今度こそ――
いやー調子乗って番外編書き始めたはいいものの、間が空いてしまってモチベーションを維持するのがすごい大変だった
なんか今日は筆が乗ったので、勢いのまま書いちゃおうと、番外編完結まで進めました
矛盾だらけだったり文章がおかしな部分が多々あると思います;; 申し訳ない;;
なんか今日は筆が乗ったので、勢いのまま書いちゃおうと、番外編完結まで進めました
矛盾だらけだったり文章がおかしな部分が多々あると思います;; 申し訳ない;;
以下、遊戯王New stage 最新更新分までのネタバレを含みます!
未読の方は注意!
まずは、苦し紛れの番外編について
本当ならもうちょい内容を詰める予定でしたが、ぶっちゃけ面倒くさくなったのでこんな形に
せっかく厨二要素を出したので、バトル場面はもっとちゃんと書きたかった
高良のカッコよさとか切のトボケっぷりが出ていれば幸いです
星屑さんの小説とか読んでると、キャラの掛け合いに関してはまだまだの部分が多いな、と実感します
せっかく厨二要素を出したので、バトル場面はもっとちゃんと書きたかった
高良のカッコよさとか切のトボケっぷりが出ていれば幸いです
星屑さんの小説とか読んでると、キャラの掛け合いに関してはまだまだの部分が多いな、と実感します
ちなみに、高良君が掴んだ「両親殺しの犯人がレボリューションにいる」というのは、当たらずも遠からずと言ったところです
高良の両親を殺し、姫花をさらったのは光坂ではありませんが、アルカディアムーブメントの人間です
姫花のサイコデュエリスト能力に目を付け、さらったんですね
高良の両親を殺し、姫花をさらったのは光坂ではありませんが、アルカディアムーブメントの人間です
姫花のサイコデュエリスト能力に目を付け、さらったんですね
と言った感じに、本編を補完するために番外編を書いたのに、さらなる矛盾点が出てきてしまって困る……!
本編の方は……
完結したときには色々書きたいことがあったんですが、時間が経った今では結構忘れちゃった;;
前にも書いたと思いますが、本編を書き始めた当初予定していたストーリーとは、結構変わりました
ストラは操られていたのではなく、自分の意志でレボリューションにいたり、
決戦の地が貨物船ではなくどっかのビルだったり、
剣闘獣使いのかませ犬がいたり、ナチュル使いの双子がいたり(創志&切とタッグ戦やらせるつもりだった)……
言い始めたらキリがないですね;;
ストラは操られていたのではなく、自分の意志でレボリューションにいたり、
決戦の地が貨物船ではなくどっかのビルだったり、
剣闘獣使いのかませ犬がいたり、ナチュル使いの双子がいたり(創志&切とタッグ戦やらせるつもりだった)……
言い始めたらキリがないですね;;
とにかく、1年弱という長期間連載した作品を完結させることができたのは、最後まで読んでいただいた読者の方々の応援あってのものだと思います。本当にありがとうございました!
