にわかオタクの雑記帳

にわかオタクがそのときハマっていることを書き殴るブログです 主にアニメ・ゲーム中心

遊戯王 New stage サイドT 4

「私のターン! ドロー!」
 冷たい場の空気を切り裂くようにして、竜美がカードを引く。
「悪いけど、その程度のモンスターじゃ<ジュラック>の進撃は止められない! 私は<ジュラック・デイノ>を召喚!」
 小さな足から炎が迸り、橙の軌跡を描きながら蹴りを繰り出す<ジュラック・デイノ>。

<ジュラック・デイノ>
チューナー(効果モンスター)
星3/炎属性/恐竜族/攻1700/守 800
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、
そのターンのエンドフェイズ時に自分フィールド上に存在する
「ジュラック」と名のついたモンスター1体をリリースする事で、
自分のデッキからカードを2枚ドローする。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。

「<ジュラック・イグアノン>に<ジュラック・デイノ>をチューニング! 深淵に眠りし爆炎よ! その力を現世に焼きつけろ! シンクロ召喚!」
 2体の恐竜が光の柱に包まれ、その内からいくつもの火柱が噴きだす。
「踏み潰せ! <ジュラック・ギガノト>!」
 炎のたてがみをなびかせ、強靭な肉体を鮮やかな赤と青で染め上げた太古の竜が、猛々しい咆哮を上げる。

<ジュラック・ギガノト>
シンクロ・効果モンスター
星7/炎属性/恐竜族/攻2100/守1800
チューナー+チューナー以外の恐竜族モンスター1体以上
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
自分フィールド上に表側表示で存在する「ジュラック」
と名のついたモンスターの攻撃力は、自分の墓地に存在する
「ジュラック」と名のついたモンスターの数×200ポイントアップする。

 それに気圧されぬよう、グルルル……と戦意をむき出しにする氷の虎王。
「<ジュラック・ギガノト>は、墓地に存在する<ジュラック>の数だけ攻撃力が上がるわ! 私の墓地にいる<ジュラック>は3体。よって、<ジュラック・ギガノト>の攻撃力は600ポイント上がり、2700!」
 <ジュラック・ギガノト>の頭部から噴き出す炎の勢いが増す。
「バトルフェイズに入るわ! ――まさか、このまま終わりじゃないでしょう?」
 <ジュラック・ギガノト>のあとには、攻撃力の上がった<ジュラック・ヴェロー>も控えている。全ての攻撃を通せば、ティトのライフはゼロだ。
無論、策はある。
「罠カード<リミット・リバース>を発動。墓地にいる<氷結界の守護陣>を蘇生させる」

<リミット・リバース>
永続罠
自分の墓地から攻撃力1000以下のモンスター1体を選択し、攻撃表示で特殊召喚する。
そのモンスターが守備表示になった時、そのモンスターとこのカードを破壊する。
このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。
そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。

 <氷結界の虎王ドゥローレン>の隣に氷柱が突き出し、中から<氷結界の守護陣>が飛び出してくる。
「<氷結界の守護陣>の効果。自分フィールド上にこのカード以外の<氷結界>と名のついたモンスターがいる限り、このカードの守備力以上の攻撃力を持つ相手モンスターは攻撃宣言をすることができない」
 <氷結界の守護陣>が身につけている宝具がまたしても輝き、ティトのフィールドに雪の結晶を模した陣が描かれる。
 薄く輝くその陣は、恐竜たちの進撃を阻んだ。
「攻撃を封じられた、か……なら、このままバトルフェイズを終了するわ。でも、その厄介なコンボは阻止させてもらう」
「……っ」
 サイコデュエリストとしての力に目が行きがちだが、竜美の戦術眼はティトの狙いを看破していた。
 <氷結界の虎王ドゥローレン>の効果によって<リミット・リバース>を再利用しつつ、攻撃力を上昇させる。もう一度<ウォーターハザード>も発動させれば、次ターンには<ジュラック・ギガノト>の攻撃力を上回ることが出来る――その策を見破られた。
 やはり、一筋縄ではいかない相手だ。ティトは気持ちを引き締め直す。
「魔法カード<テールスイング>を使うわ。<ジュラック・ギガノト>を指定することによって、相手フィールド上に存在するレベル7未満のモンスターを2体まで選択し、持ち主の手札に戻すことが出来る。私が選ぶのは、当然<ドゥローレン>と<氷結界の守護陣>」

<テールスイング>
通常魔法
自分フィールド上に表側表示で存在する 
レベル5以上の恐竜族モンスター1体を選択して発動する。 
相手フィールド上に存在する裏側表示モンスター 
または選択した恐竜族モンスターのレベル未満のモンスターを 
合計2体まで選択し、持ち主の手札に戻す。 

 <ジュラック・ギガノト>が尻尾を振るうと、ティトのフィールドに強風が巻き起こる。
「……!」
 思わず目を細めるティト。その風に煽られ、<氷結界の虎王ドゥローレン>と<氷結界の守護陣>の体が宙に舞い上がる。
 <氷結界の守護陣>は手札に、<氷結界の虎王ドゥローレン>はエクストラデッキへとそれぞれ戻ってくる。
「カードを1枚セットして、ターンエンドよ」
 氷の場を炎で焼きつくすための準備を整え、竜美のターンが終了する。

【ティトLP2300】 手札4枚
場:リミット・リバース(使用済み)
【竜美LP3200】 手札3枚
場:ジュラック・ヴェロー(攻撃)、ジュラック・ギガノト(攻撃)、伏せ1枚

 ――<氷結界の虎王ドゥローレン>では、流れを引き寄せることが出来なかった。
 なら、ティトが最も信頼する氷の龍に頼るしかない。
「わたしのターン。ドロー」
 その願いに、再度デッキが応える。
「わたしはもう一度<ウォーターハザード>を発動。効果によって<氷結界の守護陣>を特殊召喚する」
 前のターンの光景を繰り返し、<氷結界の守護陣>が短く鳴く。
「――いいわ。来なさい」
 戦術自体は繰り返しでも、竜美はティトが纏う空気が変わったことに気付いたようだ。<ジュラック・ギガノト>が、ガチガチと鋭い牙を噛みあわせる。
「<氷結界の武士>を通常召喚」
 水色の鎧に身を包んだ武士が、氷で出来た刃を振るう。

<氷結界の武士>
効果モンスター
星4/水属性/戦士族/攻1800/守1500
フィールド上に表側攻撃表示で存在するこのカードが表側守備表示になった時、
このカードを破壊し、自分のデッキからカードを1枚ドローする。

「<氷結界の武士>に<氷結界の守護陣>をチューニング」
 猛る恐竜たちを鎮めるかのように大気が震える。
 ティトの背後に無数の氷塊が生まれ、氷山を形成する。
「全てを貫く絶氷の槍……シンクロ召喚
 氷山の一角が紅く輝き、砕け散る。
 ――お願い。
「輝け、<氷結界の龍グングニール>」
 少女の願いを乗せ、氷の龍はその存在を顕現させた。

<氷結界の龍グングニール>
シンクロ・効果モンスター
星7/水属性/ドラゴン族/攻2500/守1700
チューナー+チューナー以外の水属性モンスター1体以上
手札を2枚まで墓地へ捨て、捨てた数だけ相手フィールド上に存在する
カードを選択して発動する。選択したカードを破壊する。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。