遊戯王オリジナルstage 【ep-04】
■変則タッグデュエルルール □フィールド・墓地はシングル戦と同じく個別だが、以下の事項は行うことができる。 ・自チームのモンスターをリリース、シンクロ素材にすること。 ・「自分フィールド上の~」という記述のあるカード効果を、自チームのモンスターを対象に発動すること。 ・自チームの伏せカードは、通常魔法・通常罠に限り、伏せたプレイヤー以外のプレイヤーでも発動可能。 ・自チームのプレイヤーへの直接攻撃を、自分のモンスターでかばうこと。 □全てのプレイヤーが最初のターンを終えるまで、攻撃を行うことはできない。 □ターンは、砂神→輝王→砂神→治輝→砂神→創志……の順で処理する。 □ライフは個別制で、0になったプレイヤーは脱落し、フィールド上に残っていたカードは消滅する。基本ライフは4000。砂神は8000。 □バーンダメージは1人を対象として通常通り処理する。
「ルールは理解したか? 最も、理解できていなくても同じ説明を二度する気はないがな」
「大丈夫か? 皆本創志」
「何で俺だけ確認すんだよ!」
創志が憤慨するが、何もこれは創志をバカにしたわけではなく、輝王の知る限りでは彼に変則タッグデュエルの経験がなかったからだ。輝王は、以前に友永切とタッグを組み、勝利を収めたことがある。
輝王は知らなかったが、治輝にも同様の経験がある。つい先ほど、神楽屋輝彦とタッグを組んだデュエルで勝利したばかりだ。
(……厄介なのは、今回は3対1だということだな)
ライフが個別性ということもあり、ライフ総数で上回り、3人で戦える輝王たちが有利なように見えるが、そうではない。
輝王、治輝、創志がそれぞれ1ターンを終えた段階で、砂神は3ターン分の行動を終えていることになる。腕の立つデュエリストにとって、3ターンの猶予はとても大きい。デッキの回り方によっては、1人くらいは楽に葬れるだろう。
攻撃可能になった最初のターン。そこを凌げなければ、この変則タッグデュエルで勝つことは難しい。
(気になるのは、時枝のデッキか)
創志のデッキは、輝王の記憶のままならば<ジェネクス>のはずだ。輝王のデッキである<AOJ>と同じ、機械族を主体としたデッキであり、かなりのシナジーが見込める。治輝のデッキも機械族であれば、速度的な劣勢を幾分か覆せるかもしれないが――
輝王がこれからのデュエルに思考を巡らせていると、突然足元の地面が揺れ始めた。
「地震……!?」
治輝が訝しげな声を上げる。最初は微弱だった揺れが徐々に強くなっていき、いつしか立っているほどが困難なほどの強い揺れが、輝王たちを襲った。
「これは――!?」
ただ揺れているわけではない。見れば、砂神の足元がせり上がっていく。
その光景は、まるで砂神が夜空――天上に存在する「神の世界」から引き寄せられているようだった。
揺れが激しくなるにつれて、砂神の足元から姿を現していくものがある。
それは、古代エジプトで王の墓として建てられた建造物だ。
ピラミッド――
エジプトに現存するそれと比べると小さいが、確かにそれは古代の王が眠るために建てられたものと同じだ。その頂点に在る足場に、砂神は悠然と立っている。
ピラミッドが完全に上昇を終えると、揺れが収まる。体勢を整えた輝王は、砂神に鋭い視線を向けた。
「ハハハ、いい景色だな。これが、俺様と貴様らの格の違いだ」
支配者ゆえの傲慢を顔面に貼り付けた砂神は、腹の底から笑い声を上げる。
「……つくづくムカつく野郎だぜ」
「同感だな。さっさとあいつを有頂天から引きずり降ろそう」
創志と治輝が小声で囁き合う。2人とも、砂神の殺気に気圧されていることはなさそうだ。
「――では、俺様の先攻から始めさせてもらうぞ!!」
砂神がカードをドローしたことを合図に、戦いの火蓋は切って落とされた。
「大丈夫か? 皆本創志」
「何で俺だけ確認すんだよ!」
創志が憤慨するが、何もこれは創志をバカにしたわけではなく、輝王の知る限りでは彼に変則タッグデュエルの経験がなかったからだ。輝王は、以前に友永切とタッグを組み、勝利を収めたことがある。
輝王は知らなかったが、治輝にも同様の経験がある。つい先ほど、神楽屋輝彦とタッグを組んだデュエルで勝利したばかりだ。
(……厄介なのは、今回は3対1だということだな)
ライフが個別性ということもあり、ライフ総数で上回り、3人で戦える輝王たちが有利なように見えるが、そうではない。
輝王、治輝、創志がそれぞれ1ターンを終えた段階で、砂神は3ターン分の行動を終えていることになる。腕の立つデュエリストにとって、3ターンの猶予はとても大きい。デッキの回り方によっては、1人くらいは楽に葬れるだろう。
攻撃可能になった最初のターン。そこを凌げなければ、この変則タッグデュエルで勝つことは難しい。
(気になるのは、時枝のデッキか)
創志のデッキは、輝王の記憶のままならば<ジェネクス>のはずだ。輝王のデッキである<AOJ>と同じ、機械族を主体としたデッキであり、かなりのシナジーが見込める。治輝のデッキも機械族であれば、速度的な劣勢を幾分か覆せるかもしれないが――
輝王がこれからのデュエルに思考を巡らせていると、突然足元の地面が揺れ始めた。
「地震……!?」
治輝が訝しげな声を上げる。最初は微弱だった揺れが徐々に強くなっていき、いつしか立っているほどが困難なほどの強い揺れが、輝王たちを襲った。
「これは――!?」
ただ揺れているわけではない。見れば、砂神の足元がせり上がっていく。
その光景は、まるで砂神が夜空――天上に存在する「神の世界」から引き寄せられているようだった。
揺れが激しくなるにつれて、砂神の足元から姿を現していくものがある。
それは、古代エジプトで王の墓として建てられた建造物だ。
ピラミッド――
エジプトに現存するそれと比べると小さいが、確かにそれは古代の王が眠るために建てられたものと同じだ。その頂点に在る足場に、砂神は悠然と立っている。
ピラミッドが完全に上昇を終えると、揺れが収まる。体勢を整えた輝王は、砂神に鋭い視線を向けた。
「ハハハ、いい景色だな。これが、俺様と貴様らの格の違いだ」
支配者ゆえの傲慢を顔面に貼り付けた砂神は、腹の底から笑い声を上げる。
「……つくづくムカつく野郎だぜ」
「同感だな。さっさとあいつを有頂天から引きずり降ろそう」
創志と治輝が小声で囁き合う。2人とも、砂神の殺気に気圧されていることはなさそうだ。
「――では、俺様の先攻から始めさせてもらうぞ!!」
砂神がカードをドローしたことを合図に、戦いの火蓋は切って落とされた。