にわかオタクの雑記帳

にわかオタクがそのときハマっていることを書き殴るブログです 主にアニメ・ゲーム中心

遊戯王 New stage2 サイドS 2-8

「さぁて、俺のターンだな!」
 待ってましたと言わんばかりにガッツポーズを作る金盛。
「そんじゃ、ショータイムと行くかァ! まずは罠カード<針虫の巣窟>を発動! 自分のデッキの上からカードを5枚墓地に送るぜ!」

<針虫の巣窟>
通常罠
自分のデッキの上からカードを5枚墓地に送る。

「何をする気……?」
 金盛の狙いが読めず、紫音は警戒心を強める。
 「フッフッフッ」と意味ありげな笑みを浮かべた金髪の男は、自分のデッキの上から5枚のカードをめくり、それらを確認したあと墓地に送る。
 途端、<ブラッディ・ナイト>の鎧に刻まれた赤い線が、強い輝きを放つ。
「これって……!?」
「教えてやるぜ! <ブラッディ・ナイト>は自分の墓地に存在する闇属性モンスターの数×200ポイント攻撃力が上昇する! たった今<針虫の巣窟>で墓地に送った5枚のカードは、全て闇属性モンスター! よって、俺の墓地に闇属性モンスターは6体……攻撃力は1200ポイントアップして、2700だ!」

<ブラッディ・ナイト>
効果モンスター(オリジナルカード)
星4/闇属性/戦士族/攻1500/守1900
自分の墓地に存在する闇属性モンスター1体につき、
このカードの攻撃力は200ポイントアップする。

 全身に力を漲らせた漆黒の騎士は、地面に刺さった大剣を引き抜き、軽々と振るってみせる。
「さあバトルだ! パワーアップした<ブラッディ・ナイト>で雑魚モンスターを攻撃!」
 大剣を正眼に構えた騎士は、両足に力を溜めた後、跳躍する。
 一瞬で<リチュア・チェイン>との間合いを詰め、袈裟斬り。
 2つに割かれた海竜は、そのまま砕け散る。
「くっ……」

【紫音LP4000→3100】

 召喚条件の緩い下級モンスターの打点を増強させ、攻めてきた。予想していなかったわけではないが、意表を突かれた戦術だった。
 <針虫の巣窟>で墓地に落ちたカードを見るに、金盛のデッキの大半は闇属性モンスターで占められていると考えて間違いない。だとしたら、デュエルが長引けば長引くほど紫音は不利になる。墓地が肥えた終盤に2枚目の<ブラッディ・ナイト>を出されようものなら、容易にライフを削りきられてしまう。
(それにしても……)
 先程の攻撃で、金盛はサイコパワーを発動する気配はなかった。紫音の体が受けたのは、ディスクが起こす微弱な振動だけだ。
(ま、こっちはある意味予想通りかしらね。こいつは「清浄の地」とは何の関係もなくて、弱い奴からレアカードぶんどってる、ただのゴロツキってとこかな。だとしたら、さっさと終わらせないと)
 一発目から当たりを引ければ苦労はしない。空振りは覚悟の上だ――そう自分に言い聞かせる。
「へっへっへっ、<ブラッディ・ナイト>の強さに声も出ねえみたいだな! だが、まだこれで終わりじゃねえぜ! 俺の手札には、<ブラッディ・ナイト>よりもさらに強力な切り札がある。例え<ブラッディ・ナイト>を倒したとしても、お前は敗北することになるのさ!」
 紫音の沈黙の意味を勘違いしたらしい金盛は、自慢げに勝利を宣言する。
「ターンエンドだ! これ以上無駄な足掻きはやめな!」

【金盛LP4000】 手札5枚
場:ブラッディ・ナイト(攻撃)
【紫音LP3100】 手札5枚
場:伏せ1枚

(……ったく。どこからあんな自信が湧いてくるんだが)
 確かに攻撃力2700のモンスターは強力だ。
 しかし、それを突破する手段はいくらでもある。
「じゃ、あたしのターンね。自信と慢心の違いってやつを教えてあげるわ!」
「へっ! やれるもんならやってみろ!」
 金盛の態度は揺るがない。それなら、身をもって味わってもらうとしよう。