にわかオタクの雑記帳

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アニメ アイドルマスターシンデレラガールズ 感想【後編】

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キャラクター物でありながら、ドラマ面にも重きを置いたアニメ版モバマス




この判断が正解だったか否かは、人によって違うと思います。ちなみに俺は肯定派です
美少女がたくさん出てくるいわゆる「日常系」にとって、無駄なシリアス展開は嫌われがちです。
アイマスが日常系に分類されているわけではないですが、女の子がたくさん出てくる、キャラクターの魅力が売りという点では共通する部分があります。


トップアイドルを目指す以上、挫折はつきもの。


アイマスはフィクションなので最終的には全員が大成し、それぞれの個性を生かしつつ活躍の場を広げていましたが、現実では多くの少女たちが夢に破れ、涙を流しています。アニメの展開なんて生ぬるいくらいに。
ただ、視聴者がそんな辛い現実が描写されることを望んでいるかというと、答えはNOです。
アニメなんだから、夢を見たいし気楽に見たい。最近は特にそういった傾向が強いと思います。
シリアスへの抵抗値が下がっているというか、ちょっとでも失敗するシーンや悩む展開があると、すぐに「鬱展開つまらん」と言い出してしまう人がいる。盛り上がるクライマックスへの前振りやタメを、長期間取り辛いのが現状なんじゃないかと。


もちろん、シリアスの濃度は作品の色によって違います。
モバマスはアイドルとして大成するという難易度の高い目標が設定されていたため、ある程度のシリアス展開はないと逆に不自然でしょう。
同じアイドル作品であるラブライブも、一期は穂乃果が倒れ、心が折れてしまうことがありました。
これもまた、忌避するような鬱展開ではなかったと思います。穂乃果のラブライブ出場への憧れの強さを考えるなら、余計に。
しかし、けいおん一期であった澪と律の喧嘩。これは不要だったと俺は感じました。
シリアスや鬱展開は、少なからず視聴者にストレスを与えます。ストレスを与えるからこそ、それが解消される=クライマックスが劇的に見えるわけですが、要はその作品を見ている視聴者が、どこまでのストレスを許容できるか。その見極めに失敗すると、鬱展開がひどいと騒がれてしまうのかもしれません。
実際、ラブライブけいおんの二期は、シリアス展開が鳴りをひそめましたしね。







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モバマスアニメ最初の山場は、やはり未央の脱退でしょう。


先輩アイドルのバックダンサーとしてLIVEに参加し、大きな成功を目に焼き付けた。
だからこそ、自分たちのデビューステージ、少ない観客に失望し、「失敗した」と決めつけてしまった。
理由としては納得できるものの、それでアイドルを辞めることは無責任すぎるし、残された2人の立場もない。
自分勝手な行動と非難されてもしょうがないと思います。


しかし、最終回まで見終わって感じたのは、このアニメは「等身大の女の子」を描いていること。


アイドルを志したとはいえ、未央はまだ15歳、高校一年生です。
まだ大人にはなりきれない多感な年ごろ、感情を爆発させ、理屈を吹っ飛ばしてしまうのも仕方ないのかもしれません。俺が15の頃なんて、もっともっとガキだったで……
後半、卯月がなかなか前に進むための一歩を踏み出せなかったことも、同じですな。
悩んで当然、簡単に割り切れるものじゃない。
これもまた是か非かは分かれそうですが、モバマスアニメは表面的には分かり辛い、ノンフィクションな部分をキャラクターに織り交ぜていたのかもしれません。
その影響が強かったのは卯月凛未央のNG。逆に少なかったのは、杏きらり蘭子だった気がします。









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2クール目に入り、明確な対立者として登場した美城常務。




キャラクター的にプロデューサーとの完全和解はないと予想していましたが、的中でした。
そうなると、常務はCPとプロデューサーを窮地に追い込み、卯月を曇らせるための舞台装置でしかなかったのかな、と思えてしまうのが残念なところです。ポエム合戦は好きでしたが。
後半クールのシリアス面が強くなったのは、前半クールとの差別化もあるだろうし、最終的にCPを卒業し、それぞれで活躍するために必要なことだったと考えると、「シリアス多すぎ」と切り捨てることはできません。
しかしながら、モバマスの出発点はキャラクターの魅力であり、多くの人がそれを際立たせてくれることを望んでいたと思います。

