にわかオタクの雑記帳

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仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL感想 オタクの欲望を掻き立てる至高のファンムービー!

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6大ライダー、集結。

 

予告を見た時点でもう涙が溢れた平成ジェネレーションズFINAL。
公開日まで待ちきれず、何度も予告を見返してはうるっとしていた毎日を経て、
今日、ようやく劇場に足を運びました。

公開からは日が経っていたので「面白かった」という声はちょこちょこ入っていたのですが、なればこそ自分の目で確かめなければと。
前年の冬映画である平成ジェネレーションズがとても面白かったのもあり、
まさに期待値MAXの状態で鑑賞しました。


先に感想を述べると、間違いなく面白かったし、満足したのですが、
隙のなさ過ぎる完成度のせいで、逆に物足りなさを感じるという、
奇妙な現象が起きました。
個人的に例えるなら、そう、ガンダムビルドファイターズを見終わった時のような……


その物足りなさを語るべく、ネタバレ込みで書いていきます
まだ未見の方は、時間を作って映画館に行ってください。
特にオーズファン。

 

 

 

 

 

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俺は仮面ライダーオタクを名乗れるほど知識も熱量もありませんが、
平成二期作品を中心に、ある程度の本数の映画は見てきました。
本作は、その中でも群を抜いて設定・シナリオの完成度が高かったと思います。

設定や演出にいちいちツッコミを入れていたらキリがなく、
「これはそういうもの」「気合いで何とかしてる」と解釈する場面が、
(作品によるものの)多い印象だった仮面ライダー
個人的には珠玉の出来だと思っている、前作平成ジェネレーションズでさえ、
ドライブはともかく、ウィザードや鎧武の参戦は特別な理由はなかったし、
レジェンド集結したほうが盛り上がるし、事実滾ったから深く考えることはしませんでした。

 

ところが、FINALは違いましたね。

 

スカイウォールによって日本が分断されている設定で、他世界と地続きとは思えなかったビルドとエグゼイドのクロスは、予想したとおり平行世界ということでクリア。
敵の黒幕が平行世界同士の衝突による世界の破滅なので、自然にライダー達が共闘できる。
また、東都政府を離れた黒幕に資金提供を行っていたのが、過去の映画で登場した財団Xであり、それを追っていたオーズこと火野映司が駆けつけることができた。
財団Xが絡んでいると連絡を受けたフォーゼこと如月弦太郎は、
黒幕が作った平行世界移動装置「エニグマ」が自身の母校に隠されていることを知り、
友達と生徒たちを守るために帰国する。
神となった鎧武こと葛葉紘汰は、その力を使ってビルド側の世界に降り立つ。
以前、永夢に命を救われたゴーストこと天空寺タケルは、その恩を返すために命を燃やす――


他作品との整合性を取りつつ、ツッコミに対して明確な回答を返せるほど緻密な構成。
それでいて見たいものを提供してくれるファンサービスっぷり。
約2時間のあいだにこれだけの要素を詰め込めるのかと、舌を巻くしかありませんでした。
いやはや、拝みたいくらい感謝の念が尽きない……


何より、それぞれの覚悟や信念を持ちながら戦う先輩ライダーの姿が、
ライダーとして戦うことに迷いを抱く万丈への「答え」になっているのが最高でした。
見ず知らずの誰かの命を守るために、ボロボロになっても戦い続ける。
数々の激闘をくぐり抜けた来た彼らの背中が語る答えは、
それを見続けた来たファンにとっては、もう涙無しには見られないものでした。
この舞台に帰ってきてくれてありがとう……

 

 

 

 

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前作よりも「レジェンド色」が濃いFINALでしたが、やはり特筆すべきはオーズでしょうか。
誰もが待ち望んだいつかの未来。
それがこんなにも劇的な形で映像化される日が来ようとは……当時は思いもしませんでした。
相変わらずな2人のやりとりが、もうご褒美過ぎて……


