にわかオタクの雑記帳

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ガンダムビルドダイバーズRe:RISE 20話感想 輝きが生んだ闇の重さ

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果たせなかった約束は、人を縛る「呪い」になる――


先週から放送を再開したガンダムビルドダイバーズRe:RISE。
ここまでのヒロトを見るに、過去にトラウマを抱えるほどの何かがあったのは確実で、遂にその詳細が明らかになる……といったところで放送中断になったため、(状況が状況なので仕方ないのですが)今か今かとやきもきしていました。

 

先週公開の19話、そして今日の20話と2話に渡って語られたヒロトの過去。
視聴前からある程度の覚悟はしていましたし、ぶっ飛んだ衝撃があったわけではないのですが……
心がじわじわと締め付けられるというか、過去が明かされたことで見えていなかったものがいくつも見えてきて、そのひとつひとつが鉛のように重いという……


以下、20話までのネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

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ヒロトにとってのイヴは、GBNとイコールになるほど大きな存在だったんですね……
単なる友達じゃない。大切で特別な人。
前身であるGPDから慣れないGBNに移行して、新しく作ったコアガンダムも上手く動かない。不時着したあの場所でイヴと出会わなければ、ヒロトはそのままガンプラから離れてしまったかもしれない。
彼女と出会ったから道は続き……広がった。
大多数のプレイヤーが「ただのゲーム世界」としか認識していないGBNの景色を、フィールドを慈しみ、コアガンダムの――ガンプラの思いを代弁する不思議な少女。そんな彼女に感化され、ヒロトの意識も変わっていきます。
換装ユニットが「プラネッツシステム」……太陽系第○惑星にちなんだ名前になったのは、イヴとの交流があったこそ、といった設定回収の流れがエモすぎて、唸らざるを得ませんでした。

 

コアドッキングシステムはイヴと共に作り上げ、GBNはイヴとの思い出が詰まっている。あの頃のヒロトは、イヴの存在こそが原動力だったのでしょう。

 

その大きすぎる特別な人を、自分の手で殺す。

 

前作ガンダムビルドダイバーズ終盤、ELダイバーであるサラの存在が引き起こすバグによってGBNが崩壊の危機に晒されます。同じくELダイバー(だろう)イヴもまた、大好きなGBNを守るためにバグを抱え込み、爆発寸前の状態に。このままいけば、取り込んだバグを撒き散らして崩壊を助長してしまう……
そうなる前に、自分を消して欲しい。それが彼女の最後の望みでした。
当然、ヒロトはそれを受け入れられません。イヴの急な言動に戸惑いを露わにします。
けれど、亀裂が走るフィールドを見て、苦しむイヴを見て……最後には伸ばした手を閉じます。コアガンダムのライフルが、イヴを貫き、消滅させる。彼女の望み通りに。

 

 

直後、前作での最終フォース戦に繋がります。サラの消滅を掲げるフォースアヴァロンに所属していたヒロトは、ビルドダイバーズから見ると敵側。仲間から参加を取りやめるようアドバイスされるほど気落ちしていたヒロトですが、おそらくこの時はまだイヴの消滅に実感が沸いてなかったと思うんです。悪い夢でも見ていたんじゃないかと。
そんなヒロトに追い打ちを掛けたのが、前作主人公であるリク。
キョウヤとの激闘をくぐり抜け、自分たちの思いを、夢を、希望を叫ぶ。
彼は、一点の曇りもない純度100%の真っ直ぐな少年で、不可能にも決して諦めず手を伸ばし続けます。
絶対に諦めない。
そんな輝きを目にして、ヒロト銃口を向けながら自らの暗い感情を吐き出します。
決して諦めたわけじゃない。イヴが望んだことを実行したまで。
けれど――ヒロト「どうしようもない現実」を受け入れてしまった。
リクと違い、伸ばした手を閉じてしまった。彼のように諦めずに足掻き続ければ、他の道があったんじゃないか。イヴを救えたんじゃないか。
自責の念と後悔、そして「持たざるもの」としての妬み……感情が渦巻く中、最後に残ったイヴとの「約束」が、アースリィの銃口を下げさせ、リクの撃墜は未遂に終わります。
わずかな希望を手にしたリクの輝きが、ヒロトの心に深い闇を落とす。生き残ったサラと、消えてしまったイヴ。まさに光と影の対比。これまでの物語の見方ががらりと変わってしまうような、寂寥感に詰まる過去。涙を流すヒロトに、「そりゃ簡単に決別できんよな……」ともらい泣きしそうになりました。

 

 

 

 

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まだスタートラインに立ってすらいなかったヒロト。自分を卑下する彼に、新たな仲間たちが「そんなことはない」と声を上げます。ヒロトに助けられた、ヒロトのおかげで変われたのだと。
自身が意識していなかっただけで、ヒロトの行いはカザミやパル、メイの新たな道標になり、フレディたちエルドラの民にとっては「本物の英雄」になっていた。
「誰かのために」――そう願ったイヴとの約束を、ヒロトはちゃんと果たしていた。
もう新しい道を歩き始めていたことに気付く、ターニングポイントとして最高のエピソードでした。視聴後に友人からのリプで気付きましたが、18話でのアルスへの激昂っぷりも納得いくもんです。

 


ここまでのコアガンダムは、2期に入ってから登場したユーラヴェンを含めて、製作済みの換装パーツしか使用していませんでした。これは、ヒロトの時間がイヴを失い、リクを撃墜できなかったあの時から止まったままということに起因しているのでしょう。
ただ、ここからは違う。
新たな仲間たちと共に描く、新しい未来のために。次話以降のヒロトとコアガンダムの活躍に期待したいです。

 

 

 

 

 

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20話見終えてから1期のOP聞くと、ヒロトの感情をストレートに代弁してて印象変わりますね……
どうか、ヒロトの頑張りが報われますように。出来ればイヴと再会させてあげてほしいなぁ……