にわかオタクの雑記帳

にわかオタクがそのときハマっていることを書き殴るブログです 主にアニメ・ゲーム中心

遊戯王 New stage サイドT 6

「私のターン。ドロー!」
 引いたカードを見た竜美の顔に、喜びが広がる。
 獲物を捉えたかのように瞳が輝き、纏う熱気を膨張させる。
「いいわ――最高の展開じゃない! 魔女のエースモンスターをぶっ潰して、私の方が上だと証明してあげる!」
 吼えるように叫んだ竜美は、凶悪な笑みを貼り付ける。
「<大進化薬>を発動! <ジュラック・ガリム>をリリースすることで、私は3ターンの間恐竜族の上級モンスターの召喚にリリースが必要なくなる!」

<大進化薬>
通常魔法
自分フィールド上に存在する恐竜族モンスター1体をリリースして発動する。
このカードは発動後、相手のターンで数えて
3ターンの間フィールド上に残り続ける。
このカードがフィールド上に存在する限り、
レベル5以上の恐竜族モンスターをリリースなしで召喚する事ができる。

 <ジュラック・ガリム>の体が光の粒子となり、竜美のフィールド上に飛散する。
「見せてあげる、これが私のエースモンスター――大地の鼓動を響かせろ! <ジュラック・タイタン>!!」
 打ち寄せる熱波が、ティトの体を包む。
 <氷結界の龍グングニール>の翼の先端から、水滴が落ちた。
 氷の龍を溶かさんとする勢いの炎を巻き起こしながら――<ジュラック・タイタン>は、その圧倒的な存在を具現化した。

<ジュラック・タイタン>
効果モンスター
星9/炎属性/恐竜族/攻3000/守2800
このカードは特殊召喚できない。
このカードはフィールド上に表側表示で存在する限り、
罠・効果モンスターの効果の対象にする事はできない。
1ターンに1度、自分の墓地に存在する攻撃力1700以下の
「ジュラック」と名のついたモンスター1体を
ゲームから除外する事で、このカードの攻撃力は
エンドフェイズ時まで1000ポイントアップする。

 鮮やかな赤の鱗に覆われた体表は、岩のようにごつごつしており、<ジュラック・ギガノト>がかすんで見えるほどの強靭な筋肉が脈動する。
 血液の代わりにマグマが流れているのではないかと思わせるほどの熱気を振りまき、静かに息を吐く巨竜。
「<ジュラック・タイタン>は、効果モンスターの効果と罠の対象にならない。つまり、<グングニール>の効果じゃこいつを倒すことはできないわ。さらに――」
 竜美の振るう右腕は、ティトに死の宣告を突き付けているように見える。
「墓地に存在する攻撃力1700以下の<ジュラック>を除外することで、このカードの攻撃力は1000ポイント上昇する。私は墓地の<ジュラック・グアイバ>を除外し、<ジュラック・タイタン>の攻撃力を4000にするわ」
 巨竜の咆哮が、ティトの鼓膜を震わせる。
 力を蓄えた<ジュラック・タイタン>の体が膨れ上がったような錯覚に陥る。
 そう、まるで噴火直前の活火山を見ているような感覚。
「行くわよ! <ジュラック・タイタン>で<氷結界の龍グングニール>を攻撃! タイタン・メテオバースト!!」
 竜美の攻撃宣言が響く。
 <ジュラック・タイタン>から発せられる圧迫感が強まり、その口に炎が集まっていく。
 巨大な火球となった炎は、氷の龍へと放たれた。
 <氷結界の龍グングニール>も蒼の光を収束させ、「フリージング・ランサー」を放つが、火球の勢いを削ぐだけで、消滅させることは叶わない。
 氷が急速に蒸発する音が響き、火球が氷の龍に直撃する。
 紅の光が、残虐な炎に呑まれていく。
 <氷結界の龍グングニール>が破片すら残さずに消えるのと同時に、
「あ……」
 ひび割れていたティトの心も、完全に砕け散った。

【ティトLP2300→800】

【ティトLP800】 手札0枚
場:ウォーターハザード、リミット・リバース(使用済み)
【竜美LP2400】 手札3枚
場:ジュラック・タイタン(攻撃)、大進化薬