遊戯王 New stage 19
躊躇なく光の奔流が放たれ、創志を呑み込まんと迫る。
終わりなのか。
共に戦った相棒を奪われ。
新たに手にした力を奪われ。
何も取り戻すことができないまま――
舞台を降りるのか。
終わりなのか。
共に戦った相棒を奪われ。
新たに手にした力を奪われ。
何も取り戻すことができないまま――
舞台を降りるのか。
「――呆けるなッ!! 足を引っ張るなと言ったはずだぞ――皆本創志ッ!!」
場を貫いたその声に、創志は弾かれたように動いた。
「――ッ!! 罠カード<スクラップ・シールド>発動! 墓地に<ジェネクス>と名のついたモンスターが3体以上いるとき、戦闘ダメージを半減する!」
がらくたを繋ぎ合わせて形作られた盾が、創志の前に出現し、攻撃を受け止める。
「――ッ!! 罠カード<スクラップ・シールド>発動! 墓地に<ジェネクス>と名のついたモンスターが3体以上いるとき、戦闘ダメージを半減する!」
がらくたを繋ぎ合わせて形作られた盾が、創志の前に出現し、攻撃を受け止める。
<スクラップ・シールド> 通常罠(オリジナルカード) 自分の墓地に「ジェネクス」と名のついたモンスターが3体以上存在するときに発動できる。 このカードを発動したターン、自分の受ける戦闘ダメージは半分になる。
「くっ……!」
盾にぶつかった光条が、障害を砕かんと密度を増す。
がらくた越しに伝わる圧力に押し負けないよう、創志は両足にありったけの力を込めて踏ん張る。
パキパキ、と嫌な音が聞こえたかと思うと、盾に亀裂が生まれる。
次の瞬間、即席の盾は崩壊し、光の奔流が創志の体を焼いた。
盾にぶつかった光条が、障害を砕かんと密度を増す。
がらくた越しに伝わる圧力に押し負けないよう、創志は両足にありったけの力を込めて踏ん張る。
パキパキ、と嫌な音が聞こえたかと思うと、盾に亀裂が生まれる。
次の瞬間、即席の盾は崩壊し、光の奔流が創志の体を焼いた。
【創志LP4000→2000】
「がッ……!」
激痛が全身を駆け巡るが、傷自体は大したことはない。かばうようにして組んだ両腕に、軽い火傷を負ったくらいだ。
創志は、ふらふらと隣に視線を向ける。
そこには、少年に檄を飛ばしたセキュリティの捜査官が立っていた。
頬から鮮血が流れるのにも構わず、輝王は平然と前を向いている。
「……お前は、どうやってここまで来た」
問いが来る。
輝王が言っているのは、具体的な方法のことではないだろう。それは分かったが、創志は何と答えればよいか戸惑う。
「全部一人でやろうとするな。少しは俺を頼れ」
そう言って、輝王は創志を真っすぐ見据えてくる。
彼の瞳には、強い意志の光と――
激痛が全身を駆け巡るが、傷自体は大したことはない。かばうようにして組んだ両腕に、軽い火傷を負ったくらいだ。
創志は、ふらふらと隣に視線を向ける。
そこには、少年に檄を飛ばしたセキュリティの捜査官が立っていた。
頬から鮮血が流れるのにも構わず、輝王は平然と前を向いている。
「……お前は、どうやってここまで来た」
問いが来る。
輝王が言っているのは、具体的な方法のことではないだろう。それは分かったが、創志は何と答えればよいか戸惑う。
「全部一人でやろうとするな。少しは俺を頼れ」
そう言って、輝王は創志を真っすぐ見据えてくる。
彼の瞳には、強い意志の光と――
「これは、タッグデュエルだぞ」
優しさが浮かんでいた。
創志は輝王の問いの意味を理解する。
セラ。宇川。竜美。神楽屋。ジェンス。切。リソナ……そして、ティト。
この場所にたどり着くために、力を貸してくれた人々だ。
創志一人では、決して届かなかった。
みんなの助けがあったからこそ――創志は、この場所に立っていられる。
このデュエルもそうだ。
創志だけの力では勝てない。光坂とレビンを倒すことなどできはしない。
――随分思い上がってたんだな、俺は。
なぜなら、タッグデュエルは相棒と共に戦うのだから。
創志は輝王の問いの意味を理解する。
セラ。宇川。竜美。神楽屋。ジェンス。切。リソナ……そして、ティト。
