力なモンスターを失ったが、ダメージは軽微だ。
 すぐさま<機甲部隊の最前線>の効果を発動しようとした輝王だが、
「――待ちな! ここで<ドラグニティ―バルディッシュ>の効果が発動するぜ! このカードを装備したモンスターが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地に送ったとき、破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを与えるぜ!」
 それに気付いた高良が割り込みをかけてくる。

<ドラグニティ―バルディッシュ>
チューナー(効果モンスター)(オリジナルカード)
星2/風属性/ドラゴン族/攻800/守500
このカードがカードの効果によって装備カード扱いとして装備されている場合、
装備モンスターが戦闘によってモンスターを破壊し墓地に送った時、
破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手ライフに与える。

「<フィールド・マーシャル>の攻撃力は2900! その半分、1450ダメージを受けな!」
 竜騎士の持つ槍にはめられたエンブレムから光条が放たれ、輝王の体を貫いた。
「ぐっ……」

【輝王LP3000→1550】

 ――これでは、壁を出して耐えしのぐこともできないか。
「……<機甲部隊の最前線>の効果を発動する!」
 高攻撃力の<AOJフィールド・マーシャル>が破壊されたため、ほとんどのモンスターを呼べる状況だが、選択は慎重に行わなければならない。
 <ドラグニティナイト―バルーチャ>は<ドラグニティ―ブランディストック>を装備しているため、あと1回の攻撃が残されている。
 破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを与える<ドラグニティ―バルディッシュ>を考慮すれば、ここは<A・ボム>を選ぶのが妥当だろうか。高良の魔法・罠ゾーンは4枚の装備カードと残された<リビングデッドの呼び声>で埋まってしまっているため、<ドラグニティ>モンスターの破壊を無効にする<竜騎士の盾>を持っていたとしても、セットすることができない。
 ――いや。
 <ドラグニティナイト―バルーチャ>が装備しているカードの1枚は、<ドラグニティ―ファランクス>だ。自らの効果で装備状態を解除し、魔法・罠ゾーンを空けることができる。
 ――それならば!
 高良がどこまで自分の策を見抜けるかどうか……輝王は1つの賭けに出ることにする。
「俺は<AOJクラウソラス>を守備表示で特殊召喚!」
 鋼の翼で身を守る鋼鉄の巨鳥が、輝王のフィールドに現れる。

<A・O・J クラウソラス>
通常モンスター
星6/闇属性/機械族/攻2300/守1200
霞の谷に生息するモンスター、クラウソラスをモチーフに開発された対外敵用戦闘兵器。 
上空からの奇襲で敵を翻弄する。

「<クラウソラス>を呼んだだと……!? 何考えてやがる」
 言葉に苛立ちを滲ませながら、高良が吐き捨てる。
「教えてやる義理はない。自分で確かめてみろ」
「……上等ッ! <バルーチャ>で<クラウソラス>を攻撃!」
 右腕を振るった高良が、攻撃宣言を下す。
「ストーム・ランス!」
 竜巻を纏った槍が再び放たれ、鋼鉄の巨鳥を難なく砕く。
「さあ、<バルディッシュ>の効果が発動するぜ!」
 <クラウソラス>の攻撃力の半分――1150のダメージが発生する。
 エンブレムから放たれた光条が輝王の体を貫くが、痛みはそれほど感じない。

【輝王LP1550→400】

 しかし、これで輝王の残りライフも危険領域に突入した。
 次の攻撃が来れば、耐えきる術はないだろう。早急に決着をつけるしかない。
「――なあ、正義」
 輝王が戦術の確認に意識を集中しているところに、高良が気の抜けた声を出す。
 ついさっきまで纏っていた覇気が嘘のように消え、親友と他愛のない雑談を交わすときのような声色だ。
「……なんだ」

「俺の復讐を手伝ってくれよ」

 ポツリと。
 気の抜けた声のまま、高良は言葉をこぼした。