ただ、この辺が前述した「物足りなさ」に繋がっているというか。


あまりにも劇的過ぎたから。あまりにも理想的だったから。
この展開に繋がるまでの過程をもっと見たい、と思ってしまったんです。
本筋の話を進め、緻密に組み立てられた設定を説明し、豪華すぎる客演それぞれに見せ場を与え、かつ最後はきっちり締める――
これだけの物量を詰め込むなら、それぞれのエピソードを深く掘り下げる時間がないことは分かっているんです。
あくまでもこれはエグゼイドとビルドの映画であり、レジェンドたちは言い方は悪いですが脇役に過ぎない。
ただでさえ前作よりも尺を割いているのに、主役を食うほどの活躍を望んではいけない。
映画を見に来ているチビッコたちは、エグゼイドとビルドしか知らない子がほとんどだろうし……

 

理屈では分かっていても、本能が納得しないんですよ!!!!

 

偽のグリードと戦う映司の葛藤がもっと見たかった。
復活したアンクと映司の掛け合いがもっと見たかった。
アンクのサポートを受けながらメダル交換しつつ戦うオーズがもっと見たかった!!
その欲望が膨らみ過ぎたからこそ、最終話のタジャドル再現はちょっと冷めちゃったんですよね。
「あれ」は最終話のあの場面だったからこそのセリフと演出だったと思っているので。
映画でやるには、積み重ねが足りなすぎるかなぁと。

オーズばっかり語っていますが、(新米)先生になった弦ちゃんのドラマパートはもっと見たかったし、鎧武もほとんど来ただけになっているので、戦う中でちょっとした回想でもいいから欲しかった。
タケル君は前年で滅茶苦茶フォローしてもらってるので、あれくらいでいいかなと思ったけど……

しかし、これはあくまでオタクの過ぎた欲望
理想のさらにその先を願ってしまった、夢物語なのです……
……ディレクターズカット版とかでシーン追加されてないかなぁ。

 

 

 

 

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話を映画の感想に戻しますと。

 

前述した通り、万丈はこの作品における実質的な主人公でしたし、
戦兎の「正義の味方として戦う覚悟」はすでに完成されていて、
ビルドチームは1クール分しか放送していないとは思えないほどの仕上がりっぷりでした。
本編にもがっつり絡んでいたようなので、何とか今年中に見られてよかったよかった。
戻した途端にまた逸れますが、記憶喪失だった戦兎が「正義の味方」として完成するまでの、ビルドzero的なエピソードが必要なんじゃないかとずっと思ってるんですよね。
万丈に対してはかなり上から目線で説教しているので。
今後の展開で明かされるのか、小説等の他媒体でのフォローになるのか……
いずれにしても、どこかで語ってほしい気がします。

 

エグゼイドチームはシナリオの展開上仕方が無かったとはいえ、ちょっと割を食ってしまったイメージです。
ただ、迷う万丈に対して一番明確な答えを出したのは変身できなかった永夢だろうし、
パラドがいなければそもそも平行世界の存在を認知できたかどうか怪しい。
冬映画で採取されたエグゼイドの成分や、本編に登場したビルドガシャット等、
細かいところまで拾い上げていたのは、やはりエグゼイド脚本だなぁと。
ドクターたちが生身で頑張っているところとかは、もうちょい尺欲しかったと思ったり。
ポッピーはともかく、まさかパラドクスに出番がないとは思わなかったよ……

 

 

 

 

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ともあれ、レジェンド勢も含めて「帰るべき場所」にスポットを当ててまとめたのは素晴らしかったです。
エグゼイドチームやゴースト組が穏やかな日常に帰って行く中、
いつかの未来ではなかったオーズ組の寂しさがまた際だってな……

 

総括すると、要素の噛み合い方が素晴らしすぎたがゆえに、
個々の要素に「もっと深みを」という欲望が発生してしまった、希有な映画でした。
もちろん今回も円盤は買おうと思います。半年後かな……遠いなぁ……

 

 

 

エンディング後の特報はアマゾンズの映画でしたが、
冬映画の共演路線は今後も続けて欲しいので、来年の今頃は期待に胸を膨らませているといいな!