遊戯王 New stage サイドS 7-6
「俺のターンだな。ドロー」
創志の手札はわずか2枚。<ジュラック・タイタン>を倒したとはいえ、<ジュラック・ギガノト>も同じように対処するのは不可能だ。
幸い、ドローしたカードは<ジェネクス・サーチャー>。時間稼ぎにはうってつけのモンスター……支部での敗北の際にばらまかれたカードの中で、無事だった物の1枚だ。
「モンスターをセットする。ターンエンドだ」
竜美が後続を召喚してくれば、流れが大きく傾く可能性が高い。
創志の手札はわずか2枚。<ジュラック・タイタン>を倒したとはいえ、<ジュラック・ギガノト>も同じように対処するのは不可能だ。
幸い、ドローしたカードは<ジェネクス・サーチャー>。時間稼ぎにはうってつけのモンスター……支部での敗北の際にばらまかれたカードの中で、無事だった物の1枚だ。
「モンスターをセットする。ターンエンドだ」
竜美が後続を召喚してくれば、流れが大きく傾く可能性が高い。
「私のターン、ドロー」
創志の防戦的な手に茶々を入れることなく、自分のターンの開始を告げる竜美。
赤髪の下から覗く鋭い視線には、デュエルを始めたときのような余裕は感じられない。
同時に、慢心もない。
全力で相手を叩き潰す――竜美の放つ威圧感が、それを訴えてくる。
「魔法カード<一族の結束>を発動! 私の墓地には恐竜族のモンスターしかいない。よって、<ジュラック・ギガノト>の攻撃力は800ポイントアップし、3700!」
創志の防戦的な手に茶々を入れることなく、自分のターンの開始を告げる竜美。
赤髪の下から覗く鋭い視線には、デュエルを始めたときのような余裕は感じられない。
同時に、慢心もない。
全力で相手を叩き潰す――竜美の放つ威圧感が、それを訴えてくる。
「魔法カード<一族の結束>を発動! 私の墓地には恐竜族のモンスターしかいない。よって、<ジュラック・ギガノト>の攻撃力は800ポイントアップし、3700!」
<一族の結束> 永続魔法 自分の墓地に存在するモンスターの元々の種族が 1種類のみの場合、自分フィールド上に表側表示で存在する その種族のモンスターの攻撃力は800ポイントアップする。
「ぐっ……まだ上がるのかよ!?」
<ジュラック・ギガノト>の咆哮が、周囲の大気を震わせる。
とさかのように燃える炎が、ますます勢いを増す。
「<ジュラック・ギガノト>! その伏せモンスターを踏み潰せ!」
強靭な筋肉が振るう橙色の足が、創志の場の裏守備モンスターを踏み潰す。
「破壊されたモンスターは<ジェネクス・サーチャー>! このカードが戦闘で破壊されたとき、デッキから攻撃力1500以下の<ジェネクス>と名のついたモンスターを特殊召喚出来る!」
<ジュラック・ギガノト>の咆哮が、周囲の大気を震わせる。
とさかのように燃える炎が、ますます勢いを増す。
「<ジュラック・ギガノト>! その伏せモンスターを踏み潰せ!」
強靭な筋肉が振るう橙色の足が、創志の場の裏守備モンスターを踏み潰す。
「破壊されたモンスターは<ジェネクス・サーチャー>! このカードが戦闘で破壊されたとき、デッキから攻撃力1500以下の<ジェネクス>と名のついたモンスターを特殊召喚出来る!」
<ジェネクス・サーチャー> 効果モンスター 星4/地属性/機械族/攻1600/守 400 このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、 自分のデッキから攻撃力1500以下の「ジェネクス」と名のついた モンスター1体を自分フィールドに表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。
無惨に潰されたパーツのひとつ、赤色のパトランプが、かすれたビープ音を鳴らす。
さらに、<マシン・デベロッパー>にジャンクカウンターが乗る。合計カウンターは6にまで増えた。
