にわかオタクの雑記帳

にわかオタクがそのときハマっていることを書き殴るブログです 主にアニメ・ゲーム中心

遊戯王オリジナルstage 【ep-08 サイドS】

「俺のターン……ドロー!!」
 気迫を前面に押し出し、創志はカードをドローする。手の平に傷を負わなかったのは幸運だった。自分の血で、カードを汚したくはない。
 引いたカードは、2枚目の<A・ジェネクス・チェンジャー>。
 そして、創志の伏せカードは攻撃力1000以下のモンスターを蘇生させる永続罠<リミット・リバース>。このカードで墓地の<A・ジェネクス・リモート>を特殊召喚すれば、レベル6のシンクロモンスターを呼び出すことが可能だ。
 <地天の騎士ガイアドレイク>の効果を得ている<The tyrant NEPTUNE>は、モンスターの効果では破壊できない。<A・ジェネクス・トライアーム>の効果では破壊できないということだ。そもそも創志は<A・ジェネクス・トライアーム>を1枚しか持っていないため、召喚するには<貪欲な壺>などでデッキに戻さなければならない。
 前回と同じ手は使えない。
 それならば。
(――正面突破。それしかねぇよな!)
 <The tyrant NEPTUNE>の攻撃力4300を超えて、戦闘破壊する。それしか手はない。
 現在、創志の手札には機械族モンスターの切り札といえる<リミッター解除>はない。<リミッター解除>があれば、攻撃力4300を超えることなど容易だ。
(けど、それじゃいつまで経っても成長しねえ)
 今まで、創志は何度も<リミッター解除>に助けられてきた。
 しかし、その1枚に頼りきった戦術を構築するということは、自ら勝利への道筋を狭めていることに他ならない。
 それに、<リミッター解除>は「機械族の切り札」だ。
 創志のデッキは、ただの機械族デッキではない。
 数々の戦いを繰り広げてきた相棒、<ジェネクス>。
 それならば、<ジェネクス>にしかできない勝ち方を目指すべきだ。
 創志は手札の4枚のカードを繰り返し確認する。モンスターカードが2枚に、速攻魔法が2枚……
「――見えた!」
 そして、勝利への道筋が開ける。
「リバースカードを使うぜ! <リミット・リバース>で墓地の<A・ジェネクス・リモート>を特殊召喚!」

<リミット・リバース>
永続罠
自分の墓地から攻撃力1000以下のモンスター1体を選択し、攻撃表示で特殊召喚する。
そのモンスターが守備表示になった時、そのモンスターとこのカードを破壊する。
このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。
そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。

<A・ジェネクス・リモート>
チューナー(効果モンスター)
星3/闇属性/機械族/攻 500/守1800
フィールド上に表側表示で存在するチューナー1体を選択して発動する。
選択したモンスターのカード名は、このターンのエンドフェイズ時まで
「ジェネクス・コントローラー」として扱う。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。

 デッキの格ともいえるチューナーモンスターが、墓地より蘇る。
「手札の<A・ジェネクス・ケミストリ>の効果発動! このカードを手札から捨てることで、フィールド上の<ジェネクス>……<A・ジェネクス・ガードナー>の属性を地属性に変更する! そして、<リモート>と<ガードナー>をチューニングだ!」

<A・ジェネクス・ケミストリ>
チューナー(効果モンスター)
星2/闇属性/機械族/攻 200/守 500
属性を1つ宣言し、このカードを手札から捨てて発動する。
自分フィールド上に表側表示で存在する
「ジェネクス」と名のついたモンスター1体の属性は宣言した属性になる。
この効果は相手ターンでも発動する事ができる。

 <A・ジェネクス・リモート>が3つの光球へと形を変え、<A・ジェネクス・ガードナー>の体の中に入っていく。
「残された結晶が、数多の力を呼び起こす! 集え、3つの魂よ! シンクロ召喚――その力を示せ! <A・ジェネクストライフォース>!!」
 シンクロ召喚のエフェクト光が、陰鬱な空気を切り払う。
 朱色のバイザーに銀色のボディ――<A・ジェネクストライフォース>は、右腕の砲撃ユニットを構える。

<A・ジェネクストライフォース>
シンクロ・効果モンスター
星7/闇属性/機械族/攻2500/守2100
「ジェネクス」と名のついたチューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードがシンクロ素材としたチューナー以外の
モンスターの属性によって、このカードは以下の効果を得る。
●地属性:このカードが攻撃する場合、
相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。
●炎属性:このカードが戦闘によってモンスターを破壊した場合、
そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。
●光属性:1ターンに1度、自分の墓地の
光属性モンスター1体を選択して、自分フィールド上にセットできる。

シンクロ召喚……けど、あのモンスターの攻撃力じゃ<The tyrant NEPTUNE>の足元にも及びませんよ」
「大丈夫です、純也君。創志君はとんでもない秘策を用意しているはずです。そんな気がするんです」
「うむ」
 後ろで切とかづなが頷きあっている。彼女たちの期待を裏切るわけにはいかない。
「<A・ジェネクス・チェンジャー>を通常召喚する。さらに<マシン・デベロッパー>の効果発動だ! このカードを墓地に送ることで、このカードに乗っていたジャンクカウンターの数以下のレベルを持つ機械族モンスター1体を特殊召喚する!」

<マシン・デベロッパー>
永続魔法
フィールド上に表側表示で存在する
機械族モンスターの攻撃力は200ポイントアップする。
フィールド上に存在する機械族モンスターが破壊される度に、
このカードにジャンクカウンターを2つ置く。
このカードを墓地へ送る事で、このカードに乗っている
ジャンクカウンターの数以下のレベルを持つ
機械族モンスター1体を自分の墓地から選択して特殊召喚する。

 先のターン、<A・ジェネクス・トライアーム>が破壊されたことによって、カウンターは2つ乗っている。
「来い! <A・ジェネクス・ケミストリ>!」
 効果で手札から直接墓地に送られた<A・ジェネクス・ケミストリ>が、フィールドに特殊召喚される。属性変更も重要だが、創志の本当の狙いは<マシン・デベロッパー>でレベル2のチューナーモンスターを蘇生させることだった。
「<チェンジャー>に<ケミストリ>をチューニング! 残された結晶が、数多の力を呼び起こす! 機械仕掛けの翼となれ! シンクロ召喚……解き放て! <A・ジェネクス・ストライカー>!」
 シンクロ召喚によって呼び出されたのは、4枚の翼を備えたブースターを後部に装備した戦闘機だ。

<A・ジェネクス・ストライカー>
シンクロ・効果モンスター(オリジナルカード)
星5/闇属性/機械族/攻1600/守1200
「ジェネクス」と名のついたチューナー+チューナー以外の機械族モンスター1体以上
1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に装備カード扱いとして
自分フィールド上の「ジェネクス」と名のついたモンスターに装備、
または装備を解除して表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。
この効果で装備カード扱いになっている場合のみ、
装備モンスターの攻撃力は1500ポイントアップする。

「<ストライカー>の効果発動! このカードは、自分フィールド上の<ジェネクス>に装備することができ、装備したモンスターは攻撃力が1500ポイント上がる!」
 <A・ジェネクス・ストライカー>の戦闘機部分が分離し、ブースターが<A・ジェネクストライフォース>の背部に装備される。
 4枚の翼が展開し、ブースター部分から淡い青色の光が漏れると同時、<A・ジェネクストライフォース>は空を目指して飛翔した。
「……ソレデモ、攻撃力は4000。俺ノ<The tyrant NEPTUNE>には届かナイ」
「本当にそう思ってんなら、そこで呆けてやがれ! バトルフェイズだ!」