にわかオタクの雑記帳

にわかオタクがそのときハマっていることを書き殴るブログです 主にアニメ・ゲーム中心

漫画「世呑の竜」をなるべくネタバレ無しで語ってみる

www.comic-valkyrie.com

 

無料で読めるweb漫画雑誌コミックヴァルキリーにて好評連載中の漫画、世呑(せいどん)の竜
「竜」が実在する宗教国家、その辺境の村にて家族と平穏な日々を送っていた少年マナト・アスクレイ。
主教の巡行が行われたその日、彼の暖かな生活は一変してしまう。
全てを呑んだ忌むべき存在に対し、マナトは復讐を誓う――

 


作者であるワス先生とは結構古い付き合いの友人で、俺がYahooブログ時代に書いていた遊戯王の二次創作小説の挿絵を描いていただいたこともあります。
世呑の竜連載スタートまでの道筋を知っているだけに、どうしても「贔屓目」が入ってしまい、公平な視線では作品を語ることが出来ないのですが……なるべくそれを抑えつつ、ネタバレも控えめに、自分なりに軽く語ってみようと思います。

 

 

 

 

seiga.nicovideo.jp


ダークファンタジーと銘打たれ、あらすじを把握しつつ1話を読み進めると、「この後に待ち受けるであろう悲劇」が概ね予想が付きます。
フィクションにおいて悲劇を演出する際、そこに至るまでにどの程度主人公や他キャラクターたちに感情移入させているかで、読者が受ける衝撃が変わってくると思いますが、その悲劇を物語の幕開けに据える場合、幸せな生活を描く尺が限られており、反動を与えるための描写が浅くなりがちですが、その点において世呑の竜は素晴らしい構成の1話だったのではないかと。

 

シナリオの筋は「ありがち」かもしれませんが、マナトがどれだけ家族のことを大切に想っていたか、そして血が繋がっていなくとも、両親や妹のレンカが、マナトのことを「本当の家族」として想っていたのかが伝わってきます。
だからこそ、その後の悲劇が際立つ。引き込まれる。
ストーリーの演出というか、肉付けが上手くて、シナリオに面白さを見出しがちな自分にも楽しめました。

 

 

 

 

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安直な丸呑みのイメージ

 

この作品を語る上で避けては通れない「丸呑み」という要素。
人間が生きたまま呑み込まれ、体内に取り込まれてしまうシチュエーション……そういったシーンが「大好き」な方々には、そりゃもうぶっ刺さりまくっているのではないかと。というか丸呑み好きの方々はこんなブログ読む前に世呑の竜ファンになってると思いますええ。
残念ながら自分にはそういった性癖が無いため良さを100%理解することは出来ないのですが、個人的に唸ったのは、宗教国家においての丸呑みの意義
ネタバレになるため詳細は書きませんが、食事や力の吸収など本能的な理由付けが多い(と思う)丸呑みを、こういった理由で設定と絡めるのか、と目からウロコが落ちた気分でした。
今後の展開や登場するだろう敵キャラが楽しみになる、よく練られた設定であり着眼点じゃないかと。

 

 


あとはもうわざわざ書かずとも伝わるであろう画力の高さですね。
知り合った当初から「すげえ絵が上手い」と思っていたし、挿絵描いてもらったときも「すげえ絵が上手い」と自分の作品には勿体ないくらいだと恐縮したし、世呑の竜1話を読んだときも「すげえ絵が上手い」と感動しました。
昔からずば抜けていたクリーチャー系の書き込みもさることながら、バトルシーンも俺が知る過去と比べると段違いに迫力やスピード感が増しており、「さすがプロだ……」と後方プロデューサー面してしまいます。
女性キャラはえっちで可愛らしくえっちで(大事なことなので2回書いた)、繰り返しになりますが丸呑みシーンは性癖持ちの方にはドストレートに抉ってることかと思います。物足りない人は18歳未満は買えないえっちな漫画も単行本あるよ! 
……真面目に補足すると、場面場面における表情の魅せ方が上手いなぁと。女性キャラも可愛くてえっちなだけじゃない、適切な描き方が目に留まりました。

 

改めて1話を読み返し、最新話である6話を読むと、画力のレベルが大分違って見えました。半年でなんたる成長……

 

 

 

 

 

 

ここからちょっとだけネタバレなのですが。


先日配信されたコミックヴァルキリー最新号に掲載された6話では、新章に向けての幕間的な話が描かれました。こういった今後のストーリーへの種まき話が大好きなので、次号の休載が残念で仕方がないです……単行本作業なら仕方ないネ。
他とは明らかに違う形でドラディウムを操れるマナトに隠された秘密とは?
どうすべきかを迷うレンカの前に現れたユリシアはいかなる提案を持ちかけるのか?
敵も味方も新たな方向へ向かう中、マナトは復讐を遂げ大切なものを守ることが出来るのか――
次話も単行本も、楽しみに待ちたいと思います。