遊戯王 New stage２ サイドＳ プロローグ

「ダメじゃない、紫音。また学校サボったの？」
　だって、学校つまらないんだもん。
「お父さんとお母さんが心配するよ？」
　……別にいい。お父さんもお母さんもキライ。
　お仕事ばっかりで全然あたしと遊んでくれないし。
「そんなこと言っちゃダメだよ、紫音」
　学校のやつらもキライ。あたしがお金持ちなことをひがんで、仲間外れにするんだ。
　デュエルしようって言っても、レアカード自慢されるからやだって勝手なこと言われるし。
「……そいつは全力でぶん殴るべきね。ムカついてきたわ」
　でしょ？　だから学校なんて行かない。
「でも、友達作ったほうが今よりずっと楽しいと思うよ？」
　友達なんていらない。
　あたしの友達は、エリアだけだもん。
　エリアだけいればいい。
「あらら。喜ぶべきなのか悲しむべきなのか迷う発言ね」
　素直に喜んでいいのに。
「もちろんうれしいけど、私はカードの精霊だから。紫音には、もっとちゃんとした友達を作ってほしいな」
　……意味分かんない。
「意味分かってよ」
　それより、早く遊ぼう？　こないだみたいな詰めデュエル、またやってみたい。
「しょうがないわね。じゃ、始めようか」
　ありがとエリア！　あたし準備するね！
「……紫音」
　なぁに？

「私は、ずっと紫音の傍にいるよ」

　……うん！