にわかオタクの雑記帳

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新サクラ大戦 感想 新たな夢よ続いていけ

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明けると思っていなかった冬眠期を経て、大々的に復活したサクラ大戦シリーズ。


舞台や世界観は引き継ぎつつも、メインキャラクターは一新。
タイトルもナンバリングの「6」ではなく、「新サクラ大戦に。
キャラクターデザインに漫画「BLEACH」の作者である久保先生の起用を始めとして、豪華クリエイター陣が集結しての完全新作。
宣伝もかなりの熱の入れようで、にわかファンの俺でも初報を聞いて「おおっ!」と興奮し、ちょこちょこと情報を追うくらい気になっていました。

 

ちなみに俺は歴代タイトルを「3、4、5」のみプレイした偏屈者です。
サクラ大戦」の基盤を作り上げた初代と2を未履修なので、ファンを名乗るのはちょっとおこがましい感じです。
とはいえ、帝都組にそこまで思い入れがなかったせいか、5で主人公が大神さんじゃなくなったことも、あまり気にならなかったんですよね。
評判があまり芳しくない5ですが、俺は普通に面白かったし好きでした。
ジェミニの正統派ヒロインっぷりよ……ジェミニンはちょっとよく分からなかったけど。

 

先月発売になった新サクラ大戦ですが、ちょうどやるゲームが落ち着いていたこともあり、発売日に購入しました。
その日に早速プレイを開始して……昨日ようやく一周目が終わりまして。
ボリュームてんこ盛りがあったわけではなく、単に自分がのめり込めなかっただけなのですが……
賛否両論、だと言い過ぎですが、よかった点と改善してほしい点がいくつも挙がるゲームでした。
せっかくなので、つらつらと感想を書いていきます。


以下、本編のネタバレを含みますので、これからプレイする予定のある方は、先を読まないことをオススメします。

なお、前述の通り俺は根っからのサクラ大戦ファンというわけではないので、前提知識が足りなかったり、穿った見方をしていたりすることがあります。ご容赦ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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まず、キャラクターに関して

 

俺が新サクラ大戦で一番よかったと感じたのは、主人公である神山誠十郎の造形です。
帝国華撃団花組の隊長として、恋愛ゲームの主人公として、偉大なる先輩、大神さんに負けず劣らずのいいキャラクターでした。
頼れる熱血漢でありつつ、ヒロインたちを支え、共に成長していく。
ややスケベな面もあり、コメディリリーフもしっかり務めてくれる、理想的な主人公だったと思います。
バトルパートでは使いやすさと没入感重視で、ほぼ神山機でプレイしてました。やっぱ二刀流の隊長機はかっこええわ……
今作では相当数が用意されていたLIPS(時間制限付選択肢)では、必ずといっていいほどネタ選択肢を用意する周到さ。
信頼度下がるのを恐れたチキンプレイだったので、風呂覗きやお色気イベントはほぼやってませんが、そちらではさらに笑わせてくれたんだろうなぁ……か、体が勝手に……
今までの紙芝居形式から、3Dモデルになったので、表情やリアクションで感情表現が豊かになった分、
愛着も沸きやすかったのかな、と思いました。

 

花組のヒロインたちも、最初に見たときは「全員キメ顔で卍解しそう」と、可愛さよりも格好良さが先立ちましたが(主にキャラデザのせい)、実際にプレイすると、どの娘もしっかりデレてくれるのでよかったです。
特に初穂はもっと乱暴者かと思いきや、どちらかというとムードメーカーを務めることが多く、ちゃんと常識もあって(失礼)、初見から一番印象変わりましたわ。
他では、クラリスの妄想ノートイベントもニヤニヤが止まらない。

 

プレイ前はさくらルート目指す予定だったんですが、ちょっと感情の起伏が激しすぎてついて行けなかったので、あざみルートに変更してそのままエンディング行きました
あざみももっと気難しいキャラかと思っていたのですが、素直に可愛かったですね。
お、俺はロリコンじゃないし……3で初っ端コクリコエンド行ったけど……
トロフィー取得率で見ると、あざみルート一番少ないのどういうことなの?

 

花組と比べると、他華撃団のキャラたちは、印象からストレートな感じでした。それぞれ、役割通りのポジションに収まった感じがありましたね。
でも、ランスロットやエリスは攻略したかったなぁ……
バトル大好き脳筋ランスロットがどういう風にデレるのかとか、堅物だけど日本文化大好きエリスがどんどん染まっていく様子とか、是非見たかったなぁ……なんて。
一応信頼度はあるのですが、恋愛っぽい反応は返ってこないので残念。

 


ただ、新シリーズ幕開けにしては、やはりキャラクターが多すぎました
たくさんキャラを出して新規層へのフックを多く作る狙いは分かるのですが、今回はもっと新生花組中心で描いてほしかった気がします。
2話で隊員となるアナスタシアは、加入直後から大したイベントもなく「俺達は仲間!」になっている印象を受けたので……裏切りをもっと前倒しして、その後のイベントがあったらな……
花組が絆を作り上げていく描写が、もう少し欲しかったです。

 

 

 

 

 

 

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この辺りで、次はストーリーについて。

 

凋落してしまった花組が復活し、他華撃団に認められるまで成長していく――
サクラ大戦シリーズそのものが置かれた状況と照らし合わせ、やりたいことは理解できますし、大筋の流れはベタだが王道で、よかったとは思います。