みんなの応援がなければ、絶対に途中で打ち切りになってたと思う
前半の執筆ペースが異様に遅かったことでこんな長期間書く羽目になってしまったけど、いい経験になりました
これからは、一読者としてみんなの作品を楽しみに待たせてもらうとします
みんなの応援がなければ、絶対に途中で打ち切りになってたと思う
前半の執筆ペースが異様に遅かったことでこんな長期間書く羽目になってしまったけど、いい経験になりました
これからは、一読者としてみんなの作品を楽しみに待たせてもらうとします
これで、遊戯王New stageは完結です
治安維持局本部。第3デュエル場。
目立つ所に設置された大きめのデジタル時計は、午後8時を示していた。
新人の訓練に使用されることの多いこのデュエル場には、ほとんど人影は残っていない。大体が訓練を終え寮や家に帰宅しているか、実地研修のため外に出ているかだ。
現在、本来の目的でデュエル場を使用しているのは一組のみ。
「……そうね。ここはダメージを優先してみようかしら。バトルフェイズに入るわ!」
そう宣言したのは、黒のスーツに身を包んだブロンド髪の女性だった。彼女のフィールドには、白い法衣に身を包んだ魔導師<アーカナイト・マジシャン>がいる。
「へえ。<アーカナイト・マジシャン>の効果を使わないんスか? 俺の場には2枚も伏せカードがありますけど」
そう指摘したのは、女性のデュエルの相手である金髪の男だった。身長は180cmほどで、同年代の男と比べるとひょろりとした印象を受ける。セキュリティの制服を着ているものの、どうにも頼りない感じだ。
彼の場には、言葉の通り2枚の伏せカード。加えて、緑髪の女性型モンスターがいる。淡い色のローブを羽織り、身の丈を遥かに超えた長さの杖を手にしている。
<ガスタの静寂 カーム>と呼ばれるモンスターだった。
「あら。それは挑発のつもりなのかしら、ミハエル・サザーランド君?」
「そういうワケじゃないっスよ。ストラ・ロウマン先輩」
「悪いけど、もうバトルフェイズに入っちゃったし、<アーカナイト・マジシャン>の効果を使うのは後に回させてもらうわ。<アーカナイト>で<カーム>を攻撃!」
ストラの宣言を受け、白の魔術師が杖の先に魔力を集中させる。
実際、ストラの手札には<ミラクル・シンクロフュージョン>があった。仮に<アーカナイト・マジシャン>が破壊されたとしても、後続を呼ぶのは容易だ。
ストラのライフは未だ4000。対し、ミハエルのライフは2400。<アーカナイト・マジシャン>のダイレクトアタックが通れば一撃だ。
「――っと! させるわけには行かねえっスね! 罠カード発動!」
さすがにこの攻撃を安々と通すほど、甘い男ではないようだ。
新人とはいえ、セキュリティ本部に勤める人間なのだ。これくらいは避けてくれないと困る。
ミハエルの指が動き、ストラから見て右側の伏せカードが起動する。
目立つ所に設置された大きめのデジタル時計は、午後8時を示していた。
新人の訓練に使用されることの多いこのデュエル場には、ほとんど人影は残っていない。大体が訓練を終え寮や家に帰宅しているか、実地研修のため外に出ているかだ。
現在、本来の目的でデュエル場を使用しているのは一組のみ。
「……そうね。ここはダメージを優先してみようかしら。バトルフェイズに入るわ!」
そう宣言したのは、黒のスーツに身を包んだブロンド髪の女性だった。彼女のフィールドには、白い法衣に身を包んだ魔導師<アーカナイト・マジシャン>がいる。
「へえ。<アーカナイト・マジシャン>の効果を使わないんスか? 俺の場には2枚も伏せカードがありますけど」
そう指摘したのは、女性のデュエルの相手である金髪の男だった。身長は180cmほどで、同年代の男と比べるとひょろりとした印象を受ける。セキュリティの制服を着ているものの、どうにも頼りない感じだ。
彼の場には、言葉の通り2枚の伏せカード。加えて、緑髪の女性型モンスターがいる。淡い色のローブを羽織り、身の丈を遥かに超えた長さの杖を手にしている。
<ガスタの静寂 カーム>と呼ばれるモンスターだった。
「あら。それは挑発のつもりなのかしら、ミハエル・サザーランド君?」
「そういうワケじゃないっスよ。ストラ・ロウマン先輩」
「悪いけど、もうバトルフェイズに入っちゃったし、<アーカナイト・マジシャン>の効果を使うのは後に回させてもらうわ。<アーカナイト>で<カーム>を攻撃!」
