今更ながらFF14漆黒のヴィランズラストシーンに語りたくなったので語る
今や日本を代表すると言っても過言ではないMMORPG、FINAL FANTASY XIV。
あまりの評判の悪さから、文字通り世界を「新生」させた大型プロジェクトを経て、
多くのユーザーから愛されるゲームとなったわけですが、
昨今の高評価の大きな要因は、最新拡張パッケージである「漆黒のヴィランズ」。
その中でも大きなウエイトを占めるのが、シナリオの良さでしょう。
これまでもMMORPGにしてはシナリオが面白いとの声は多くありましたし、
俺も「蒼天のイシュガルド」のストーリーにはグンと引き込まれました。
評価されていたシナリオ部分が、漆黒のヴィランズで一段階上のステージへ上がった。
ここで完結でもいいと思えるくらい、素晴らしいストーリーでした……
かくいう俺は、新生サービス開始後、少し経ってから始めたクチです。
レガシー先輩には及ばないものの、今となっては古参勢に入るのでしょうか。
新生時代は一緒にFF14を始めたリアル友人や、ゲーム内フレンドにも恵まれ、
当時の最難度コンテンツだった「大迷宮バハムート」にチャレンジするほどの熱の入りっぷり。
蒼天の良ストーリーにも大満足して、毎日のようにプレイしていましたが、
紅蓮開始前辺りで、ゲーム外の要因が色々ありまして休止。
大分間が空いてから紅蓮をクリアしつつも、ちょびちょび休止を繰り返してました。
その頃……というか今もそうですが、完全ソロですしね。
ただ、漆黒のフルトレーラーを見て、一気に気持ちが高まりまして。
アーリーアクセス開始から暇を見つけてはガンガンシナリオを進め、
クリア後、「最高だった……」と余韻に浸りまくりました。
本当なら、クリア直後に全シナリオを通しての感想を書くべきだったのですが、
今はもうパッチ5.1、メインシナリオの続きまで配信されてしまった12月。
(オッサンなので)記憶も薄れ始めているので、
定期的に見返しては今でも号泣する、最終盤のシーンに語りたいと思います。
ロドストで書いてもよかったのですが、
せっかくブログ更新再開っぽくしたのでこちらで。
公式でも大分ネタバレはされていますが、
これからプレイする予定のある方は、絶対にここから先は読まないでください。
大罪食いを狩り続けた結果、自身が罪食い化してしまうほど大量の光を抱え込んでしまった闇の戦士。
本来は、水晶公がその光を引き受け、自身を犠牲にすることで主人公を救うはずが、
エメトセルクの奇襲により失敗。水晶公も連れ去られてしまう。
光の暴走を完全に抑える方法を見つけられないまま、一行は水晶公を助け出し、第一世界を救うために、
一時は行動を共にしていた、アシエン・エメトセルクと対峙する……
漆黒の最終IDをクリアしてから、エンディングまでのカットシーン。
FF14は宿屋で過去のカットシーンを見返すことができるのですが、
正直今まではあんまり使ったことなかったです。オルシュファンのところくらい。
ただ、このカットシーンだけは何度も見返しました……
最高オブ最高。これまでプレイしたゲームの中でもナンバーワンかもしれない。
それくらい全てが噛み合ったシーンでした。
エメトセルクに圧倒的な力の差を見せつけられるも、
各々の言葉をぶつけながら向かっていく仲間たち。
光の暴走が再発し、ふらふらになりながらも一歩一歩進む主人公。
だが、仲間たちは次々と凶弾に倒れ、
暴走を一時的に抑えることができるリーンの手は、主人公に届かない。
闇の戦士は限界を迎え、エメトセルクに辿り着く前に倒れる……
その傍らには、第一世界に訪れてからずっと一緒に旅をしてきた、もうひとりの英雄の姿があった。
この窮地を救えるのアルバートしかいない。だからここで来てくれるんだろうと。
助けてくれるんだろうと分かってはいたんです。事実そうなりましたし。
ただ、演出が素晴らしすぎた。
BGMの、漆黒のメインテーマが流れるタイミングが反則すぎた。
初登場時、重い設定の割にあまり背景を語られることなく退場してしまったキャラだったのに。
第一世界での冒険を通じて、アルバートが見てきたもの、彼の人となりに触れ、
何度も軽口を交わしあい、互いの励まし合いを経て、相棒だと言い切れるくらい感情移入させてからの、これですよ。
交わす言葉は少なく、けれど自分の魂を預けるほどの絆がある。
ずるすぎる。こんなの泣かないわけがないでしょう……
対するエメトセルクは、立ち上がった主人公に、在りし日の親友の面影を見るが、
それは幻だと振り払う。
彼もまた魅力的すぎる敵役で、漆黒を盛り上げる要因となったキャラでしたね。
アルバート同様、初登場時の印象はあまり良くなかったのに……
正義に対するのは、また別の正義。
エメトセルクにも救うべき世界があり、そのために多くの物を積み上げてきた。
主人公たちに淡い期待は寄せつつも、譲れない物のために犠牲を強いる覚悟はある。
このラストシーンでは、トレーラーでグレムリンが喋っていた台詞を回収したり、
パッケージタイトルである「漆黒のヴィランズ」がダブルミーニングだったことに気付かせてくれたりと、とにかく印象に残る立ち振る舞いが多い……演劇好き設定も納得である。
個人的には、水晶公との掛け合いもすごく好きでして。
「死んでもおかしくなかったはず」「逆だよ」は回し方が上手すぎて鳥肌が立ちました。
そして、なんと言っても水晶公が呼び寄せた「7本の柱」。
討滅戦、いわゆるボス戦では、8人パーティで挑むことがFF14のゲームシステムなのですが、MMOである以上、自分の他の7人は、他の誰かが操作しているプレイヤーキャラです。
なので、ストーリー上で語られる時は、主人公が集めた冒険者部隊ということになっていました。
その形態にシナリオ上からツッコミを入れるのは野暮、そういうシステムなのだからと、ここは割り切るところだと思っていました。
そのシステムに、演出が意味をもたせた。
ひとり立ち上がった主人公と共に戦う者として、異なる時空から、7人の稀なる強者を召喚した。
単なるゲームシステムでしかなかったCFが、シナリオにおいて重要な意味を獲得した。
なんでこんな演出が思いつくんだ……天才の天才かよ……と。
意図に気付いたときは、放心状態になったものです。
BGMの盛り上がりが重なるのも最高。その後のハーデス戦まで途切れないのも最高。
ハーデス戦で、光の力を解放するところも限界突破みたいで最高。
決着をつけるために、ブラビューラの形を模した光を投げるのも最高。
最高しか言葉が見つからない……
最後が「ぐあああああ→爆発→やったぜ大勝利!」ではなく、
静かな幕引きなのも余韻を引き立てますよね。
昨今の敵キャラってどうしても小物化しがちなのですが、
エメトセルクは去り際の台詞まで心をグサグサ刺してきて、最高のヴィランでした。
「おはよう」は言わずもがな。新生時代からプレイしてきた人ほど、
感動が増したのではないかと思います。
ここからもまだまだ感動ポイントはあるのですが、文章書くリハビリ中のおじさんは語り疲れてきたので、また別の機会にでも。
最後まで読んでくれた方で、FF14未体験の方は壮大なネタバレを食らったので、
始めてみよう! となることはないと思いますが、
もし興味がありましたら、是非プレイしてみてくださいませ。
途中のストーリーをスキップできるアイテムも販売していますが、絶対最初からやったほうがいいぞ!
フリートライアルというものが存在しているらしいですよ。