遊戯王 New stage サイドM 2-6
「わしのターンじゃ! ドロー!」
引いたカードを見て、切の顔色が見る見るうちに明るくなっていく。
まったく、わかりやすいやつだ。
「いいカードを引いたぞ! わしは魔法カード戦士の生還を発動! 墓地の六武衆の師範を回収じゃ!」
引いたカードを見て、切の顔色が見る見るうちに明るくなっていく。
まったく、わかりやすいやつだ。
「いいカードを引いたぞ! わしは魔法カード戦士の生還を発動! 墓地の六武衆の師範を回収じゃ!」
<戦士の生還> 通常魔法 自分の墓地に存在する戦士族モンスター1体を選択して手札に加える。
<六武衆の師範>は<六武衆>の効果に速効性を持たせるキーカード。厄介なモンスターを回収された。
「わしは六武衆カモンを召喚! 続いて、師範を特殊召喚じゃ!」
再びフィールドに舞い降りる、白髪の老将。
加えて、今度は鎧の上に大量の爆筒を巻き、口にキセルをくわえた侍らしからぬ顔つきの男が隣に立つ。
「わしは六武衆カモンを召喚! 続いて、師範を特殊召喚じゃ!」
再びフィールドに舞い降りる、白髪の老将。
加えて、今度は鎧の上に大量の爆筒を巻き、口にキセルをくわえた侍らしからぬ顔つきの男が隣に立つ。
<六武衆―カモン> 効果モンスター 星3/炎属性/戦士族/攻1500/守1000 自分フィールド上に「六武衆-カモン」以外の 「六武衆」と名のついたモンスターが存在する限り、 1ターンに1度だけ表側表示で存在する魔法または罠カード1枚を破壊する事ができる。 この効果を使用したターンこのモンスターは攻撃宣言をする事ができない。 このカードが破壊される場合、代わりにこのカード以外の 「六武衆」と名のついたモンスターを破壊する事ができる。
「カモンの効果発動! 自分フィールド上にカモン以外の六武衆がいるとき、表側表示の魔法または罠カードを破壊できる!」
くすんだ紅の鎧に身を包んだ侍が、鋭く右手を振るう。
放たれた爆筒が、輝王目がけて一直線に飛んでくる。
「爆破じゃ!」
爆筒が弾ける。
<エレメント・チェンジ>が爆発に巻き込まれ、砕け散る。
「ふふん、わしは見抜いておるぞ! AOJサウザンド・アームズは、光属性以外のモンスターと戦闘を行う場合、自壊してしまうのじゃ!」
つまり、攻撃力がいくら上回っていようと意味がない。
「戦闘じゃ! 六武衆の師範で、サウザンド・アームズを攻撃!」
先ほどのお返しとばかりに、<AOJサウザンド・アームズ>が得物を振るう間もなく、<六武衆の師範>の刃が黒い体を切り裂いた。
「……ッ」
輝王にダメージはないが、これで身を守るモンスターがいなくなってしまった。
「カモンは破壊効果を使った場合、攻撃できんのじゃ。ここで直接攻撃を決められていればわしの勝ちじゃったんだがのう……」
言葉は悔しげだが、余裕たっぷりの視線を向ける。
「……どうかな」
「なんじゃと?」
「――見抜いたのはサウザンド・アームズの効果だけか? ジャスティス・セイバー第2の効果を発動! 装備モンスターが破壊され墓地に送られたとき、デッキから<AOJ>と名のついたレベル4以下のモンスターを特殊召喚できる!」
正義の刃は、次代へと望みをつなぐ。
ここで召喚すべきモンスターは――
「俺はAOJアンリミッターを特殊召喚する」
くすんだ紅の鎧に身を包んだ侍が、鋭く右手を振るう。
放たれた爆筒が、輝王目がけて一直線に飛んでくる。
「爆破じゃ!」
爆筒が弾ける。
<エレメント・チェンジ>が爆発に巻き込まれ、砕け散る。
「ふふん、わしは見抜いておるぞ! AOJサウザンド・アームズは、光属性以外のモンスターと戦闘を行う場合、自壊してしまうのじゃ!」
つまり、攻撃力がいくら上回っていようと意味がない。
「戦闘じゃ! 六武衆の師範で、サウザンド・アームズを攻撃!」
先ほどのお返しとばかりに、<AOJサウザンド・アームズ>が得物を振るう間もなく、<六武衆の師範>の刃が黒い体を切り裂いた。
「……ッ」
輝王にダメージはないが、これで身を守るモンスターがいなくなってしまった。
「カモンは破壊効果を使った場合、攻撃できんのじゃ。ここで直接攻撃を決められていればわしの勝ちじゃったんだがのう……」
言葉は悔しげだが、余裕たっぷりの視線を向ける。
「……どうかな」
「なんじゃと?」
「――見抜いたのはサウザンド・アームズの効果だけか? ジャスティス・セイバー第2の効果を発動! 装備モンスターが破壊され墓地に送られたとき、デッキから<AOJ>と名のついたレベル4以下のモンスターを特殊召喚できる!」
正義の刃は、次代へと望みをつなぐ。
ここで召喚すべきモンスターは――
「俺はAOJアンリミッターを特殊召喚する」
<A・O・J アンリミッター> 効果モンスター 星2/闇属性/機械族/攻 600/守 200 このカードをリリースして発動する。 自分フィールド上に表側表示で存在する「A・O・J」 と名のついたモンスター1体の元々の攻撃力を このターンのエンドフェイズ時まで倍にする。
「ぬ、ぬう。ターンエンドせざるを得ないのう……」
「なら、俺のターンだな」
切の残りライフは3100。