ドラマはあくまでキャラクターの魅力を引き出すためのファクターであり、主張しすぎてはいけない。

元々、ドラマ性なんてものは、原作ゲームにはほとんどなかったわけですから。
ややストレスを感じる展開が続いた結果、許容量を超えてしまった人も少なくないはず。
そういった結果、常務との対立に尺を割くくらいなら、各キャラにスポットを当てた話をやってほしかった、といった意見が噴出しましたし、俺も少なからずそう感じました。
ある程度のストレスなら許容できる作品だからこそ、どこまでドラマパートに尺を割くか、判断が難しいですね。









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あとは、溜まったストレスの解消法でしょうか。



前編で書いた通り、アイマスの主役はアイドルであり、
一歩を踏み出すのも、前に進むのも、壁を乗り越えるのも、アイドル自身が自ら行います。
プロデューサーは、その手助けをしたり、道を示したりするだけです。
それがいけないというわけではなく、例えば禁書目録のように、ヒロイン最大のピンチに颯爽と主人公である上条さんが現れ、グーパンで敵を倒してくれる、といった分かりやすいクライマックスシーンと比べると、どうしても盛り上がりに欠けるのかな、と。
プロデューサーは主人公ではないと書きましたが、視聴者が目線を合わせるのはプロデューサーでしょうし。
例えは悪いかもしれませんが、禁書目録における上条さん、SAOにおけるキリトのような「絶対的なヒーロー」の不在が、溜まったストレスを解消しきれないひとつの要因になっているのかもしれません。
ま、まあプロデューサーが常務をぶん殴ったところで、困惑するだけですけど!


NG関連は、騒動解決後の和解シーンをきっちり描かなかったのも、ちょっとまずかった気がします。
尺の都合もあるでしょうが、脱退騒動後の未央、休止から復帰後の卯月と凛は、もっと態度や言葉で謝罪や改善を示してほしかった。そうすれば、ここまでヘイトが溜まることもなかったんじゃないでしょうか。


これは贅沢な話かもしれませんが、最終回のLIVEシーンでぐりぐり動いて作画すげーってなってれば、
もうそれだけでみんな満足できた気がするんだ。
円盤で修正おなしゃす!








と、ここまで足りない脳味噌をフル活用して、長ったらしく言葉を並べてきましたが。
個人的な不満をひとつ。






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もっとかな子の出番増やしてくれよ!!!!!!



個人回あれだけなんてあんまりだよ! 走り込みしてぶっ倒れただけじゃねーか!!
話自体は好きなので、そこまで批判できないのが逆に悔しい……!
ゲームのほうで配信されていたボイスミニドラマのほうは視聴で来てないんですが、仮にそっちでフォローがあったとしても、やっぱり映像で見たいんだよ!!
みんなでお菓子作ってるシーンとかさ、あってもいいじゃん! とときんとかと絡めばいいじゃん!!
なんだったらもっとデブキャラいじってくれてよかったんだよ!!



……まあ、動かしやすい未央、個性が際立っていて話が作りやすい杏きらり蘭子みくリーナと比べると、
かな子、智絵里、新田さんの影が薄くなってしまうのは、仕方がないことなのかなーと。
「美味しいから大丈夫だよ」という迷言を残してくれただけでもよしとしましょうか……
デレステのかな子メイン回でとっても満足できましたしね!









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後編はちょっと批判的な意見を多く書きましたが、
前編の最後にも書いた通り、総括は「面白かった!」と拍手、です。


ちゃんとしたストーリーもなく、統一感のないメンバーを揃えながらも、
単純なキャラクターのPVではなく、アニメとして楽しませてくれました。
良くも悪くも注目を集めることに成功し、スターライトステージという受け皿もできました。
アニメ開始前、モバマスの行く末を危惧していたファンとしては、まさに魔法にかけられていたようでした。


そして、モバマスはまだまだ「新たな可能性」を秘めていると思います。
最終回でちらっと映った2期生メインでもいいですし、楓さんたちの過去話をやってもいい。
劇場版なんかやってくれた日には、5回は映画館に見に行きますよ!
ともかく、何らかの形で続きを待ち望んでいます!
それまでは、円盤揃えつつゲームで楽しませていただきますわ!