遊戯王 New stage 24
「さよなら、創志」
「さよなら、創志」
「さよなら、兄さん」
暗闇の中、何度も繰り返される冷たい言葉。
父親である、源治。
母親である、めぐみ。
弟である、信二。
創志の目には、家族の背中しか映っていない。
どんなに足を動かしても、その背中に追いつくことできなかった。
前にも同じような光景を見たような気がする。
――俺は。
最初のうちは「絶対に負けない」と燃えさかっていた闘志も、わき上がってくる後悔の念に押し潰されそうになっていた。
光坂の狙い――創志の精神を砕き、戦う意志を消すことが目的であると分かっていても、耳に響く家族の声が罪悪感を膨らませる。
この状態が続けば、間違いなく創志の心は闇に浸食され、二度と立ち上がることはできない。
何とかしなければと思っても、具体的な解決方法が浮かばない。
「――俺は!」
萎えかけた戦意を奮い立たせるため、創志は力一杯叫ぶ。
すると、背中の向こう――暗闇の一点に、光が灯るのが見えた。
創志はその光を注視する。
「――し」
声が聞こえる。
家族が発する別れの言葉ではない、別の声が。
その声は、創志の耳に心地よい響きをもたらす。
初めて聞いたのはつい最近だが、創志は声の主を知っていた。
「さよなら、創志」
「さよなら、兄さん」
暗闇の中、何度も繰り返される冷たい言葉。
父親である、源治。
母親である、めぐみ。
弟である、信二。
創志の目には、家族の背中しか映っていない。
どんなに足を動かしても、その背中に追いつくことできなかった。
前にも同じような光景を見たような気がする。
――俺は。
最初のうちは「絶対に負けない」と燃えさかっていた闘志も、わき上がってくる後悔の念に押し潰されそうになっていた。
光坂の狙い――創志の精神を砕き、戦う意志を消すことが目的であると分かっていても、耳に響く家族の声が罪悪感を膨らませる。
この状態が続けば、間違いなく創志の心は闇に浸食され、二度と立ち上がることはできない。
何とかしなければと思っても、具体的な解決方法が浮かばない。
「――俺は!」
萎えかけた戦意を奮い立たせるため、創志は力一杯叫ぶ。
すると、背中の向こう――暗闇の一点に、光が灯るのが見えた。
創志はその光を注視する。
「――し」
声が聞こえる。
家族が発する別れの言葉ではない、別の声が。
その声は、創志の耳に心地よい響きをもたらす。
初めて聞いたのはつい最近だが、創志は声の主を知っていた。
「そうしっ!」
瞬間、視界を覆っていた暗闇が取り払われていく。
そうだ。
俺はみんなのためにも、負けるわけにはいかない。
「聞こえたかよ……輝王!」
創志は共に戦ってきたパートナーの名を呼ぶ。
「――ああ」
返事はすぐに返ってきた。
「まだデュエルは終わっていない」
「諦めるもんかよッ!」
そうだ。
俺はみんなのためにも、負けるわけにはいかない。
「聞こえたかよ……輝王!」
創志は共に戦ってきたパートナーの名を呼ぶ。
「――ああ」
返事はすぐに返ってきた。
「まだデュエルは終わっていない」
「諦めるもんかよッ!」
【創志LP1400→400】
【輝王LP2800→1800】
創志は両手を地面に押しつけると、徐々に体を起こしていく。
隣では、両目を閉じたままの輝王が、静かに立ち上がっていた。
「……すごいね。あの攻撃を受けて、まだ立つのかい?」
創志達の瞳が死んでいないことを確認したのだろう。光坂が、感嘆のため息を漏らす。
「……当たり前だ!」
「俺たちは、まだ負けていない」
ふらつきながらも立ち上がった創志は、左腕に装着されたデュエルディスクを見る。
デッキの枚数も、ライフも残されている。
創志の信じるカードたちは、まだ十分に戦えるのだ。
「そうし……!」
「よく立ったぞ輝王!」
創志たちを闇の淵から救ってくれた仲間たち――ティト、切、それにリソナを背負った神楽屋と、切の肩を借りているジェンスの姿が見えた。
「なら、君たちの足掻く様を見た後、正式なルールに則って勝つとしようか。カードを1枚セットして、ターンエンドだ」
永遠に続くかと思われた光坂のターンが終了する。
ここからが、最後の反撃だ。
隣では、両目を閉じたままの輝王が、静かに立ち上がっていた。
「……すごいね。あの攻撃を受けて、まだ立つのかい?」
創志達の瞳が死んでいないことを確認したのだろう。光坂が、感嘆のため息を漏らす。
「……当たり前だ!」
「俺たちは、まだ負けていない」
ふらつきながらも立ち上がった創志は、左腕に装着されたデュエルディスクを見る。
デッキの枚数も、ライフも残されている。
創志の信じるカードたちは、まだ十分に戦えるのだ。
「そうし……!」
「よく立ったぞ輝王!」
創志たちを闇の淵から救ってくれた仲間たち――ティト、切、それにリソナを背負った神楽屋と、切の肩を借りているジェンスの姿が見えた。
「なら、君たちの足掻く様を見た後、正式なルールに則って勝つとしようか。カードを1枚セットして、ターンエンドだ」
永遠に続くかと思われた光坂のターンが終了する。
ここからが、最後の反撃だ。