にわかオタクの雑記帳

にわかオタクがそのときハマっていることを書き殴るブログです 主にアニメ・ゲーム中心

遊戯王オリジナルstage 【ep-07】

<邪神アバター>
効果モンスター
星10/闇属性/悪魔族/攻   ?/守   ?
このカードは特殊召喚できない。
自分フィールド上に存在するモンスター3体を
生け贄に捧げた場合のみ通常召喚する事ができる。
このカードが召喚に成功した場合、相手ターンで数えて2ターンの間、
相手は魔法・罠カードを発動できない。
このカードの攻撃力・守備力は、フィールド上に表側表示で存在する
「邪神アバター」を除く、攻撃力が一番高いモンスターの
攻撃力+100ポイントの数値になる。

「<邪神アバター>……!?」
 戒斗の持つ<幻魔皇ラビエル>。
 愛城の持つ<アルカナフォースEX>。
 それらのモンスターと同じ、3体の供物を必要とするモンスター。
 邪を司る、神。
「神の名を冠するモンスターか……こいつは……」
 治輝が呻く。このタッグデュエルのルールなら、厳しい召喚条件を持つモンスターの召喚も容易だったわけだ。
「俺様は<冥界の宝札>の効果でカードを2枚ドローし――さあ! 力を映す鏡となれ! <邪神アバター>!」
 そして、変化が始まる。
 漆黒の太陽の姿がぐにゃりと歪み、徐々にその形を変えていく。
「あれは――!?」
 鋭角的なフォルムと、右腕に装着した特徴的な形の砲撃ユニット。
「俺の<A・ジェネクストライフォース>!?」
 創志の言うとおり、その姿は紛れもなく<A・ジェネクストライフォース>だった。
 しかし、その色は銀ではなく、黒。
「<邪神アバター>の攻撃力・守備力は、フィールド上に存在する攻撃力の一番高いモンスターの攻撃力+100になる。貴様が<A・ジェネクストライフォース>を召喚してくれなければ、<アバター>は機能しなかった。礼を言うぞ、皆本創志」
「くそっ……!」
 現在、<A・ジェネクストライフォース>の攻撃力は、<マシン・デベロッパー>によって200ポイント上昇しているため、2700。
 <邪神アバター>の攻守は、それを100ポイント上回る2800になる。
「さらに、<アバター>の召喚に成功した場合、相手ターンで数えて2ターンの間、魔法・罠の発動を封じられるが……すでに発動している永続魔法・罠を無効にすることはできない。その判断力は褒めてやろう、輝王正義」
「…………」
 あの時輝王が<エレメントチェンジ>を発動していなければ、こちらの動きを封じられていた。自分の本能もまだまだ捨てたものではないと微かな喜びを覚えるが、状況は悪い。
「……次の俺のターンまで、魔法・罠の発動はできないってことか」
 治輝の言葉に、輝王は頷く。
 <邪神アバター>の効果を見るに、戦闘で倒すことは不可能だろう。ならば、カードの効果で破壊するしかない。魔法・罠を封じられたなら、モンスター効果を使うまでだ。

「俺様の予想では――その伏せモンスターは<A・ボム>だな? 輝王正義」

 砂神が指したのは、輝王の伏せモンスターだった。

<A・ボム>
効果モンスター
星2/闇属性/機械族/攻 400/守 300
このカードが光属性モンスターとの戦闘によって
破壊され墓地へ送られた時、フィールド上のカード2枚を破壊する。

