遊戯王 New stage 番外編 ラスト・ドライブ エピローグ
あれから、どれくらいの時間が経っただろうか。
レビンの意志を継ぎ、サテライト各地を回ることにした少女には、旅を始める前に立ち寄るべき場所があった。
自分が「本当の友永切」と、高良火乃を殺めた場所。
記憶を取り戻した少女の脳裏には、今もその光景が焼きついている。
廃墟となったビルには、無駄に埃が積もっているだけだった。
亡骸は光坂の手によって処理されたと聞いた。輝王の話だと、高良の遺体は家族に返還されたらしいが、切に関しては行方知れずだ。
――わしは、友永切として生きることを決めた。
その決意を、果たして彼と彼女はどう思うだろうか。
恨むだろうか。
呆れるだろうか。
蔑むだろうか。
それとも――
レビンの意志を継ぎ、サテライト各地を回ることにした少女には、旅を始める前に立ち寄るべき場所があった。
自分が「本当の友永切」と、高良火乃を殺めた場所。
記憶を取り戻した少女の脳裏には、今もその光景が焼きついている。
廃墟となったビルには、無駄に埃が積もっているだけだった。
亡骸は光坂の手によって処理されたと聞いた。輝王の話だと、高良の遺体は家族に返還されたらしいが、切に関しては行方知れずだ。
――わしは、友永切として生きることを決めた。
その決意を、果たして彼と彼女はどう思うだろうか。
恨むだろうか。
呆れるだろうか。
蔑むだろうか。
それとも――
「……ごめんね。おにいちゃん」
虚空に向けて呟く。
切を殺してしまったことで錯綜していた「姫花」が、兄である火乃を殺す直前に呟いた言葉だった。
廃墟ビルを後にする。
謝罪の言葉をいくら重ねても、「姫花」が犯した罪は消えることはない。
だから。
この罪を背負ったまま、少女は救いの手を差し伸べることを決めたのだ。
切を殺してしまったことで錯綜していた「姫花」が、兄である火乃を殺す直前に呟いた言葉だった。
廃墟ビルを後にする。
謝罪の言葉をいくら重ねても、「姫花」が犯した罪は消えることはない。
だから。
この罪を背負ったまま、少女は救いの手を差し伸べることを決めたのだ。