遊戯王 New stage 番外編 氷点下の結び目-6
「――貴女に教えて差し上げます。これが、<銀幕の鏡壁>の使い方ですわ」
ガキキキキキ! と甲高い金属音が連続する。
<氷帝メビウス>の前に出現した鏡の壁――<銀幕の鏡壁>が、放たれた氷の剣をことごとく弾き返したのだ。
ガキキキキキ! と甲高い金属音が連続する。
<氷帝メビウス>の前に出現した鏡の壁――<銀幕の鏡壁>が、放たれた氷の剣をことごとく弾き返したのだ。
<銀幕の鏡壁> 永続罠 相手の攻撃モンスターの攻撃力は半分になる。 この効果はこのカードがフィールド上に存在する限り適用される。 このカードのコントローラーは自分のスタンバイフェイズ毎に2000ライフポイントを払う。 または、2000ライフポイント払わずにこのカードを破壊する。
「<グルナード>!?」
ティトが異変に気付く。見れば、攻撃を行ったはずの<氷結界の虎将グルナード>が、口の端から血を流し、片膝を付いていた。
「……<銀幕の鏡壁>は、攻撃を行ったモンスターの攻撃力を半分にする」
「その通りですわ。<グルナード>の攻撃力は半減し、1400。<メビウス>には届きませんわね。返り討ちになさい!」
鏡の壁に守られた<氷帝メビウス>が、再び氷柱を作り出し、殴り飛ばしてくる。
自らの攻撃を反射され傷を負った氷の将に、それを避ける術はない。
「アイス・ランス」が<氷結界の虎将グルナード>を貫き、串刺しになった氷の将は戦場から脱落する。
ティトが異変に気付く。見れば、攻撃を行ったはずの<氷結界の虎将グルナード>が、口の端から血を流し、片膝を付いていた。
「……<銀幕の鏡壁>は、攻撃を行ったモンスターの攻撃力を半分にする」
「その通りですわ。<グルナード>の攻撃力は半減し、1400。<メビウス>には届きませんわね。返り討ちになさい!」
鏡の壁に守られた<氷帝メビウス>が、再び氷柱を作り出し、殴り飛ばしてくる。
自らの攻撃を反射され傷を負った氷の将に、それを避ける術はない。
「アイス・ランス」が<氷結界の虎将グルナード>を貫き、串刺しになった氷の将は戦場から脱落する。
【ティトLP1500→500】
先のターン、ティトが伏せた<銀幕の鏡壁>は<氷帝メビウス>によって破壊されてしまった。
ティトの操る「氷」とビビアンの操る「氷」――その差が歴然と表れている。
「……わたしはカードを1枚セットして、ターンエンド」
これで、ティトに残された手札は1枚。
逆転は絶望的だった。
ティトの操る「氷」とビビアンの操る「氷」――その差が歴然と表れている。
「……わたしはカードを1枚セットして、ターンエンド」
これで、ティトに残された手札は1枚。
逆転は絶望的だった。
「私のターン。<銀幕の鏡壁>は維持せずに破壊しますわ」
ライフコストを支払わなかったことで、鏡の壁が砕け散る。
「……正直なことを言わせてもらえば、私、少しは期待していましたの。私と同じく氷を象徴としたカードを使うデュエリストがいると聞いて、その実力はどれほどのものなのだろうかと」
鏡の破片が舞い散る中で、ビビアンは失望を顕わにする。
「けれど、貴女にはがっかりですわ。私にかすり傷すら負わせることができず、無様に敗北するのですから。貴女にそのデッキを使う資格はなくてよ、ティト・ハウンツ。氷が汚れますわ」
ビビアンは、容赦なく侮蔑の言葉を口にする。
だが。
「――まだ」
ティトは、ちっとも堪えていなかった。
何故なら、こんな絶望的な状況を何度も引っ繰り返したデュエリストを知っているから。
その人と共に歩くと決めたから。
「まだ、デュエルは終わってない。わたしは、負けてない」
だから、ティトは諦めない。
「――いいでしょう! なら、終わりにしてさしあげますわ! 私は<コールド・エンチャンター>を召喚!」
純白の法衣をなびかせ、雪の結晶をモチーフとした杖を握りしめた魔法使いが、ビビアンのフィールドに現れる。
ライフコストを支払わなかったことで、鏡の壁が砕け散る。
「……正直なことを言わせてもらえば、私、少しは期待していましたの。私と同じく氷を象徴としたカードを使うデュエリストがいると聞いて、その実力はどれほどのものなのだろうかと」
鏡の破片が舞い散る中で、ビビアンは失望を顕わにする。
「けれど、貴女にはがっかりですわ。私にかすり傷すら負わせることができず、無様に敗北するのですから。貴女にそのデッキを使う資格はなくてよ、ティト・ハウンツ。氷が汚れますわ」
ビビアンは、容赦なく侮蔑の言葉を口にする。
だが。
「――まだ」
ティトは、ちっとも堪えていなかった。
何故なら、こんな絶望的な状況を何度も引っ繰り返したデュエリストを知っているから。
その人と共に歩くと決めたから。
「まだ、デュエルは終わってない。わたしは、負けてない」
だから、ティトは諦めない。
「――いいでしょう! なら、終わりにしてさしあげますわ! 私は<コールド・エンチャンター>を召喚!」
純白の法衣をなびかせ、雪の結晶をモチーフとした杖を握りしめた魔法使いが、ビビアンのフィールドに現れる。
<コールド・エンチャンター> 効果モンスター 星4/水属性/水族/攻1600/守1200 手札を1枚捨てる事で、フィールド上に表側表示で存在する モンスター1体にアイスカウンターを1つ置く。 このカードの攻撃力は、フィールド上に存在するアイスカウンターの数 ×300ポイントアップする。
「最早効果を使うまでもありませんわ! バトルフェイズ――」
「させない。罠カード<魂の氷結>を発動。バトルフェイズをスキップする」
攻撃態勢に入ろうとしていた2体のモンスターが、突如その動作を停止する。まるで、糸の切れた操り人形のように、不自然な止まり方だった。
「させない。罠カード<魂の氷結>を発動。バトルフェイズをスキップする」
攻撃態勢に入ろうとしていた2体のモンスターが、突如その動作を停止する。まるで、糸の切れた操り人形のように、不自然な止まり方だった。
<魂の氷結> 通常罠 自分のライフポイントが相手のライフポイントより 2000以上少ない時に発動する事ができる。 相手の次のバトルフェイズをスキップする。
「<魂の氷結>は相手よりもライフが2000以上少ないことが発動条件……この場面ではうってつけのカードですわね。まさかそんなカードを伏せているとは、読みきれませんでしたわ」
「だから言った。まだ終わりじゃないって」
「けれど、<魂の氷結>は貴女の敗北を先延ばしにしたに過ぎませんわ。私はこのままターンエンドです」
何とかビビアンの攻撃をかわすことができ、ティトは安堵のため息を吐く。
しかし、依然として状況は不利なままだ。
次のドローカード。それに全てがかかっている。
「だから言った。まだ終わりじゃないって」
「けれど、<魂の氷結>は貴女の敗北を先延ばしにしたに過ぎませんわ。私はこのままターンエンドです」
何とかビビアンの攻撃をかわすことができ、ティトは安堵のため息を吐く。
しかし、依然として状況は不利なままだ。
次のドローカード。それに全てがかかっている。