にわかオタクの雑記帳

にわかオタクがそのときハマっていることを書き殴るブログです 主にアニメ・ゲーム中心

遊戯王 New stage サイドS 10-2

「先攻は僕がもらうよ。ドロー」
 信二の立ち振る舞いは落ち着いていたが、その瞳からは抑えきれないほどの殺気を感じる。
「早速行こうか。僕は<手札断殺>を発動。お互いのプレイヤーはカードを2枚選んで墓地に送り、デッキから2枚ドローする」

<手札断殺>
速攻魔法
お互いのプレイヤーは手札を2枚墓地へ送り、デッキからカードを2枚ドローする。

 信二は選択するカードをあらかじめ決めていたようで、手早く墓地に送りデッキからカードを引いている。
「……ッ!」
 対し、創志の初手は優秀なモンスターが揃っており、どれも墓地に送るには惜しい。
「どうしたの? 随分迷ってるみたいだけど。まだデュエルは始まったばかりなんだし、そんなに考え込むことないんじゃないかな」
「――うっせ!」
 信二の挑発を軽く牽制し、創志は2枚のカードを墓地に送って、デッキからカードを引く。
 過去の信二とのデュエルで後攻1ターンキルを決められた経験のある創志にとっては、「まだデュエルは始まったばかり」なんて言葉は皮肉にしかならない。
「モンスターをセット。ターンエンドだ」
 強気な発言とは逆に、慎重なプレイングだ。<手札断殺>を使った以上、何の意味もないモンスターをセットしたとは考えづらい。

【信二LP4000】 手札4枚
場:裏守備モンスター
【創志LP4000】 手札5枚
場:なし

「俺のターン!」
 信二は以前、闇属性のモンスターを集めたデッキを使っていた。
 そのデッキは金盛が持っていたため、今使っているデッキは別物のはずだ。
 迂闊に仕掛けるのは危険だが、仕掛けなければ相手の狙いも分からない。
「俺は<A・ジェネクス・ボルキャノン>を召喚! さらに魔法カード<マシン・デベロッパー>を発動させるぜ!」
 溶接工が付けるような仮面を装着した朱色の機械兵が、タンク型の炉を背負って現れる。炉からはホースが伸びており、右肩に設置された噴射口から炎を吐き出すことを可能にしている。

<A・ジェネクス・ボルキャノン>
効果モンスター
星4/闇属性/機械族/攻1700/守 600
自分フィールド上に表側表示で存在する「ジェネクス」と名のついた
炎属性モンスター1体を墓地へ送って発動する。
相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して破壊し、
破壊したモンスターのレベル×400ポイントダメージを相手ライフに与える。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。

 魔法カード<マシン・デベロッパー>のサポートを受け、<A・ジェネクス・ボルキャノン>の攻撃力は200ポイント上がり、1900ポイントになる。

<マシン・デベロッパー>
永続魔法
フィールド上に表側表示で存在する
機械族モンスターの攻撃力は200ポイントアップする。
フィールド上に存在する機械族モンスターが破壊される度に、
このカードにジャンクカウンターを2つ置く。
このカードを墓地へ送る事で、このカードに乗っている
ジャンクカウンターの数以下のレベルを持つ
機械族モンスター1体を自分の墓地から選択して特殊召喚する。

 仮に<A・ジェネクス・ボルキャノン>が破壊されたとしても、<マシン・デベロッパー>にジャンクカウンターが溜まる。<マシン・デベロッパー>は、墓地に送ることで乗っていたジャンクカウンターの数以下のレベルの機械族モンスターを特殊召喚できるカード。アドバンテージが取り戻せるわけではないが、何も無しに破壊されるよりは随分マシだ。
「バトルだ! <ボルキャノン>で伏せモンスターを攻撃! ファイア・スプラッシュ!」
 肩の噴射口から、高音の炎が発射される。
 瞬く間に焼かれた伏せモンスターは、断末魔を上げながら砕け散った。
「破壊されたモンスターは<インヴェルズの囮兵>。こいつが戦闘によって破壊され墓地に送られた時、デッキから攻撃力1500以下の<インヴェルズ>と名のついたモンスターを特殊召喚できる! 僕は<インヴェルズの門番>を特殊召喚!」

<インヴェルズの囮兵>
効果モンスター(オリジナルカード)
星4/闇属性/悪魔族/攻1500/守0
このカードが戦闘によって破壊され墓地に送られた時、
自分のデッキから攻撃力1500以下の「インヴェルズ」と名のついた
モンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

 断末魔に導かれ現れたのは、黒い甲殻で全身を隙間なく覆ったモンスターだった。体を丸めて身を守るその姿は、ダンゴムシに近い。

<インヴェルズの門番>
効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1500/守1900
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
「インヴェルズ」と名のついたモンスターが表側表示で
アドバンス召喚に成功したターン、
自分は通常召喚に加えて1度だけモンスターを通常召喚する事ができる。

 信二の狙いはモンスターのリクルートだったようだ。<インヴェルズ>がどのようなデッキなのかは分からないが、警戒するに越したことはなさそうだ。
「……カードを1枚伏せて、ターンエンド」

【信二LP4000】 手札4枚
場:インヴェルズの門番(守備)
【創志LP4000】 手札3枚
場:A・ジェネクス・ボルキャノン(攻撃)、マシン・デベロッパー、伏せ1枚