遊戯王 New stage サイドS 10-4
「俺のターン――ドロー!」
いつまでもデッキに振り回されているわけにはいかない。効果を有効に活用しなければ、信二には勝てない。
「俺は<A・ジェネクス・バグラット>を召喚! <バグラット>の効果で、墓地のレベル3以下の<ジェネクス>……<A・ジェネクス・チェンジャー>を守備表示で特殊召喚するぜ!」
ジャンクを繋ぎ合わせてできたようなネズミが召喚円から飛び出し、ちょこまかと走り回る。その動きが信号となり、墓地から<A・ジェネクス・チェンジャー>が蘇った。
いつまでもデッキに振り回されているわけにはいかない。効果を有効に活用しなければ、信二には勝てない。
「俺は<A・ジェネクス・バグラット>を召喚! <バグラット>の効果で、墓地のレベル3以下の<ジェネクス>……<A・ジェネクス・チェンジャー>を守備表示で特殊召喚するぜ!」
ジャンクを繋ぎ合わせてできたようなネズミが召喚円から飛び出し、ちょこまかと走り回る。その動きが信号となり、墓地から<A・ジェネクス・チェンジャー>が蘇った。
<A・ジェネクス・バグラット> チューナー(効果モンスター)(オリジナルカード) 星2/闇属性/機械族/攻500/守500 このカードが召喚に成功した時、 自分の墓地に存在するレベル3以下の「ジェネクス」と名のついたモンスター1体を 守備表示で特殊召喚することができる。 この効果で特殊召喚したモンスターはリリースすることはできず、 シンクロ素材とすることはできない。
<A・ジェネクス・チェンジャー> 効果モンスター 星3/闇属性/機械族/攻1200/守1800 フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、 属性を1つ宣言して発動する。 このターンのエンドフェイズ時まで、 選択したモンスターの属性は宣言した属性になる。 この効果は1ターンに1度しか使用できない。
「なるほど。僕の<手札断殺>でそんなモンスターを墓地に送っていたとはね」
初手の時点で<手札断殺>を食らったときは戸惑ったが、それが功を奏した。
<A・ジェネクス・バグラット>はチューナーモンスターだが、今回はシンクロ召喚が目的ではない。
「<チェンジャー>の効果発動! フィールドで表側表示で存在するモンスター……<バグラット>の属性を炎に変更する!」
「炎属性……? ――ッ!? まさか!」
創志の狙いに気付いた様子の信二が、両目を見開く。
「そして<ボルキャノン>の効果を使うぜ! こいつは自分フィールド上で表側表示で存在する<ジェネクス>と名のついた炎属性モンスターを1体墓地に送ることで、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を破壊できる! さらに、破壊したモンスターのレベル×400ポイントのダメージを与えるぜ!」
せわしなく動き回っていたネズミが、<A・ジェネクス・チェンジャー>の放った光線を浴び、体を丸める。そのままごろごろ転がり勢いをつけてから、<A・ジェネクス・ボルキャノン>の背負うタンク型の炉にポーンと飛びこんで行った。
炉の中の炎が激しく燃え盛り、朱色の機械兵が狙いを定める。
「破壊するのは<インヴェルズ・ギラファ>だ! 行くぜ……ヴォルケイノ・ストリーム!」
肩口の噴射口から飛び出たマグマのような液体が、黒い甲殻を焼く。
「ギイイイイイ!」という耳障りな悲鳴を上げ、<インヴェルズ・ギラファ>が砕け散った。
それでも<A・ジェネクス・ボルキャノン>は噴射をやめず、目標を失ったマグマはそのまま信二へと向かう。
<インヴェルズ・ギラファ>のレベルは7。発生する効果ダメージは2800ポイントだ。
「――ッ!」
一瞬。
ほんの一瞬だけ、信二は脅えた表情を見せた。
放たれたマグマが、少年の華奢な体にぶつかる。
初手の時点で<手札断殺>を食らったときは戸惑ったが、それが功を奏した。
<A・ジェネクス・バグラット>はチューナーモンスターだが、今回はシンクロ召喚が目的ではない。
