にわかオタクの雑記帳

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ガンダムビルドダイバーズRe:RISE感想 求めていたモノとの乖離

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今作からTVではなくYOUTUBEの公式チャンネルで配信となった、ガンダムビルドシリーズの最新作、ガンダムビルドダイバーズRe:RISE


自分の作ったガンプラを実際に操作して戦う……
ガンプラ製作者なら一度は夢見る体験が現実となった世界が描かれるビルドシリーズ。
(実質的)初代のビルドファイターズとは舞台を移し、今やフィクション界ではお馴染みとなったVRMMOの要素を加えた、前作ビルドダイバーズ。
Re:RISEは、その続編に当たる作品です。


前作の主人公リクが、初心者らしい純粋さと真っ直ぐひたむきに夢に向かって走り続け、周囲の人々にもポジティブな影響を与えていたのとは対照的に、
今作の主人公ヒロトは、過去に起こったとある事件が原因で、笑顔が消えてしまっています。
GBNでも仲間を作らず、ソロプレイに没頭する中で、偶然居合わせたカザミ、パル、メイと共に、特殊なミッションに挑むことになる……というのが冒頭のあらすじです。

 


事前情報と第1話を見た俺は「これは面白くなるぞ!」と期待MAXになりました。
高い機体性能で翻弄するのではなく、あれこれ策を巡らせて戦うスタイルが大好物で、ヒロトはそのタイプに見えましたし、1話ではアッザムリーダーでの足止めも披露してくれました。
他作品の例を挙げると、「フルメタル・パニック!」の主人公、相良宗介に近い印象を受けました。
大味なバトルシーンには食傷気味だったので、これまでとはひと味違ったものが見られるな、と。

 

まだ、それぞれ問題を抱えていたせいでパーティプレイが出来ていなかった、いわゆる「弾かれものの寄せ集めパーティ」が、数々の戦いを経ることで本当のチームになっていく展開も、王道ですが熱いものがありますし、上手くメンバーの掘り下げをしてくれればそっちも期待できる!と、大興奮でTVにかじりついたビルドファイターズ以来の傑作になる予感がぐいぐいしていました。
新作のロボアニメに飢えていたのもありましたしね。

 


「トライ」や「ビルドダイバーズ」は面白くなかったわけではないのですが、BFと比べると、どうしても物足りなさを感じていたのが事実。
なので、今度はきっと……! と信じながら視聴を続けて13話。

 

ここからは13話までのネタバレを含みつつ、正直な感想を書いていきます。
未見の方はネタバレ注意です。
また、あくまで個人の感想ですが、愚痴っぽい表現が含まれますので、純粋に楽しめた方は、続きを読まないことをオススメします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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1クール分の配信を終えて、4月放送予定の2期に続く! で幕を閉じたわけですが。


分割とはいえ2クールやってくれるのはとてもありがたいし、続きが気になる部分や、前作メンバーは出てくるかどうかも見て見たいので、2期も(何もなければ)きっちり視聴するつもりでいます。

 

なので、面白かったかどうかで訊かれてたら、面白かったんですよ。

 

けれど、全体的にかなり薄味だった感が否めない。


果たして13話分の密度があったかと問われると、首をかしげてしまいます。
カザミ、パル、メイの掘り下げは確かにあったし、それらの問題を主人公のヒロトにしっかり絡ませ、仲間の問題を解決しつつ、彼自身も成長していく過程は、とてもよかったと思います。


ただ、カザミやパルは担当回に2話分の尺をもらっているのに、掘り下げが浅い印象でした……
いくつかの設定はあえて2期まで伏せているのでしょうが、問題に絡まったエピソードが表面しか語られないor概要のほとんどが伏せられているせいで、成長が実感しにくかったり、感情移入がしづらかったりしました。


何より残念なのが、後述する要素を含むのですが、キャラたちのガンプラへの想いが語られなかったこと。
BDRは前作以上に「ガンプラ」よりも「VRMMO」の部分に重きを置いているというか、「ただのゲームかと思っていたら現実世界だった」という種明かしに全力投球し過ぎかな、と思いました。
作中のキャラたちは12話辺りでようやくその事実に気付き始めますが、勘のいい視聴者なら……というかSAO等の他作品に触れている人なら、1話の時点で察する要素です。
「普通のゲームじゃない」周知の事実を1クール延々と引っ張り、NPCかと思いきや本当に生きている人だった衝撃を与えるために、エルドラの住人たち、ケモミミたちの日常やレジスタンスとの交流等のシーンに、かなりの尺が割かれました。
やりたいことは分かるし、必要だとは思うのですが、果たして主要キャラの描写をおろそかにしてまで、ガンプラ要素を削ってまで描くものだったのか? とまたもや疑問符が浮かんでしまいます。
多くの視聴者は、MMO要素のほうを深めて欲しいと望んでいたのか?