ストラの宣言を受け、白の魔術師が杖の先に魔力を集中させる。
実際、ストラの手札には<ミラクル・シンクロフュージョン>があった。仮に<アーカナイト・マジシャン>が破壊されたとしても、後続を呼ぶのは容易だ。
ストラのライフは未だ4000。対し、ミハエルのライフは2400。<アーカナイト・マジシャン>のダイレクトアタックが通れば一撃だ。
「――っと! させるわけには行かねえっスね! 罠カード発動!」
さすがにこの攻撃を安々と通すほど、甘い男ではないようだ。
新人とはいえ、セキュリティ本部に勤める人間なのだ。これくらいは避けてくれないと困る。
ミハエルの指が動き、ストラから見て右側の伏せカードが起動する。
「<アストラルバリア>! このカードの効果で<アーカナイト>の攻撃対象を俺自身にして――俺のライフはゼロっス! お疲れさまでした!」
「は……?」
ストラが呆気に取られているうちに、ミハエルはそそくさとデュエルを終了し、あっという間にデュエル場から出て行ってしまった。
「ちょ、ちょっとミハエル君!? なんなの今のプレイングはーっ!!」
慌てて叫ぶが、ミハエルが戻ってくる気配はない。
「……はあ。WRGPの再開までもう時間がないっていうのに」
突如起こった「事件」の影響で中断することになってしまった、ワールドライディングデュエルグランプリ。通称WRGP。
二度とあんなことがないよう、治安維持局側も万全に万全を重ねたうえで決勝トーナメントを再開しなければならないわけだが……。
新戦力があんな調子では、難しいかもしれない。
ストラが呆気に取られているうちに、ミハエルはそそくさとデュエルを終了し、あっという間にデュエル場から出て行ってしまった。
「ちょ、ちょっとミハエル君!? なんなの今のプレイングはーっ!!」
慌てて叫ぶが、ミハエルが戻ってくる気配はない。
「……はあ。WRGPの再開までもう時間がないっていうのに」
突如起こった「事件」の影響で中断することになってしまった、ワールドライディングデュエルグランプリ。通称WRGP。
二度とあんなことがないよう、治安維持局側も万全に万全を重ねたうえで決勝トーナメントを再開しなければならないわけだが……。
新戦力があんな調子では、難しいかもしれない。
「――相変わらず手を焼いてるみたいね、ストラ」
肩を落とすストラに、聞き覚えのある声がかけられた。
人気の少ない廊下を、ミハエルは早足で歩く。
「良かったんですか? マスター」
突然、何もない空間から声が響く。
いや。
何もない空間に見えるのは一般人だけで、ミハエルには声を上げた主の姿が見えていた。
ふわりと宙に浮かび、ミハエルに付き添う緑髪の女性。その端正な顔は、少し憂いの色を帯びていた。
「良かったんですか、って。どういうことだよカーム」
ミハエルの返答を受けた<ガスタの静寂 カーム>は、言おうか言うまいか逡巡したあと、意を決したように口を開いた。
「さ、さっきのデュエルのことです。もう1枚の伏せカードは<風霊術―雅―>でしたよね。わたしをリリースして<アーカナイト・マジシャン>をデッキに戻せば、まだまだ勝負は分からなかったんじゃ……」
「ああ、そのことか。いいんだよ別に負けたって。俺はデュエリストじゃないんだから。勝ち負けにはこだわらないの」
「でも……」
「それに、カームを俺自身の手でリリースするとか考えられねえよ。こんなにかわいいのに」
「ま、マスター! もう……」
そう言って視線を逸らしたカームの頬が朱を帯びているのをミハエルは見逃さなかった。
いや。
何もない空間に見えるのは一般人だけで、ミハエルには声を上げた主の姿が見えていた。
ふわりと宙に浮かび、ミハエルに付き添う緑髪の女性。その端正な顔は、少し憂いの色を帯びていた。
「良かったんですか、って。どういうことだよカーム」
ミハエルの返答を受けた<ガスタの静寂 カーム>は、言おうか言うまいか逡巡したあと、意を決したように口を開いた。
「さ、さっきのデュエルのことです。もう1枚の伏せカードは<風霊術―雅―>でしたよね。わたしをリリースして<アーカナイト・マジシャン>をデッキに戻せば、まだまだ勝負は分からなかったんじゃ……」