「<チェンジャー>の効果発動! フィールドで表側表示で存在するモンスター……<バグラット>の属性を炎に変更する!」
「炎属性……? ――ッ!? まさか!」
創志の狙いに気付いた様子の信二が、両目を見開く。
「そして<ボルキャノン>の効果を使うぜ! こいつは自分フィールド上で表側表示で存在する<ジェネクス>と名のついた炎属性モンスターを1体墓地に送ることで、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を破壊できる! さらに、破壊したモンスターのレベル×400ポイントのダメージを与えるぜ!」
せわしなく動き回っていたネズミが、<A・ジェネクス・チェンジャー>の放った光線を浴び、体を丸める。そのままごろごろ転がり勢いをつけてから、<A・ジェネクス・ボルキャノン>の背負うタンク型の炉にポーンと飛びこんで行った。
炉の中の炎が激しく燃え盛り、朱色の機械兵が狙いを定める。
「破壊するのは<インヴェルズ・ギラファ>だ! 行くぜ……ヴォルケイノ・ストリーム!」
肩口の噴射口から飛び出たマグマのような液体が、黒い甲殻を焼く。
「ギイイイイイ!」という耳障りな悲鳴を上げ、<インヴェルズ・ギラファ>が砕け散った。
それでも<A・ジェネクス・ボルキャノン>は噴射をやめず、目標を失ったマグマはそのまま信二へと向かう。
<インヴェルズ・ギラファ>のレベルは7。発生する効果ダメージは2800ポイントだ。
「――ッ!」
一瞬。
ほんの一瞬だけ、信二は脅えた表情を見せた。
放たれたマグマが、少年の華奢な体にぶつかる。
【信二LP5000→2200】
「……情けのつもり? 兄さんがサイコデュエリストの力を手に入れたのは分かってるんだ。どうして攻撃を実体化させない?」
来るべき痛みが来なかったことにプライドが傷ついたらしく、信二は不愉快気に顔を歪める。
「バカ言うな。お前と違って、俺の力は限度があんだよ。こんなとこで使ってられないだけだ」
限界が近いのは本当のことだ。最も、攻撃を実体化させる気などさらさらなかったが。
「――そういうところがむかつくんだよ。下手な嘘吐いてさ」
という創志の真意はお見通しのようで、信二がはっきりと聞こえるように悪態を吐く。
「……バトルだ。<ボルキャノン>で<ヴァイロン・オーム>を攻撃! ファイア・スプラッシュ!」
今度はマグマではなく高音の炎が発射され、<ヴァイロン・オーム>を容赦なく炙る。
白い体表にヒビが入り、そのまま<ヴァイロン・オーム>も戦場から脱落した。
来るべき痛みが来なかったことにプライドが傷ついたらしく、信二は不愉快気に顔を歪める。
「バカ言うな。お前と違って、俺の力は限度があんだよ。こんなとこで使ってられないだけだ」
限界が近いのは本当のことだ。最も、攻撃を実体化させる気などさらさらなかったが。
「――そういうところがむかつくんだよ。下手な嘘吐いてさ」
という創志の真意はお見通しのようで、信二がはっきりと聞こえるように悪態を吐く。
「……バトルだ。<ボルキャノン>で<ヴァイロン・オーム>を攻撃! ファイア・スプラッシュ!」
今度はマグマではなく高音の炎が発射され、<ヴァイロン・オーム>を容赦なく炙る。
白い体表にヒビが入り、そのまま<ヴァイロン・オーム>も戦場から脱落した。
【信二LP2200→1800】
これで、失ったライフアドバンテージを大分取り戻した。
「カードを1枚セットして、ターンを終わるぜ」
<インヴェルズの門番>を残してしまったのは気がかりだが、<A・ジェネクス・ボルキャノン>では倒せないのだから仕方ない。
それに、信二が統べるモンスターは<インヴェルズ>だけではないのだ。
「やってくれたね……この借りは高くつくよ」
信二が兄の言葉を真似たのは、果たして意識していたのか否か。
「カードを1枚セットして、ターンを終わるぜ」
<インヴェルズの門番>を残してしまったのは気がかりだが、<A・ジェネクス・ボルキャノン>では倒せないのだから仕方ない。
それに、信二が統べるモンスターは<インヴェルズ>だけではないのだ。
「やってくれたね……この借りは高くつくよ」
信二が兄の言葉を真似たのは、果たして意識していたのか否か。