――<一族の結束>を発動したが、モンスターは召喚しなかった。つまり、今竜美の手札にはモンスターがいないということだ。
それなら、次に繋がるモンスターを呼べる。
「俺はデッキから<A・ジェネクス・ケミストリ>を特殊召喚!」
「……!?」
フィールドに現れた、赤と緑のタンクを背負った小型の機械兵――<A・ジェネクス・ケミストリ>を見て、竜美が不可解そうに眉根を寄せる。
さらに、<マシン・デベロッパー>にジャンクカウンターが乗る。合計カウンターは6にまで増えた。
――<一族の結束>を発動したが、モンスターは召喚しなかった。つまり、今竜美の手札にはモンスターがいないということだ。
それなら、次に繋がるモンスターを呼べる。
「俺はデッキから<A・ジェネクス・ケミストリ>を特殊召喚!」
「……!?」
フィールドに現れた、赤と緑のタンクを背負った小型の機械兵――<A・ジェネクス・ケミストリ>を見て、竜美が不可解そうに眉根を寄せる。
<A・ジェネクス・ケミストリ> チューナー(効果モンスター) 星2/闇属性/機械族/攻 200/守 500 属性を1つ宣言し、このカードを手札から捨てて発動する。 自分フィールド上に表側表示で存在する 「ジェネクス」と名のついたモンスター1体の属性は宣言した属性になる。 この効果は相手ターンでも発動する事ができる。
<A・ジェネクス・ケミストリ>は、手札から自身を捨てることで効果を発揮するモンスター。フィールドに召喚してしまっては、ただのチューナーでしかない。それが不思議なのだろう。
正直なところ、創志も新デッキの力を十分に引き出せているわけではない。
しかし、慣らし運転をしている暇などないのだ。今考えられる最良の戦術で戦うしかない。
「…………」
<ジュラック・ギガノト>の攻撃が終わり、竜美の場に追撃が可能なモンスターはいない。
<A・ジェネクス・ケミストリ>と2枚の伏せカード――創志の場のカードを順々に確認したあと、
「ターンを終了する」
竜美がターンの終わりを宣言した。
正直なところ、創志も新デッキの力を十分に引き出せているわけではない。
しかし、慣らし運転をしている暇などないのだ。今考えられる最良の戦術で戦うしかない。
「…………」
<ジュラック・ギガノト>の攻撃が終わり、竜美の場に追撃が可能なモンスターはいない。
<A・ジェネクス・ケミストリ>と2枚の伏せカード――創志の場のカードを順々に確認したあと、
「ターンを終了する」
竜美がターンの終わりを宣言した。
<A・ジェネクス・ケミストリ>と、マシン・デベロッパーに溜まった6個のジャンクカウンター。
<ジュラック・ギガノト>を攻略する下準備は整ったが、まだピースが不足している。
――このドローで打開するしかない。
「俺のターン……ドロー!」
指先に神経を集中させ、デッキからカードを引く。
そして、かろうじて道は繋がる。
「魔法カード<リサイクル・チャージ>を発動! 手札の<A・ジェネクス・ベルフレイム>を除外することで、互いのプレイヤーはデッキからカードを3枚ドローする!」
<ジュラック・ギガノト>を攻略する下準備は整ったが、まだピースが不足している。
――このドローで打開するしかない。
「俺のターン……ドロー!」
指先に神経を集中させ、デッキからカードを引く。
そして、かろうじて道は繋がる。
「魔法カード<リサイクル・チャージ>を発動! 手札の<A・ジェネクス・ベルフレイム>を除外することで、互いのプレイヤーはデッキからカードを3枚ドローする!」
<リサイクル・チャージ> 通常魔法(オリジナルカード) 手札の「ジェネクス」と名のついたモンスターを1体除外する。 互いのプレイヤーはカードを3枚ドローする。
相手の手札も増やしてしまうのが難点だが、3枚のドローは大きい。
創志、竜美、どちらも無言のままカードをドローする。
(――よし!)