この場所にたどり着くために、力を貸してくれた人々だ。
創志一人では、決して届かなかった。
みんなの助けがあったからこそ――創志は、この場所に立っていられる。
このデュエルもそうだ。
創志だけの力では勝てない。光坂とレビンを倒すことなどできはしない。
――随分思い上がってたんだな、俺は。
なぜなら、タッグデュエルは相棒と共に戦うのだから。
「……ターンを終了するよ」
このデュエルが始まって初めて、光坂は不愉快気に顔を歪ませた。
「――行くぜ! 俺のターンだ!」
その理由は、創志の表情が物語っている。
余計な気負いが消え、立ち向かう意志を視線に漲らせる。
それは、危機に陥った高良が見せる顔によく似ていた。数々のピンチを逆転してきた、高良と同じ顔だ。
これなら大丈夫だろう。輝王は心中で安堵の息を吐く。
――それに、いつまでも足枷と思われているのは心外だ。
「俺は<A・ジェネクス・チェンジャー>を召喚! 効果を発動し、<トライフォース>の属性を光に変えるぜ!」
このデュエルが始まって初めて、光坂は不愉快気に顔を歪ませた。
「――行くぜ! 俺のターンだ!」
その理由は、創志の表情が物語っている。
余計な気負いが消え、立ち向かう意志を視線に漲らせる。
それは、危機に陥った高良が見せる顔によく似ていた。数々のピンチを逆転してきた、高良と同じ顔だ。
これなら大丈夫だろう。輝王は心中で安堵の息を吐く。
――それに、いつまでも足枷と思われているのは心外だ。
「俺は<A・ジェネクス・チェンジャー>を召喚! 効果を発動し、<トライフォース>の属性を光に変えるぜ!」
<A・ジェネクス・チェンジャー> 効果モンスター 星3/闇属性/機械族/攻1200/守1800 フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、 属性を1つ宣言して発動する。 このターンのエンドフェイズ時まで、 選択したモンスターの属性は宣言した属性になる。 この効果は1ターンに1度しか使用できない。
「……!? まさか」
光坂の顔色が変わる。彼には、創志がやろうとしていることが分かるのだろう。
「そのまさかだ! 魔法カード<二重召喚>を発動! このターン、俺は通常召喚を2回まで行うことができる! 来い、<A・ジェネクス・リモート>!」
光坂の顔色が変わる。彼には、創志がやろうとしていることが分かるのだろう。
「そのまさかだ! 魔法カード<二重召喚>を発動! このターン、俺は通常召喚を2回まで行うことができる! 来い、<A・ジェネクス・リモート>!」
<二重召喚> 通常魔法 このターン自分は通常召喚を2回まで行う事ができる。
<A・ジェネクス・リモート> チューナー(効果モンスター) 星3/闇属性/機械族/攻 500/守1800 フィールド上に表側表示で存在するチューナー1体を選択して発動する。 選択したモンスターのカード名は、このターンのエンドフェイズ時まで 「ジェネクス・コントローラー」として扱う。 この効果は1ターンに1度しか使用できない。
増やした召喚権で呼び出されたのは、右腕がテレビのリモコンのようになった、丸型ボディの機械兵だ。
「<リモート>の効果発動! 自身を<ジェネクス・コントローラー>として扱い、<チェンジャー>にチューニングする!」
<ジェネクス・コントローラー>となった<A・ジェネクス・リモート>の体が3つの光球に変化し、<A・ジェネクス・チェンジャー>の中に入り込んでいく。
「残された結晶が、数多の力を呼び起こす! 集え、3つの銃弾よ! シンクロ召喚……撃ち抜け! <A・ジェネクス・トライアーム>!」
その装甲は、<A・ジェネクス・トライフォース>とは対極の、黒。
右腕の銃撃ユニットを振りかざし、<A・ジェネクス・トライアーム>が姿を現した。
「<リモート>の効果発動! 自身を<ジェネクス・コントローラー>として扱い、<チェンジャー>にチューニングする!」