 

ただ、その大筋を作る中で「ん?」と首をかしげる展開が多々あり、メインストーリーを進めるため、キャラ描写をねじ曲げる強引さがあったような印象を受けました。
世界華撃団大戦のルールがガバガバ、名実ともに茶番なのはゲーム的にもどうなのよ! 一応ストーリー上の目玉にもなってるのに!
特に強引さが顕著だったのは、さくらが夜叉の正体を疑うくだり。
すみれからの否定があったにもかかわらず、自分の被害妄想を突き進めて心折れちゃうって……
挫折と復活をやりたかったのは分かるんですがね……

 

ひどかったのは、序盤も序盤、1話での上海華撃団によるさくら機のリンチ。
ふがいない帝国華撃団に代わり、帝都防衛の任を担っていた上海華撃団。
ポジション的には、先輩であり、一番身近なライバルで、中盤以降はそんな描写が多かったのですが、いくら花組が足手まといだとはいえ、敵陣の真っ只中で自らボコりに行くのはどうなの……
「危ねえから下がってろ!」程度のやり取りならそこまで気にならなかったですし、出撃前、足を引っ張るのが分かっている花組を止めるために機体を破壊する、なんて流れなら、まだ説得力もあったのですが……
落ちぶれてしまったため、最初は心ない言葉を投げられることも多い主人公側ですが、上海華撃団に関しては、「何だコイツら!?」と反感を抱くシーンが先に来てしまったのがとても残念でした。

 

昨今の流行として、主人公は周囲から持ち上げられる者、が受ける要素としてあると思います。
そこがやや行き過ぎたのがいわゆる「なろう系」と揶揄される作品だと認識しているのですが……
今作では、置かれた状況ゆえ必要な描写だったと分かりつつも、序盤の主人公たちが下げられすぎな部分があり、新サクラ大戦から入ったプレイヤーに受け入れられたのかどうか、危惧してしまいます。
やり口を変えれば、同じようなストーリーでも見え方が違っていた気が……
厳しい言い方になりますが、シナリオに関しては全体的に「古臭さ」を感じました。いい意味でも悪い意味でも。

 

あと、消化されなかった伏線がかなりあるので、これは続編前提……ってことでいいんですよね?
続編では、他華撃団にももっとスポットが当たるという認識でいいんですよね?
そのために、一発目からいっぱいキャラを出して顔見せしておいたと。
旧作ファンへのサービスも、次回はもっと分かりやすくなってるんですよね?

 

 

 

 

 

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期待を寄せたところで、最後にゲームシステムとバトルパートについて

 

そもそも俺がサクラ大戦に興味を持ったのは、ロボ要素……光武に惹かれたのがきっかけでした。
ボトムズのATを洗練したようなデザインで、一歩間違えればドラム缶になってしまう頭身なのに、こんなにもかっこよく出来るものなのかと衝撃を受けました。
当時の記憶はほとんどないのですが、一時期リューナイト見ていた影響もあるのかなと。
そこから入った身としては、無限を始めとした各華撃団のロボデザインは最高でしたし、それを自由に動かせるバトルパートは感動ものでした。動きも軽快で最高!
ヌルゲーマーなのでアクションは苦手な部類なのですが、前作までのシミュレーションから方向転換してくれたことは感謝感激でした。アクション自体の難易度はかなり抑えめで、ジャスト回避さえ出来ればクリア出来ますし。


ただ、ステージの狭さとロックオン機能未実装のせいで、かなり爽快感を削がれた事実
無限の動きがスピーディなので、連続攻撃するとどんどんその場から移動してしまい、ステージから落下することが多々ありました。
ステージ自体を広くするか、落下を無くしてほしいと何度思ったことか……
ロックオン機能は、とにかく空中の敵が狙い辛すぎて参ったからです。距離感が計り辛すぎる。
カメラを頻繁に動かさないとしょっちゅう敵を見失うので、できれば欲しかった……

 


バトル以外で気になったのは、やはりパートボイスでしょうか。
フルボイスじゃないこと自体はそこまでマイナスではないのですが、ボイス無しは通常会話シーン、イベントシーンはフルボイスと分けて欲しかったです。それでイベントシーン削れてもいいので。
「普通のイベントシーンと変わらないのにボイスだけ無い」パートが多すぎたので、それなら無理に作らなくていいんじゃないかなぁ……と。
イベントシーン多すぎて、メインストーリーだけでも全部見るにはかなり体力使いましたし。
次回作があるなら、削った部分をボイスの充実に割り当ててほしいです。
細かいところでは、キャラがしょっちゅうふらふらしているのが気になるので、モーションも抑えめにしてほしいなぁと。

 

 

 

良悪色々な点を羅列しましたが、「次回作で改善してほしい」と期待を寄せるくらいには楽しめました。
でも、ちょっと2周目はやる気になれないかな……
他媒体への露出やメディアミックスが激しく、宣伝費に対して売り上げが見合っていたのかどうかは判断できませんが、「新サクラ大戦シリーズ」が続いてくれることを願いつつ、締めたいと思います。

 

 

4月からのアニメは、ゲーム本編をそのままなぞるのではなく、色々アレンジするか、いっそのこと本編後の話でも面白いかもなぁ。