にわかオタクの雑記帳

にわかオタクがそのときハマっていることを書き殴るブログです 主にアニメ・ゲーム中心

遊戯王 New stage サイドM 9-8

「墓地の<氷結界の番人スノウ>の効果を発動したの。自分のライフが相手より少ない時、このカードを除外することで攻撃を無効にできる」

<氷結界の番人スノウ>
効果モンスター(オリジナルカード)
星4/水属性/水族/攻1600/守1500
自分のライフポイントが相手のライフポイントより少ない時に、自分の墓地に存在するこのカードを
ゲームから除外して発動できる。
相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする。

 ティトが受けたのは、1体目の<裁きの龍>のダイレクトアタックのみ。
 力を振り絞って氷の壁を形成し、その攻撃を耐えた。
 2体目の<裁きの龍>の攻撃は、墓地の<氷結界の番人スノウ>を除外することで無効にしたのだ。

【ティトLP3400→400】

 どんなに辛くても、どんなに苦しくても、ここで倒れるわけにはいかなかった。
「そんな……カードを1枚セットして、ターンエンドです」
 リソナはいまだにティトが立っていることを信じられないようだった。
 <裁きの龍>2体分の効果で、8枚のカードがリソナのデッキから墓地に送られる。

【ティトLP400】 手札1枚
場:なし
【リソナLP1400】 手札0枚
場:裁きの龍(攻撃)、裁きの龍(攻撃)、伏せ1枚

「わたしのターン。ドロー!」
 引いたカードは。
 <貪欲な壺>。
 あのときに――勝ちを諦め、竜美に「無様」と罵倒されたあのデュエルで、引いたカードだった。
 今は、違う。
 強くなると誓った。
 創志と共に歩くために。
「わたしは<貪欲な壺>を発動。墓地の<ドゥローレン>、<グングニール>、<風水師>、<破術師>、<ガンターラ>をデッキに戻して、カードを2枚ドローする」

<貪欲な壺>
通常魔法
自分の墓地に存在するモンスター5体を選択し、
デッキに加えてシャッフルする。
その後、自分のデッキからカードを2枚ドローする。

 2体のシンクロモンスターエクストラデッキへ。それ以外の3枚をデッキに戻すと、ディスクが自動的にデッキをシャッフルする。
「――ドロー!」
 2枚のカードを引く。
 ティトは確信していた。
 必ず、デッキは応えてくれることを。
「<ウォーターハザード>を発動。自分フィールド上にモンスターがいないとき、手札からレベル4以下の水属性モンスターを特殊召喚できる! 来て、<氷結界の風水師>!」
 このデュエルで2体のシンクロモンスターを呼びだしたチューナーが、三度フィールドへ呼び出される。
「そして、<氷結界の翼竜>を召喚!」
 鮮やかな水色の双翼を羽ばたかせ舞い上がるのは、ティトと同じ灰色の瞳を輝かせるワイバーン

<氷結界の翼竜>
効果モンスター(オリジナルカード)
星4/水属性/ドラゴン族/攻1800/守1000
このカードが召喚に成功した時、
自分の墓地に存在する攻撃力500以下の「氷結界」と名のついたモンスター1体を
特殊召喚することができる。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
このカードをシンクロ素材とする場合、
水属性モンスターのシンクロ召喚にしか使用できない。

「<氷結界の翼竜>が召喚に成功した時、自分の墓地に存在する攻撃力500以下の<氷結界>と名のついたモンスターを特殊召喚出来る。おいで、<氷結界の番人ブリズド>!」
 <氷結界の翼竜>の鳴き声に導かれ、氷の鳥が墓地より飛び立つ。
「もう1度<氷結界の龍グングニール>を召喚するつもりです? でも、ティトの手札は0! <グングニール>ではリソナの<裁きの龍>は倒せないです!」
 優位を告げるリソナの言葉は、ティトではなく自分自身に向いているように思えた。
 ティトが絶対の信頼を寄せる氷の龍では、この状況を打開できない。
 少女は、深く息を吐く。
 ――大丈夫。
 ――「あの子」は、きっと応えてくれる。
「レベル4の<翼竜>とレベル1の<ブリズド>に、レベル3の<風水師>をチューニング!」
 <氷結界の風水師>が鈴の音を鳴らし、3体が光に包まれる。
「レベル8のシンクロモンスター……!?」
 ずっと戦いを見守ってくれた輝王とセラが、両目を見開く。

「全てを滅する絶氷の刃。その氷霧にて、神威の力を解放せよ――」

 風が、氷の欠片を運ぶ。
 今まで散っていった<氷結界>が残した氷の欠片を。
 それらはティトの背後へと集い、巨大な像を作り出す。
 <氷結界の龍グングニール>の赤い光とは違う。
 鮮烈な、蒼。
 遥か深海に存在する、蒼だ。
 例え光が届かなくても、その存在を誇示し続ける蒼。

「――シンクロ召喚! 顕現せよ! <氷結界の龍デュランダル>!」

 空気が塗り替えられる。
 汚れ無き白が支配していた戦場を我がものにするために、蒼が走る。
 背に生えた6枚の氷の羽が、フィールドを覆い尽くすように広がる。
 2つの足で大地を踏みしめ、2本の腕を振りかざし、氷の鱗で彩られた龍は、鋭さを感じさせる肉体に力を漲らせる。
 体の中心に透けて見えるのは、蒼の光だ。
 強くなると誓った。
 一緒に歩くと誓った。
 <氷結界の龍デュランダル>。
 新たなる氷の龍が、その姿を戦いの場に刻んだ。