手は呼びこんだ。<ジュラック・ギガノト>の攻撃力は3700。<リミッター解除>を使ってしまった今、この壁を超えるのは至難の業だ。
しかし、<ジュラック・ギガノト>を倒せなければ勝機はない。
――覚悟を決めろ。
何のために戦場に戻ってきたのかを思い出す。
背後で震える少女のためにも、負けるわけにはいかない。
「<マシン・デベロッパー>の効果発動! このカードを墓地に送ることで、このカードに乗っているジャンクカウンターの数以下のレベルを持つ機械族モンスターを、自分の墓地から特殊召喚出来る!」
創志、竜美、どちらも無言のままカードをドローする。
(――よし!)
手は呼びこんだ。<ジュラック・ギガノト>の攻撃力は3700。<リミッター解除>を使ってしまった今、この壁を超えるのは至難の業だ。
しかし、<ジュラック・ギガノト>を倒せなければ勝機はない。
――覚悟を決めろ。
何のために戦場に戻ってきたのかを思い出す。
背後で震える少女のためにも、負けるわけにはいかない。
「<マシン・デベロッパー>の効果発動! このカードを墓地に送ることで、このカードに乗っているジャンクカウンターの数以下のレベルを持つ機械族モンスターを、自分の墓地から特殊召喚出来る!」
<マシン・デベロッパー> 永続魔法 フィールド上に表側表示で存在する 機械族モンスターの攻撃力は200ポイントアップする。 フィールド上に存在する機械族モンスターが破壊される度に、 このカードにジャンクカウンターを2つ置く。 このカードを墓地へ送る事で、このカードに乗っている ジャンクカウンターの数以下のレベルを持つ 機械族モンスター1体を自分の墓地から選択して特殊召喚する。
「せっせと溜めてきたカウンターを、ここで使うのかしら」
「――乗っているジャンクカウンターは6つ。俺はレベル6の<A・ジェネクス・トライアーム>を特殊召喚する!」
限界を超えた力を振るったせいで自壊してしまった黒き機械兵が、創志のフィールドに戻ってくる。
「レベル6の<A・ジェネクス・トライアーム>に、レベル2の<A・ジェネクス・ケミストリ>をチューニング!」
<A・ジェネクス・ケミストリ>の体が2つの光球に変化し、<A・ジェネクス・トライアーム>に埋め込まれていく。
「ふん。必要だったのは<A・ジェネクス・ケミストリ>の効果ではなく、レベル2のチューナーモンスターだったわけね……!」
それを見た竜美が、不快そうに顔を歪める。創志の荒い戦術が気に食わないのだろう。
「残された結晶が、数多の力を呼び起こす! 未知なる領域へ加速せよ!」
<A・ジェネクス・トライアーム>が緑の光輪に囲まれ、新たな姿へ生まれ変わる。
「――乗っているジャンクカウンターは6つ。俺はレベル6の<A・ジェネクス・トライアーム>を特殊召喚する!」
限界を超えた力を振るったせいで自壊してしまった黒き機械兵が、創志のフィールドに戻ってくる。
「レベル6の<A・ジェネクス・トライアーム>に、レベル2の<A・ジェネクス・ケミストリ>をチューニング!」
<A・ジェネクス・ケミストリ>の体が2つの光球に変化し、<A・ジェネクス・トライアーム>に埋め込まれていく。
「ふん。必要だったのは<A・ジェネクス・ケミストリ>の効果ではなく、レベル2のチューナーモンスターだったわけね……!」
それを見た竜美が、不快そうに顔を歪める。創志の荒い戦術が気に食わないのだろう。
「残された結晶が、数多の力を呼び起こす! 未知なる領域へ加速せよ!」
<A・ジェネクス・トライアーム>が緑の光輪に囲まれ、新たな姿へ生まれ変わる。
銀色の閃光が、フィールドを駆け抜ける。
数瞬遅れて、車輪が地面を滑る音が響いた。
華麗に回転して体勢を整えたモンスター――<A・ジェネクス・アクセル>。
白銀のボディに、紫色のバイザー。黄金色の手が空気を掴み、その姿を人々の目に焼き付ける。
数瞬遅れて、車輪が地面を滑る音が響いた。
華麗に回転して体勢を整えたモンスター――<A・ジェネクス・アクセル>。
白銀のボディに、紫色のバイザー。黄金色の手が空気を掴み、その姿を人々の目に焼き付ける。