にわかオタクの雑記帳

にわかオタクがそのときハマっていることを書き殴るブログです 主にアニメ・ゲーム中心

遊戯王 New stage サイドM 8-7

「俺のターン。ドロー。<フォルトロール>の効果を発動し、墓地の<アナペレラ>を蘇生させる」

<XX-セイバー フォルトロール>
効果モンスター
星6/地属性/戦士族/攻2400/守1800
このカードは通常召喚できない。
自分フィールド上に「X-セイバー」と名のついたモンスターが
表側表示で2体以上存在する場合のみ特殊召喚する事ができる。
1ターンに1度、自分の墓地に存在するレベル4以下の
「X-セイバー」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する事ができる。

 葬られたはずの女戦士が、<XX-セイバー フォルトロール>の雷光に導かれ、再びフィールドに姿を現す。
 やはり、<XX-セイバー フォルトロール>を潰さないことには<X-セイバー>の進撃は止まらない。
「攻撃する順番を間違えた」――先程のターンで、最初に<XXセイバー フォルトロール>を<六武衆の師範>で攻撃していれば、<身剣一体>の発動条件を満たせず、撃破できていたはず、ということか。
 切は<六武衆ニサシ>の連撃効果を使い、<X-セイバー>の展開を阻んだ。それだけで十分だ。<XX-セイバー フォルトロール>の対処は、輝王の役目だ。
「そして、<X-セイバー エアベルン>を召喚。<X-セイバー アナペレラ>にチューニングする」
 二色に別れたたてがみをなびかせ、鋭い爪を両腕に装着したライオンの戦士が現れる。戦士は、すぐさま3つの光球に姿を変える。

<X-セイバー エアベルン>
チューナー(効果モンスター)
星3/地属性/獣族/攻1600/守 200
このカードが直接攻撃によって相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、
相手の手札をランダムに1枚捨てる。

シンクロ召喚……!?」
 3体で攻撃していれば、残りライフの少ない輝王を葬り、切にも大打撃を与えられたはずだ。何故シンクロ召喚を行うのか――そんな疑問が輝王の頭をよぎるが、すぐに答えが出た。
「まさか、このターンで切を倒すつもりか……!?」
「な、なんじゃと!?」
 輝王の呟きを聞いた本人が、臆面もなくうろたえる。
 <XXセイバー フォルトロール>で<六武衆ニサシ>を倒した後、高攻撃力のシンクロモンスターがいれば、まだ残りライフに余裕のある切でさえも葬ることができる。
「剣に導かれし猛き戦士たちよ! その刃を手にとり、己が力を示せ! シンクロ召喚――荒ぶれ! <X-セイバー ウルベルム>!」
 シンクロ召喚のエフェクトである光が飛散し、<X-セイバー ウルベルム>が姿を現す。
 バッファローの頭蓋を模した兜を被り、傷だらけの鎧を纏った歴戦の戦士。背負った2本の剣が、鈍く輝く。

<X-セイバー ウルベルム>
シンクロ・効果モンスター
星7/地属性/戦士族/攻2200/守1300
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
相手の手札が4枚以上の場合、このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、
相手の手札をランダムに1枚デッキの一番上に置く。

「こ、これは絶体絶命のピンチではないかのう!?」
「……落ち着け。あのモンスターでは、お前にトドメを刺すことはできない」
 最も、輝王はすでに危険領域にいるのだが。
 そして、ジェンスが考えもなしにシンクロモンスターを呼びだすとは考えにくい。
「バトルだ。<フォルトロール>で<ニサシ>を攻撃。ライトニング・エンド!」
 <XX-セイバー フォルトロール>が横薙ぎに大剣を振るうと、斬撃の形をした雷鳴が飛ぶ。
 急速に迫った雷撃を、深緑の侍は2本の刀を十字に構えて受け止める。
が、勢いを殺しきれず直撃を受け、フィールドから退場する。
「うぬっ……」

【切LP3300→2300】

「<身剣一体>の効果でカードを1枚ドロー――いいカードを引いたな。詳しくは言えんが、<ウルベルム>の攻撃力を上昇させることのできるカードだ」
 獲物を追い詰めた狩人のごとく、ジェンスが冷淡な声で告げる。
「……まさか、ここまでとはな」
 あっという間に2人を射程圏内に入れながら、自身のライフはほとんど減っていない。
 ジェンス・マクダーレンというデュエリストの底知れない強さを実感しながら、輝王は呻く。
 彼の言葉が真実なら、このターンでどちらかが脱落する。
「正直なところ、お前の顔を見るのはうんざりでな……先に消えてもらうぞ。高良姫花!」
「――ッ!?」
 <X-セイバー ウルベルム>が背中の剣を抜き、疾駆する。
 標的は切だ。
 少女が伏せカードを起動する様子はない。
 無防備な彼女に向けて、慈悲なき2つの刃が振り下ろされる瞬間。
「――やはり、わしにはできぬのか? 切の代わりなんて……」
 涙をこらえ、絞り出すような声で少女は呟く。
 その瞳が、後悔の色で覆われたとき――

「ここで守れなければ、俺がいる意味はない――罠カードを起動! <エレメントチェンジ>!」

 切への攻撃を阻むように、輝王の場の伏せカードが表になる。

<エレメントチェンジ>
永続罠(オリジナルカード)
発動時に1種類の属性を宣言する。
このカードがフィールド上に存在する限り、
相手フィールド上の全ての表側表示モンスターは自分が宣言した属性になる。

「指定する属性は光! これにより、お前の場のモンスターは全て光属性になる!」
「――ほう」
 <エレメントチェンジ>に攻撃を防ぐ効果はない。しかし、このタイミングで発動したということは、策があるということだろう――ジェンスはその先にある輝王の戦術に対し、感嘆の声を漏らす。
「手札の<AOJスパイダー・ガードナー>の効果を使う! このカードを手札から捨てることで、光属性モンスターの直接攻撃を無効化する!」

<A・O・J スパイダー・ガードナー>
効果モンスター(オリジナルカード)
星2/闇属性/機械族/攻   0/守   0
相手の光属性モンスターの直接攻撃時に発動することができる。
このカードを手札から捨てることで、その攻撃を無効にする。

 輝王の右腕の上を這いながら現れる、蜘蛛の形をした小型ロボット<AOJスパイダー・ガードナー>。その口から糸状の光が吐き出され、<X-セイバー ウルベルム>の腕に絡みつく。
 糸を振り払おうともがく<X-セイバー ウルベルム>。しかし、光輝くその糸は、細さの割に強靭で、決して切れることがない。
 やがて、攻撃を諦めた二刀流の戦士がジェンスの場に戻っていくと、同時に蜘蛛型ロボットも姿を消す。
「防いだか。なら、カードを1枚セットしてターンエンドだ」
「輝王……!」
「ここからだぞ、切」
「うむ! 反撃開始じゃな!」
 ひとまず危機を乗り切ったことへの安堵で、切が顔を輝かせる。
 だが、状況が好転したわけではない。ここからが正念場だ。
 次の輝王のターン。反撃の糸口を掴めなければ、敗北は必至だ。

【輝王LP1600】 手札3枚
場:エレメントチェンジ(光指定)
【切LP2300】 手札2枚
場:一族の結束、伏せ1枚
【ジェンスLP6800】 手札3枚
場:XX-セイバー フォルトロール(攻撃・身剣一体装備)、X-セイバー ウルベルム(攻撃)、伏せ2枚