尺割いたにもかかわらず、フレディの必要性がヒロトたちを呼べること以外になく、微妙に邪険に扱われていたのに、いつの間にか「お前も仲間だ」になってのも「???」なんだよなぁ……

 

 

 

 

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俺がビルドファイターズにあんなにも夢中になれた要因のひとつとして、
ガンプラを作る」……ビルドの描写をきちんとやってくれたことがあります。

 

W主人公のひとりであるセイが担当していた部分ですが、ガンプラに愛情を込め、自分だけの世界観を作り込み、高クオリティな製作技術はそのままガンプラの高い機体性能へと繋がる……ホビーアニメとしての側面をしっかり果たしていたのが、BFでした。


その部分が理想的に描かれたのが、世界大会予選でのフェリーニ戦。
「お前を作ったのは、棚に飾って愛でるためじゃねえ……勝つためだ……!」の名台詞が象徴するように、丹精込めて製作したガンプラがボロボロに壊れるまで戦わせる。
操作担当のレイジが壊れることを躊躇うのに対し、作ったセイが「構うな!」と叫ぶ。
両者が一歩も引かないバトルは、最終的に引き分けで決着。
その後、フェリーニとセイは、肩を並べ、笑顔で壊れたガンプラを修理する……
作中のレイジではないですが、自分もガンプラを作りたいと思わせてくれる、最高のエピソードでした。


ところが、続編のトライからガンプラを作ったり、カスタムしたり、修理したりするシーンが徐々に減り……
いや、減ったわけではなく、ストーリーに絡むことが少なくなった気がします。
個々のメンバーが問題を抱えるBDRは、その解決にガンプラを絡める絶好の設定だったように思えるんです。
特にカザミは、キャプテンジオンという憧れの存在がいるわけで、どういった想いを込めてジャスティスナイトを製作したのかが詳細に語られてもよかったんじゃないかと。
個別回後もやられ役の印象がぬぐえなかったジャスティスナイトが不憫でならない……
あれでガンプラ売れるのかな? と上から目線で考えてしまったこともあります。
メイが何故ウォドムポッドをガワに選んだのかとかも知りたかったなあ。

 


期待していたバトルシーンも、敵側がゼルトザーム以外はAI制御の量産機タイプばかりで、「おおっ!」と引き込まれるものがなかったのが残念でした(そのゼルトザームもパイロットが洗脳状態なので熱いセリフのやり取りが無い)。
コアガンダムの換装システムは、(他ガンダム作品で既出とはいえ)子供たちにも人気の仮面ライダーウルトラマンを意識しているようで、魅力的だったのですが、初登場時以外はあまり活躍しない悪い部分まで影響されてしまってもう。
緑の砲撃タイプは不遇される制約でもあるんですか!?
BDのようなモブキャラが操るネタガンプラ枠のお遊びもなくなってしまい、ガンプラでやる必然性がかなり薄まってしまったように見えました。

 

 

 

 

 

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勝手にハードルを上げてしまったことも悪いのですが、BDRは全ての要素が薄い、が俺の総括です。
ストーリーも、キャラクターも、ガンプラも、尺はあったはずなのに肉付けが足りない。

 

割を食ってしまったカザミはともかく、GBN側はヒロトを始めとして魅力的なキャラが多かったので、余計にそう思ってしまいます。
例えメインのターゲット層向けの子供たちに見てもらうために、濃いガンダムネタは控え、分かりやすさ重視にしたのだとしても、もう少し「ガンプラアニメ」としてやりようがあったんじゃないかと。
未だにビルドファイターズの影が焼き付いてしまった厄介オジサンは、注文を付けまくってしまうのでした。

 

 

せめてもの贖罪として、今度BDRのガンプラどれかひとつ買ってきたいと思います。
厄介オタクだけどシリーズは続いてほしいんじゃ……