「ああ、そのことか。いいんだよ別に負けたって。俺はデュエリストじゃないんだから。勝ち負けにはこだわらないの」
「でも……」
「それに、カームを俺自身の手でリリースするとか考えられねえよ。こんなにかわいいのに」
「ま、マスター! もう……」
そう言って視線を逸らしたカームの頬が朱を帯びているのをミハエルは見逃さなかった。
ミハエル・サザーランドには、デュエルモンスターズのカードに宿る精霊を見る力があった。
とは言っても、見えるのはこの<ガスタの静寂 カーム>だけなのだが。
「それより急ごうぜ。もうすぐ試合が始まっちまう。苦労して手に入れた『竜帝VS氷帝 世紀のデュエル!』のチケット。無駄にしたくないだろ?」
「……そうですね。行きましょうか」
普通の人間から見れば、ぶつぶつと独り事を言っている奇妙な男がうれしそうに歩いているおかしな光景が目に映ったことだろう。
「それより急ごうぜ。もうすぐ試合が始まっちまう。苦労して手に入れた『竜帝VS氷帝 世紀のデュエル!』のチケット。無駄にしたくないだろ?」
「……そうですね。行きましょうか」
普通の人間から見れば、ぶつぶつと独り事を言っている奇妙な男がうれしそうに歩いているおかしな光景が目に映ったことだろう。
アルカディアムーブメント跡地。
とある事件によって崩壊することになったこのビルだが、施設の一部――主に地下部分はまだ生きていた。セキュリティの調査が入ったため、利用する人間は皆無だったが。
だが。
無人であるはずの地下室の一つに、明りが灯っている。
6畳ほどの広さの部屋には、中央に粗末なパイプ椅子が置かれている以外、何もなかった。
そのパイプ椅子に腰かけている白髪の男は、力無くうなだれていた。ピクリとも動かないため、一見すると死んでいるようにも見える。
「一応礼を言っとくわ。ありがとうございました、光坂。アンタのおかげであたしは強くなれた。この力をコントロールする術を身につけた」
部屋には、もう1つ人影があった。
男に向かって言葉を投げたのは、15歳くらいの少女だった。肩にかかるくらいまで伸びた黒髪は乱雑に切られ、血のような紅い瞳が白衣の男――光坂慎一を睨みつける。
「それじゃ行くわね。もう二度と会うこともないでしょうけど」
少女の辛辣な声に対し、光坂のリアクションはない。聞こえているかどうかも不明だ。
「…………」
視線を光坂から外し、少女は羽織っていたコートのポケットからデッキを取りだす。
一番上にあったカードは、<リチュア・エリアル>。
「ふん」
不愉快気に鼻を鳴らしてから、デッキに組み込まれたカードを1枚1枚確かめていく。
最後のカードは、絵柄の部分が真っ黒に染まっていた。
――絶対に、取り戻してみせる。
少女は扉を開き、地下室を後にする。
上凪紫音(かみなぎしおん)――その瞳に宿るは、何色の炎なのか。
とある事件によって崩壊することになったこのビルだが、施設の一部――主に地下部分はまだ生きていた。セキュリティの調査が入ったため、利用する人間は皆無だったが。
だが。
無人であるはずの地下室の一つに、明りが灯っている。
6畳ほどの広さの部屋には、中央に粗末なパイプ椅子が置かれている以外、何もなかった。
そのパイプ椅子に腰かけている白髪の男は、力無くうなだれていた。ピクリとも動かないため、一見すると死んでいるようにも見える。
「一応礼を言っとくわ。ありがとうございました、光坂。アンタのおかげであたしは強くなれた。この力をコントロールする術を身につけた」
部屋には、もう1つ人影があった。
男に向かって言葉を投げたのは、15歳くらいの少女だった。肩にかかるくらいまで伸びた黒髪は乱雑に切られ、血のような紅い瞳が白衣の男――光坂慎一を睨みつける。
「それじゃ行くわね。もう二度と会うこともないでしょうけど」
少女の辛辣な声に対し、光坂のリアクションはない。聞こえているかどうかも不明だ。
「…………」
視線を光坂から外し、少女は羽織っていたコートのポケットからデッキを取りだす。
一番上にあったカードは、<リチュア・エリアル>。
「ふん」
不愉快気に鼻を鳴らしてから、デッキに組み込まれたカードを1枚1枚確かめていく。
最後のカードは、絵柄の部分が真っ黒に染まっていた。
――絶対に、取り戻してみせる。
少女は扉を開き、地下室を後にする。
上凪紫音(かみなぎしおん)――その瞳に宿るは、何色の炎なのか。