「わしは、＜大将軍 紫炎＞に＜先代の忘れ形見＞を装備！ これにより、＜紫炎＞の攻撃力は500ポイント上がる！」 ＜先代の忘れ形見＞ 装備魔法（オリジナルカード） 「天下人 紫炎」または「大将軍 紫炎」にのみ装備可能。 装備モンスターの攻撃力は500ポイ…

＜大将軍 紫炎＞。 かつて、最愛の人を殺したカード。 偽りの「友永切」として目覚めた後、無意識のうちにこのカードを手放していたのだろう。 それをレビンが回収・保管し、少女に渡した。 （――使えぬ） これまでは、漠然とした不安を覚えるだけだった。 し…

ジェンスのエンド宣言を聞き、切が安堵の息を吐く。 「ふう。何とか、このターンはしのげたの」 「失ったものも多いがな。しかし、２人とも生き残ることが出来た……お前のおかげだ」 「なんじゃ気持ち悪い。お主がわしのことを褒めるなど……体がかゆくなりそう…

彼の本心を聞き出そうとしたわけではない。 だが、このターンの初めにジェンスが見せた表情――昔を懐かしむようなそれが、輝王の心に引っかかっていた。 戦いの最中で、過去を思い出す。それは輝王も経験済みのことだ。 その過去が、何らかの心境の変化を起こ…

「……俺のターンだったな。ドロー」 少しの間目を閉じていたジェンスが動きを見せる。 静かにカードをドローした彼の周囲の空気が、音もなく震える。そんな感じがした。 「罠カード＜ガトムズの緊急指令＞を発動。フィールド上に＜Ｘ－セイバー＞と名のついた…