遊戯王 New stage サイドS 5-3
――こいつは、強い。
決して侮っていたわけではないが、創志は輝王正義というデュエリストの強さを改めて実感していた。
ティトのような、相手を寄せ付けない強さとは違う。
セラのような、相手を畏怖させる強さとも違う。
どんな相手にも、どんな戦術にも揺るがない強さ。
短い攻防の間で、創志はそう感じ取っていた。
「俺のターン。ドロー」
引いたカードは<ジェネクス・ウンディーネ>。
それを手札に加えたのち、創志は1枚のカードに指をかける。
……このモンスターなら、<AOJリーサル・ウェポン>を倒せる。
そのまま召喚しようとしたところで、創志の脳裏にある言葉が蘇った。
創志にデュエルを教えてくれた師匠ともいえる存在で、彼が「先生」と慕う光坂慎一の言葉だ。
決して侮っていたわけではないが、創志は輝王正義というデュエリストの強さを改めて実感していた。
ティトのような、相手を寄せ付けない強さとは違う。
セラのような、相手を畏怖させる強さとも違う。
どんな相手にも、どんな戦術にも揺るがない強さ。
短い攻防の間で、創志はそう感じ取っていた。
「俺のターン。ドロー」
引いたカードは<ジェネクス・ウンディーネ>。
それを手札に加えたのち、創志は1枚のカードに指をかける。
……このモンスターなら、<AOJリーサル・ウェポン>を倒せる。
そのまま召喚しようとしたところで、創志の脳裏にある言葉が蘇った。
創志にデュエルを教えてくれた師匠ともいえる存在で、彼が「先生」と慕う光坂慎一の言葉だ。
「急いちゃダメだよ、創志。先を見据えるんだ」
<AOJリーサル・ウェポン>を倒すことで、この場は切り抜けられるかもしれない。
しかし、その後は?
輝王が次に繰り出してくるモンスターの攻撃を、迎え撃つことはできるだろうか?
(俺は――)
創志のデッキの中核とも言える<ジェネクス・コントローラー>。
まだそのカードは山札の中に眠ったままだ。
そして、手札にはその眠りを覚ますカードがある。<ジェネクス・ウンディーネ>だ。
だが、このカードの効果を使えば、<AOJリーサル・ウェポン>の前に攻撃力の低い<ジェネクス・ウンディーネ>を晒すことになる。輝王が後続のモンスターを召喚しようものなら、そこで決着がつく可能性もある。
「大丈夫だよ、そうし」
今まで黙って戦いを見守っていた銀色の少女が、清らかな声を発する。
「そうしのデッキは、必ず応えてくれる。わたしは、信じてる」
創志を安心させるために、笑顔らしき表情をぎこちなく浮かべるティトを見て、
「――俺も信じるぜ。自分のデッキを」
賭けに打って出た。
「<ジェネクス・ウンディーネ>を召喚し、効果を発動するぜ! デッキから水属性の<ジェネクス・アクア>を墓地に送り、手札に<ジェネクス・コントローラー>を加える!」
しかし、その後は?
輝王が次に繰り出してくるモンスターの攻撃を、迎え撃つことはできるだろうか?
(俺は――)
創志のデッキの中核とも言える<ジェネクス・コントローラー>。
まだそのカードは山札の中に眠ったままだ。
そして、手札にはその眠りを覚ますカードがある。<ジェネクス・ウンディーネ>だ。
だが、このカードの効果を使えば、<AOJリーサル・ウェポン>の前に攻撃力の低い<ジェネクス・ウンディーネ>を晒すことになる。輝王が後続のモンスターを召喚しようものなら、そこで決着がつく可能性もある。
「大丈夫だよ、そうし」
今まで黙って戦いを見守っていた銀色の少女が、清らかな声を発する。
「そうしのデッキは、必ず応えてくれる。わたしは、信じてる」
創志を安心させるために、笑顔らしき表情をぎこちなく浮かべるティトを見て、
「――俺も信じるぜ。自分のデッキを」
賭けに打って出た。
「<ジェネクス・ウンディーネ>を召喚し、効果を発動するぜ! デッキから水属性の<ジェネクス・アクア>を墓地に送り、手札に<ジェネクス・コントローラー>を加える!」
<ジェネクス・ウンディーネ> 効果モンスター 星3/水属性/水族/攻1200/守 600 このカードが召喚に成功した時、 自分のデッキに存在する水属性モンスター1体を墓地に送る事で、 自分のデッキから「ジェネクス・コントローラー」1体を手札に加える
創志のフィールドに現れた女性型のロボット<ジェネクス・ウンディーネ>の効果によって、手札に機械の小人が加わる。
このターンで出来ることはここまでだ。あとは相手の動きと、次のドローに賭けるしかない。
「……ターンエンドだ」
このターンで出来ることはここまでだ。あとは相手の動きと、次のドローに賭けるしかない。
「……ターンエンドだ」
「――ドロー」
幾分かの間を置き、輝王がデッキからカードを引く。
無意識のうちに創志の拳に力がこもる。果たして、モンスターを召喚してくるか否か――!
ごくり、と息を飲んだ次の瞬間だった。
「……これが通れば、俺の勝ちだな。<AOJリーサル・ウェポン>で<ジェネクス・ウンディーネ>を攻撃する!」
再びドリルが高速回転を始め、兵器の塊が<ジェネクス・ウンディーネ>に迫る。
(けど――!)
一発までなら、耐えられる!
「リバースカードオープン! 罠カード<スクラップ・シールド>!」
創志の前に、がらくたを接ぎ合わせた即席の盾が出現する。
幾分かの間を置き、輝王がデッキからカードを引く。
無意識のうちに創志の拳に力がこもる。果たして、モンスターを召喚してくるか否か――!
ごくり、と息を飲んだ次の瞬間だった。
「……これが通れば、俺の勝ちだな。<AOJリーサル・ウェポン>で<ジェネクス・ウンディーネ>を攻撃する!」
再びドリルが高速回転を始め、兵器の塊が<ジェネクス・ウンディーネ>に迫る。
(けど――!)
一発までなら、耐えられる!
「リバースカードオープン! 罠カード<スクラップ・シールド>!」
創志の前に、がらくたを接ぎ合わせた即席の盾が出現する。
<スクラップ・シールド> 通常罠(オリジナルカード) 自分の墓地に「ジェネクス」と名のついたモンスターが3体以上存在するときに発動できる。 このカードを発動したターン、自分の受ける戦闘ダメージは半分になる。
「このカードは自分の墓地に<ジェネクス>と名のついたモンスターが3体以上いるときに発動でき、戦闘ダメージを半分にする!」
<ジェネクス・ウンディーネ>が<AOJリーサル・ウェポン>のドリルに貫かれ、爆散する。
「ぐうっ……!」
それによって生まれた衝撃波を、ツギハギの盾が防いだ。
<ジェネクス・ウンディーネ>が<AOJリーサル・ウェポン>のドリルに貫かれ、爆散する。
「ぐうっ……!」
それによって生まれた衝撃波を、ツギハギの盾が防いだ。
【創志LP1400→650】
「凌いだか」
まるでこの展開を予想していたかのように、輝王は短く言葉を紡ぐ。
「だが、もう残りライフは少ないぞ。足掻きが終わるのも時間の問題だな……ターンエンドだ」
久しぶりの皮肉と共に、創志にとっての苦境が終了した。
まるでこの展開を予想していたかのように、輝王は短く言葉を紡ぐ。
「だが、もう残りライフは少ないぞ。足掻きが終わるのも時間の問題だな……ターンエンドだ」
久しぶりの皮肉と共に、創志にとっての苦境が終了した。