にわかオタクの雑記帳

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劇場版マジェスティックプリンス 覚醒の遺伝子 感想

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――そして、彼はヒーローになった。




TVシリーズ放送時、スピーディーで激しいアクションで、CGで描かれるロボ作画への価値観を一変させてくれたマジェスティックプリンス
その劇場版が、先週の金曜日から二週間限定で公開になりました。
好きだった作品とはいえ終了からかなり時間が空いていたし、記憶も曖昧だったので、あんまり見に行く気はなかったのですが、マジェプリ好きだった友人から見に行こうと誘われたので、これ幸いと劇場に足を運びました。


電車内でWikipediaを読んで復習しつつも、上映時間が短いことを知りあんまり期待はしてなかったんです。
半分くらい総集編なのかな、とか、本編の続きやって綺麗に完結させるのは無理だろうな、とか、
ハードルを下げるようなこと考えてました。




そのせいか、めちゃんこ面白かったんですよね。




ファンなら見て損はない、素晴らしい映画に仕上がってて興奮しちゃいました。
いやはや、本編のアフターフォローとしては完璧に近い仕上がりだったと思います。
上映時間もそこまで短く感じなかったし、何よりあの尺の中に「マジェプリらしさ」が詰まってるんですよ。
スルーしなくてよかった、と心から思いましたわい。



なので、ここからは映画のネタバレ込みで感想を書いていきたいと思います。
これから見に行く予定の方は、ページを閉じることをオススメします。

記憶力の低下が激しいので一部間違った記述があるかもしれませんが、ご容赦ください。




















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マジェプリの売りといえば、ハイスピードバトルアクション。



特にレッドファイブを駆るイズルと、強者を求める宿敵ジアートとの戦いは印象に残っている人が多いでしょう。
俺もそのうちの一人です。あのバトルで、完全に見る目が変わりました。
ストーリーが消化不良で終わってしまったのに「面白かった」と今でも思えているのは、ひとえにレッドファイブの活躍があってこそだと思います。
もちろん、コミカルなキャラ同士のやり取りなど、他にも見所はたくさんありましたが。



当然、劇場版にもそれを期待していました。



映画は本編ラスト、イズルとジアートの激闘から始まり、何とかウルガルのゲートを破壊、ジアートを撃退するもレッドファイブは大破しイズルは意識不明の重傷に。
治療によって傷は治ったものの、意識は戻らず、チームラビッツを始めとした面々は、彼の目覚めを待つ……
この辺はコメディパート、相変わらずなやり取りに懐かしさを覚えながら心を和ませつつ、
後半になったらチームがピンチに陥って、目覚めたイズルが颯爽と助けに来るんだろうな、と予想してました。
それを期待していたし、そうなっても俺は「面白かった」と言っていたと思います。




でも、そうはならなかった。




いや、正確に言うと話はそんな単純な展開にはなりませんでした。
イズルはみんなが出撃する前にころっと目覚めてしまったのです。
この展開には「オイオイ最高にオイシイ要素をこんなあっさり消化しちゃうのかよ」と、ちょっと落胆すらしました。
ただ、起きたイズルは仲間たちとロクに会話する暇も無く、チームラビッツの出撃。
学園を狙うウルガル残党軍との戦闘が始まります。



あと数秒で学園の地下シェルターが破られ、避難した生徒たちが犠牲になる寸前で、スルガが覚醒。
本編中ではレッドファイブしか見れなかった覚醒形態が、ゴールドフォー、さらにはアサギのブルーワンもお披露目となります。
これがまた覚醒ブルーワンが滅茶苦茶かっこいいんですわ……是非見ていただきたい。
レッドファイブよりも華麗で優雅に、それでいて鮮烈。たまらん……