<ジェネクス・コントローラー>となった<A・ジェネクス・リモート>の体が3つの光球に変化し、<A・ジェネクス・チェンジャー>の中に入り込んでいく。
「残された結晶が、数多の力を呼び起こす! 集え、3つの銃弾よ! シンクロ召喚……撃ち抜け! <A・ジェネクス・トライアーム>!」
その装甲は、<A・ジェネクス・トライフォース>とは対極の、黒。
右腕の銃撃ユニットを振りかざし、<A・ジェネクス・トライアーム>が姿を現した。
<A・ジェネクス・トライアーム> シンクロ・効果モンスター 星6/闇属性/機械族/攻2400/守1600 「ジェネクス・コントローラー」+チューナー以外のモンスター1体以上 このカードのシンクロ素材としたチューナー以外のモンスターの属性によって 以下の効果を1ターンに1度、手札を1枚捨てて発動する事ができる。 ●風属性:相手の手札をランダムに1枚墓地へ送る。 ●水属性:フィールド上に存在する魔法または罠カード1枚を破壊する。 ●闇属性:フィールド上に表側表示で存在する光属性モンスター1体を破壊し、 自分のデッキからカードを1枚ドローする。
「やっぱり<トライアーム>か……」
「読んでたなら、やることも分かってんだろ? <トライアーム>の効果発動! このカードは闇属性モンスターをシンクロ素材としたとき、手札を1枚捨ててフィールド上の光属性モンスター1体を破壊する!」
ガシュン! と銃弾が装填される音が響く。
「食らえ! ダークブリット――ファイア!」
創志が右手を振るうと、それに続いて黒の機械兵が闇を纏った弾丸を発射する。
刹那、銃弾は<A・ジェネクス・トライフォース>の装甲を貫通。
体の各所から影が漏れ出た銀色の機械兵は、そのまま砕け散った。
「……その後、俺はデッキからカードを1枚ドロー!」
勢いよくカードを引いた創志の瞳が、次なる標的を捉える。
「バトルだ! <トライアーム>で<魔轟神レイジオン>を攻撃! ダーク・トライ・シュート!」
創志の攻撃宣言を受け、再度闇を纏った弾丸を放つ<A・ジェネクス・トライアーム>。
<A・ジェネクス・トライアーム>の攻撃力では<レアル・ジェネクス・クロキシアン>や<魔轟神レヴュアタン>を倒すことはできないが、少しでも相手の戦力を削ぐことはできる。
弾丸が黄金の甲冑を砕き、<魔轟神レイジオン>が戦場から消える。
「チッ……!」
「読んでたなら、やることも分かってんだろ? <トライアーム>の効果発動! このカードは闇属性モンスターをシンクロ素材としたとき、手札を1枚捨ててフィールド上の光属性モンスター1体を破壊する!」
ガシュン! と銃弾が装填される音が響く。
「食らえ! ダークブリット――ファイア!」
創志が右手を振るうと、それに続いて黒の機械兵が闇を纏った弾丸を発射する。
刹那、銃弾は<A・ジェネクス・トライフォース>の装甲を貫通。
体の各所から影が漏れ出た銀色の機械兵は、そのまま砕け散った。
「……その後、俺はデッキからカードを1枚ドロー!」
勢いよくカードを引いた創志の瞳が、次なる標的を捉える。
「バトルだ! <トライアーム>で<魔轟神レイジオン>を攻撃! ダーク・トライ・シュート!」
創志の攻撃宣言を受け、再度闇を纏った弾丸を放つ<A・ジェネクス・トライアーム>。
<A・ジェネクス・トライアーム>の攻撃力では<レアル・ジェネクス・クロキシアン>や<魔轟神レヴュアタン>を倒すことはできないが、少しでも相手の戦力を削ぐことはできる。
弾丸が黄金の甲冑を砕き、<魔轟神レイジオン>が戦場から消える。
「チッ……!」
【レビンLP3500→3400】
舌打ちを漏らしたレビンだったが、その表情はどこか楽しんでいるようにも見える。
「カードを1枚伏せて、ターンエンド! 後は任せるぜ、輝王!」
創志が発した予想外の言葉に、輝王は思わず面食らう。
――まったく。立ち直りの早いやつだ。
「カードを1枚伏せて、ターンエンド! 後は任せるぜ、輝王!」
創志が発した予想外の言葉に、輝王は思わず面食らう。
――まったく。立ち直りの早いやつだ。