機動戦士ガンダムＡＧＥを最後まで見てみて

「とりあえず３話まで見てください」というビッグマウスも、もはや忘却の彼方に流されそうになっている……
それほどまでに長い時が流れたのだよ。それこそ少年が老人になって銅像建てられるくらいにはな。
９割の不安と１割の希望の中で始まった新たなるガンダム、機動戦士ガンダムＡＧＥが１年間の放送期間を終了し、幕を閉じました。
いやあ、振り返ってみるとあっという間……でもないか。
「どんなにつまらなかろうとガンダムだから最後まで付き合う」と覚悟を決めていたのですが、本当に心の底からつまらないと思ってたら視聴をやめていたと思うので、最後まで見られたということは面白いと感じられる要素がどこかにあったのでしょう（他人事

最後まで見た記念ということで、軽く感想を書いてみたいと思います。
以下、ネタバレ注意！　あと、「お前が言うな」的な不快感を覚えるかもしれないので注意！

感想を一言で表すなら、普通につまらなかったなと。

例えが悪いけど、最近だとBLOOD-Cのように突き抜けたクソアニメなら悪い意味で記憶に残ると思うんですが、ＡＧＥは平々凡々につまらないと感じました。
まあプラモを売らなければならないわけだし、過去のガンダム作品にも参加していたスタッフさんもいるわけだから、そこまで突き抜けたクソアニメになるわけはないんですがね……
フリット編は「でも作業用です！」とか「強いられているんだ！」とかタイタスの雄姿（笑）とかネタ要素が結構あったけど、アセム編からはネタ要素が薄くなり（家政婦ロマリーは見たとかあったけど）、かといってストーリーの粗が消えて面白くなるかといえばそうでもなく……右肩下がりになっていった印象が。
アセム編、キオ編と世代交代した最初のほうは「今度は面白くなるかも！」と期待を抱かせるのに、物語が進むにつれて「やっぱり今回もダメだったよ」と裏切られるという、性質の悪い構成。

そう。面白くなりそうな要素はたくさんあったんですよ！　それこそ挙げればキリの無いくらいに！
けど、その要素をことごとく潰していったんですよ！
わざわざ三世代にした必要性も感じなかったし、「進化するガンダム」という謳い文句も蓋を開けてみれば新型機に乗り換えるのとほとんど変わらない。ガンダムはオンリーワンであるべきだっただろ……どうしてＡＧＥ－１もＡＧＥ－２も普通に現存してるんだよ……なんで俺の好きなＡＧＥ－３だけぶっ壊れたんだよ……
最後のＦＸにいたっては、ウェア換装もなかったしね。
近年の仮面ライダーのように、毎回ＡＧＥシステムで新武装を作ってバンバン使わせればよかった。
無理に三世代にしたせいでそれぞれのガンダムの活躍期間も限られてしまい、大した見せ場もなく破壊されてしまったウェアもありましたね。オービタルは犠牲になったのだ……それじゃプラモも売れないよ。
ストーリーのほうも、世代交代する度にキャラが大幅に入れ替わって、愛着もクソもない。
フリット編ではまだ子供だったキャラが、アセム編では成長してパイロットになり、キオ編では隊長になってる――的な時間を感じさせる演出も少なかったしねぇ。まともな交流があったのはウルフとアセムくらいか。

この間書いたフォーゼの感想で「隙の多い面白さだった」と書いたんだけど、
ＡＧＥは穴ぼこだらけで、その穴を埋めてようやく普通になれる話だったと思う。
フォーゼは「もっとこうしてほしかった」って部分はあったけど、そのままでも十分面白かったからね。
俺はＡＧＥの小説版は読んでないんだけど、アニメの穴を埋めた小説版は評判いいみたいだし、決して素材が悪かったわけじゃないはず。ただ、いかんせん調理の仕方が……
種デスも調理の仕方を間違ってボロクソに叩かれたけど、ＭＳはＡＧＥよりも数倍カッコよかった。そういう意味では、ＭＳの魅せ方までも滑ってるんだよなぁ、ＡＧＥは。

ＡＧＥの放送が始まった頃、「ＵＥは未来の地球からやってきた無人兵器で、未来の地球はＵＥよりももっとヤバい敵に襲われており、それに対抗するために過去に遡って技術レベルを引き上げるために襲撃を開始した」てな感じの嘘バレがあったんですが、今思うと絶対にそっちの方が面白かったと思う。

とまあツッコミどころはいくらでもありますが、前述した通り最後まで付き合うことはできたので、そこまでひどい作品だとは思わなかったです。~~ダンボール戦機でやってたらここまで叩かれなかったはず。~~
自分がＸラウンダーでないことに悩んでもがき苦しむアセムとか、最後まで少年時代の恨みを抱え、憎しみを貫いたフリットとか、子供らしい青さが見えるキオの主張とか、素直に「すごいな」と思った部分もありました。
けれど、全体を通してみると、ネガティブな意見が先行してしまうのは仕方のないことなんじゃないかな……
来年頭くらいにはストーリーの大半を忘れていそうだから困る。
途中、「日野さんはガンダムを潰してダンボール戦機の時代を作るつもりだ」というネタを本気で受け止めていた時期もありました。