しかし、敵のリーダーに気を抜いた隙を突かれ、アサギが撃墜。
スルガ、タマキの機体も損傷し動けず、アンジュがかろうじて敵の猛攻をしのいでいる状態。
その絶体絶命のピンチに、ヒーローは舞い降りる。
満を持して、イズルが新たな機体、レッドファイブプラスで戦場に駆けつける。
あとはレッドファイブが大活躍し、苦戦しながらも敵を撃破――




そうやって終わってもよかった。






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けど、それでは「前回」と同じ。





ゲート破壊作戦の決戦時、ジアートに対抗できたのはイズルだけでした。
彼がジュリアシステムとの人格統合の危険を冒してまで覚醒しなければ、倒せなかった。
他のメンバーは横槍を入れるのが精いっぱいで、レッドファイブと肩を並べて戦うことはできなかった。



チームと言いつつも、最後はイズルだけに背負わせてしまった。
劇中でアサギも言っていますが、見方を変えれば、それは彼を見捨てたことと同義。
イズルなら大丈夫だ、きっと帰ってくると信じ、手を離してしまった。
結果、彼は重傷を負い、眠ったまま戻ってきた。




だから、今度は助ける。イズルと同じ舞台に立ち、一緒に戦う。




救援に現れたイズルは本調子ではないため苦戦を強いられ、敵を倒すどころか逆にピンチに陥る。
そこを、新たな機体ホワイトゼロに乗った兄、アサギが助ける。
憧れのヒーローになったイズルのためのヒーローになる。
単純なレッドファイブの無双で終わったりは、しなかったんです。


個人的に、劇場版の主人公はアサギだと思っています。
彼をはじめとしたチームラビッツのメンバーが文字通り「覚醒」し、共に戦う。
覚醒したものの武装を制御できないタマキは、スナイパースルガがフォロー。
アッシュ5機のプロトタイプ、ホワイトゼロは特性を一機に集中させすぎたゆえに、まともに操縦できる代物ではなかった。
そこを覚醒したケイが操縦をフォローすることで、ようやく戦えるようになる。
足りない部分を補ってこそのチーム。共に戦ってこその仲間。
最後はイズルとアサギの連携で敵の動きを止め、スルガのフォローでタマキが渾身の一撃を発射、
回避しようとした敵をアンジュが押し留め、決着。
俺たちを魅了したハイスピードアクションを見せつつ、今度は全員で勝利をもぎとる――



TVシリーズの最終回と照らし合わせ、単なる「ヒーローの帰還」だけでは終わらなかったことを認識して、
この映画を見てよかったと心から思えました。
いやはや、自分の陳腐な予想を上回る良作を見せてもらって、感謝の念しかないですわ……
彼だけではなく、彼らがヒーローになる。それを目的とした劇場版だったのかな、と。





チームドーベルマンがチームフォックスとして復活したり、後輩組のデビュー戦もあったりしましたが、
あくまでラビッツ6人がメインのお話で、軸がぶれることもなく、らしさを貫いてくれた。
本編では最後まで馴染みきらなかったアンジュの奮闘ぶりといい、物足りなさの補完が充実してました。
さすがにウルガル本星に殴り込んで親父ぶっ飛ばすまではできませんでしたが……w
完結編と銘打ってもいいくらい、綺麗にまとまっていたと思います。
尺の都合かアサギ死亡(生きてたけど)のあと、姫様のコメディシーンやるのはどうなのとかツッコミどころがないわけではなかったですが、良点が掻き消してくれた感じです。
繰り返しになりますが、マジェプリ好きなら見て損はない映画です。
上映期間が短いので、時間を見つけて是非どうぞ!
俺も円盤予約します!!






でもね、ひとつだけ大きな不満があるのです。







それはね?









ボ イ ス ド ラ マ い ら な く な い ?







なんで映画館で一枚絵見せられてボイスドラマ聞かなきゃいけないの……
しかも別にあってもなくてもいいような内容だったし……
綺麗に終わってたじゃん! 余韻台無しだよ! 
あのボイスドラマは、いったいぜんたいどんな意図でラストに盛り込まれたのだろうか……?
誰か教えてええええええええ!