「知っているぞ。<A・ボム>は光属性モンスターによって戦闘破壊され墓地に送られたとき、フィールド上のカードを2枚破壊するモンスターだ。攻撃力は低いが、<A・ボム>の戦闘破壊によって<機甲部隊の最前線>でデッキから呼べるモンスターは存在する。貴様が発動させた<エレメントチェンジ>の効果によって、俺様の<邪神アバター>は光属性になっている。なるほど、確かに<A・ボム>なら<アバター>を倒せるかもしれんな」
 そこで言葉を切った砂神は、睨み返す輝王を存分に見下してから、告げる。
「だが、俺様は貴様の伏せモンスターに攻撃しよう」
「なっ……!?」
 戸惑いを見せたのは、創志だ。前言を撤回するような砂神の言動に混乱したらしい。
「<A・ジェネクストライフォース>は<アバター>のために生かしておいてやろう。バトルフェイズに入る」
 砂神がフェイズの移行を宣言すると、機械兵の姿を模した邪神が、音も無く動き始める。
「<邪神アバター>よ! 輝王の伏せモンスターを葬り去れ!!」
 右腕の砲撃ユニットを構え、<邪神アバター>が静止する。
 瞬間、邪神の内側から漏れ出た闇が、砲口へと収束していく。
 さらに、輝王の場に存在する<エレメントチェンジ>から溢れる光が、収束した闇と混じり合っていく。
 光と闇が混ざり、混ざり、混ざり――
 生み出されるのは、混沌。
「カオス・トライ・バスター!!」
 混沌が吐き出される。
 光と闇の奔流が、一瞬で輝王の伏せモンスターを砕く。
「ひとつ言い忘れていたが――」
 砕け散るモンスターの破片を優雅に眺めつつ、砂神が声を出す。
「俺様の<邪神アバター>は、<ハードアームドラゴン>をリリースしてアドバンス召喚している。この意味が分かるな?」
「……ッ! そいつは――」
 真っ先に反応したのは治輝だ。苦々しげに唇を震わせ、気付いた事実を述べる。
「……<ハードアームドラゴン>をリリースして召喚に成功したレベル7以上のモンスターは、カードの効果では破壊されない」

<ハードアームドラゴン>
効果モンスター
星4/地属性/ドラゴン族/攻1500/守 800
このカードは手札のレベル8以上のモンスター1体を墓地へ送り、
手札から特殊召喚する事ができる。
このカードをリリースして召喚に成功したレベル7以上のモンスターは、
カードの効果では破壊されない。

「その通りだ! <邪神アバター>に<A・ボム>の破壊効果など無意味なんだよ!!」
 どんなモンスターを召喚しようと、必ずその攻撃力を上回り――
 生贄となった<ハードアームドラゴン>の効果によって、破壊耐性を備えた<邪神アバター>。
 この神を倒すことは、不可能に近い。
 だが。
「さあ! さっさと<A・ボム>で破壊するカードを選択するといい! <冥界の宝札>くらいは破壊できるぞ?」

 決して、不可能ではない。

「……<機甲部隊の最前線>の効果発動。俺はデッキから<AOJガラドホルグ>を攻撃表示で特殊召喚する」

<A・O・J ガラドホルグ>
効果モンスター
星4/闇属性/機械族/攻1600/守 400
光属性モンスターと戦闘を行う場合、
ダメージステップの間このカードの攻撃力は200ポイントアップする。

「――何だと?」
 輝王の場に現れたモンスターを見て、砂神が不愉快そうに眉根を寄せる。
「そのモンスターは……」
「残念だが、お前の予想は外れだ。俺の伏せモンスターは<AOJサウザンド・アームズ>。攻撃力1700、守備力0の闇属性機械族モンスター。こいつが戦闘破壊されたことによって、それよりも攻撃力の低い<ガラドホルグ>を特殊召喚させてもらった」
 光の刃を煌めかせるサーベルを携えた<AOJガラドホルグ>は、二刀を十字に構える。
「ふん。読みが外れたか。まあいい。そんなクズモンスターでは、俺の邪神に傷ひとつ付けられまい。俺はカードを1枚セットして、ターンエンドだ」
 伏せカードをセットしたということは、一応の警戒は忘れていないわけだ。強力なモンスターを呼び出すことだけに固執し、全く相手を見ていない迂闊者ではない。
 やはり、一筋縄ではいかない。
「……時枝が言っていたな。自分の力に酔っていると、足元をすくわれると」
 それでも、輝王は口にする。

「いいだろう。なら、邪神という名の幻想を――俺が殺してやる」

 反撃の言葉を。

【砂神LP8000】 手札5枚
場:邪神アバター(攻撃)、冥界の宝札、伏せ1枚
【輝王LP4000】 手札3枚
場:AOJガラドホルグ(攻撃)、機甲部隊の最前線、エレメントチェンジ(光指定)
【治輝LP4000】 手札6枚
場:裏守備モンスター、伏せ1枚
【創志LP4000】 手札2枚
場:A・ジェネクストライフォース(攻撃)、裏守備モンスター、マシン・デベロッパー(カウンター2)