にわかオタクの雑記帳

にわかオタクがそのときハマっていることを書き殴るブログです 主にアニメ・ゲーム中心

遊戯王 New stage 16

「俺のターン! ドロー!」
 創志の場には<A・ジェネクストライフォース>が残っている。
 ――俺が何とかするんだ!
 自分を奮い立たせるように声を張り上げ、創志は勢いよくカードをドローする。
 その戦意に応えるように、ドローしたカードはこの状況を打開する術を呼びこむものだった。
「俺は<リサイクル・ジェネクス>を召喚! セットされた<ジェネクス・ニュートロン>をリバースさせ、チューニングする!」
 ラジコンのコントローラーのような頭部を持つモンスターが現れ、その体を光球に変える。

<リサイクル・ジェネクス>
チューナー(効果モンスター)
星1/闇属性/機械族/攻 200/守 400
自分の墓地に存在する「ジェネクス」と名のついた
モンスター1体を選択して発動する。
エンドフェイズ時まで、このカードは選択したモンスターと同名カードとして扱う。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。

「残された結晶が、数多の力を呼び起こす! 機械仕掛けの翼となれ! シンクロ召喚――解き放て! <A・ジェネクス・ストライカー>!」
 <ジェネクス>を飛翔させるための翼――翼型のブースターを備えた戦闘機が、光を切り裂いて現れる。

<A・ジェネクス・ストライカー>
シンクロ・効果モンスター(オリジナルカード)
星5/闇属性/機械族/攻1600/守1200
「ジェネクス」と名のついたチューナー+チューナー以外の機械族モンスター1体以上
1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に装備カード扱いとして
自分フィールド上の「ジェネクス」と名のついたモンスターに装備、
または装備を解除して表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。
この効果で装備カード扱いになっている場合のみ、
装備モンスターの攻撃力は1500ポイントアップする。

「<A・ジェネクス・ストライカー>の効果を使い、<トライフォース>に装備する! これで、<トライフォース>の攻撃力は1500ポイント上がるぜ!」
 戦闘機のコクピット部分が切り離され、<A・ジェネクストライフォース>の背部に2枚の翼が装着される。
 攻撃力は1500ポイント上昇し、4000。生半可なモンスターでは越えられない数値だ。
 いつまでも<ウィンドファーム・ジェネクス>をのさばらせておくわけにはいかない。このタッグデュエルでは魔法・罠ゾーンの数が倍になっているため、<ウィンドファーム・ジェネクス>の攻撃力は簡単に上がってしまう。この段階で破壊しなければならないのだ。
「行くぜ! <トライフォース>で<ウィンドファーム・ジェネクス>を攻撃!」
「待て、皆本――」
 輝王が何かを言いかけたが、創志は止まるつもりなどなかった。
 光坂の操る<ウィンドファーム・ジェネクス>を視界から消したいという怒りもあった。
 そして、輝王がダメージを受けることなくデュエルが終了すれば、彼の身が危険に晒されることはない。そのためには、創志のモンスターで相手を圧倒する必要がある。
 ブースターが点火し、銀色の機械兵が夜空に向かって飛翔する。
 ある程度の高度に達したところで、急速反転。
 標的に向かって落下しながら、右腕の砲撃ユニットを構える。
「シャイニング・トライ・バスター!!」
 <A・ジェネクストライフォース>の右腕が跳ね上がる。
 落下する勢いのまま、眩い光を放つ光条が発射された。
 その光条は、ぶれることなく<ウィンドファーム・ジェネクス>へと向かう。
 瞬間。
 光坂の口元が、わずかに吊りあがった。
「――ッ! 乗せられてるぞ! 皆本創志!!」
 輝王の叫びはすでに遅い。
 放たれた攻撃が<ウィンドファーム・ジェネクス>を捉える直前に、光坂が動いた。
「リバースカードオープン。速攻魔法<偽装進化>を発動! デッキから<レアル・ジェネクス>と名のついたモンスターを手札に加えたのち、自分フィールド上の機械族モンスターを手札に加えたモンスターと同名カードとして扱う!」

<偽装進化>
速攻魔法(オリジナルカード)
自分のデッキから「レアル・ジェネクス」と名のついたモンスター1体を手札に加える。
自分フィールド上に表側表示で存在する機械族モンスター1体を選択し、
このターンのエンドフェイズ時までその効果で手札に加えた
モンスターと同名カードとして扱う。

「な!?」
「僕はデッキから<レアル・ジェネクスコーディネイター>を加え、<ウィンドファーム・ジェネクス>を<コーディネイター>として扱う!」
 ソリットビジョンの投影機能がバグを起こしたかのように、ジジジ……と緑色の機械兵の姿が揺らぐ。
 その状態のまま、<A・ジェネクストライフォース>の攻撃が衝突。光に呑まれた<ウィンドファーム・ジェネクス>は、一切の抵抗なく爆散する。

【光坂LP4000→2600】

 セットカードを発動したため、<ウィンドファーム・ジェネクス>の攻撃力は2600に下がり、1400ポイントのダメージが発生した。
 一瞬、<偽装進化>を使った意味、そして輝王が叫んだ意味が分からず、創志は困惑する。
 が。
 ぞわり、と肌が粟立ち、創志は「あのカード」の存在を思い出した。
 ――あんなに警戒してたのに、このザマかよ!
「自分フィールド上に表側攻撃表示で存在する<レアル・ジェネクス>と名のついたモンスターが戦闘破壊されたとき、このカードは手札から特殊召喚できる……出番だよ<レアル・ジェネクスダークマター>」
 その黒は、夜空から降り注ぐ星の光を吸いこんでしまいそうなほど深かった。
 表面が不揃いに研磨された岩石……だが、その中心には緑の光を放つランプが見え、ただの岩ではなく何かの装置であることが分かる。
 以前に見たときよりも、より不気味な存在感を放つ<レアル・ジェネクスダークマター>。

<レアル・ジェネクスダークマター>
効果モンスター(オリジナルカード)
星7/闇属性/機械族/攻0/守 0
このカードは風属性としても扱う。
このカードは通常召喚できない。自分フィールド上に表側攻撃表示で存在する
「レアル・ジェネクス」と名のついたモンスターが戦闘で破壊された場合のみ、
手札から特殊召喚できる。
このカードをシンクロ素材とする場合、
「レアル・ジェネクス」と名のついたモンスターのシンクロ召喚にしか使用できない。

「急くな……そう言ったよね。これで何度目だい?」
 失望と嘲りの混じった表情を浮かべながら、光坂はため息交じりに告げる。
 ――くそっ!
「……カードを1枚伏せて、ターンエンドだ」
 創志は心中で舌打ちする。全てが空回っているような、恐ろしい錯覚を覚えた。

【光坂LP2600】 手札2枚
場:レアル・ジェネクスダークマター(守備)、伏せ1枚
【創志LP4000】 手札4枚
場:A・ジェネクストライフォース(攻撃)、A・ジェネクス・ストライカー(A・ジェネクストライフォース装備)、伏せ2枚
【レビンLP4000】 手札2枚
場:魔轟神ガネーシャ(攻撃)、伏せ1枚
【輝王LP3700】 手札4枚
場:なし