輝王の700と比べるとまだまだ余力があるように見えるが、<AOJアンリミッター>が出てきた以上、その考えは覆される。
切の<六武衆>は何人もの侍が戦線に並び、初めて真価を発揮する、いわば結束の力。
しかし、輝王の<AOJ>は対局。
個々の強力な力を持って、敵を制圧する。
それはまるで、今の輝王の生き方を映しているかのようだった。
「アンリミッターをリリース」
そして、<AOJ>の大型兵器は、シンクロモンスターだけではない。
「――来いッ! AOJクラウソラスをアドバンス召喚!」
冷たい風がフィールド上に吹き荒れる。
その中を、鋼の翼で滑空し、鋭い鉤爪を広げた機械の巨鳥が輝王の背後に降り立つ。
「なら、俺のターンだな」
切の残りライフは3100。
輝王の700と比べるとまだまだ余力があるように見えるが、<AOJアンリミッター>が出てきた以上、その考えは覆される。
切の<六武衆>は何人もの侍が戦線に並び、初めて真価を発揮する、いわば結束の力。
しかし、輝王の<AOJ>は対局。
個々の強力な力を持って、敵を制圧する。
それはまるで、今の輝王の生き方を映しているかのようだった。
「アンリミッターをリリース」
そして、<AOJ>の大型兵器は、シンクロモンスターだけではない。
「――来いッ! AOJクラウソラスをアドバンス召喚!」
冷たい風がフィールド上に吹き荒れる。
その中を、鋼の翼で滑空し、鋭い鉤爪を広げた機械の巨鳥が輝王の背後に降り立つ。
<A・O・J クラウソラス> 通常モンスター 星6/闇属性/機械族/攻2300/守1200 霞の谷に生息するモンスター、クラウソラスをモチーフに開発された対外敵用戦闘兵器。 上空からの奇襲で敵を翻弄する。
「な、なんと、上級モンスターを呼んだか……これは予想外じゃ」
切が目を細めながら、<AOJクラウソラス>を見やる。
攻撃力2300。何の効果も持たない通常モンスターだ。
対抗できる手段があるのだろう。切の視線からは余裕が消えない。
切が目を細めながら、<AOJクラウソラス>を見やる。
攻撃力2300。何の効果も持たない通常モンスターだ。
対抗できる手段があるのだろう。切の視線からは余裕が消えない。
「――悪いが、射程圏内だぞ」
切が輝王の言葉を飲み込む前に、行動を起こす。
「伏せを使う。罠カードリミットリバース。墓地のアンリミッターを蘇生」
「伏せを使う。罠カードリミットリバース。墓地のアンリミッターを蘇生」
<リミット・リバース> 永続罠 自分の墓地から攻撃力1000以下のモンスター1体を選択し、攻撃表示で特殊召喚する。 そのモンスターが守備表示になった時、そのモンスターとこのカードを破壊する。 このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。 そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。
<AOJクラウソラス>召喚のためにリリースされた<AOJアンリミッター>が再びフィールドに現れる。
「アンリミッターの効果発動。自身をリリースすることで、クラウソラスの攻撃力を2倍にする」
「ば、バカな! 攻撃力4600じゃと!?」
切が驚嘆の声を上げる。
<六武衆>が持つ身代わり効果は、あくまで破壊される対象を移し替えるだけだ。
ダメージ計算は、攻撃されたモンスターの攻撃力で行う。
<AOJアンリミッター>の先端についた針が機械の巨鳥に差し込まれる。
クアアアッ! と甲高い鳴き声を上げ、鋼鉄の翼を大きく広げる<AOJクラウソラス>。
「これで終わりだな――クラウソラスで六武衆カモンに攻撃」
輝王の宣言を受け、一瞬で天高く飛翔した鉄の鳥が、自らの敵目がけて突進する。
その姿はまるで、標的を粉砕する巨大な弾丸――
「スチール・ミスト――」
<六武衆カモン>が、迫る巨体に向けて一斉に爆筒を放つ。
しかし、いくら爆発に巻き込まれても巨鳥の勢いが衰えることはない。
「ブレイクッ!」
轟音が、決着を告げた。
「アンリミッターの効果発動。自身をリリースすることで、クラウソラスの攻撃力を2倍にする」
「ば、バカな! 攻撃力4600じゃと!?」
切が驚嘆の声を上げる。
<六武衆>が持つ身代わり効果は、あくまで破壊される対象を移し替えるだけだ。
ダメージ計算は、攻撃されたモンスターの攻撃力で行う。
<AOJアンリミッター>の先端についた針が機械の巨鳥に差し込まれる。
クアアアッ! と甲高い鳴き声を上げ、鋼鉄の翼を大きく広げる<AOJクラウソラス>。
「これで終わりだな――クラウソラスで六武衆カモンに攻撃」
輝王の宣言を受け、一瞬で天高く飛翔した鉄の鳥が、自らの敵目がけて突進する。
その姿はまるで、標的を粉砕する巨大な弾丸――
「スチール・ミスト――」
<六武衆カモン>が、迫る巨体に向けて一斉に爆筒を放つ。
しかし、いくら爆発に巻き込まれても巨鳥の勢いが衰えることはない。
「ブレイクッ!」
轟音が、決着を告げた。
【切LP3100→0】
「わしの見る目はまちがっていなかったようじゃな……完敗じゃ」
と言いつつも、唇を尖らせた切は不満げだ。まさかこのターンで決着がつくとは思っていなかったのだろう。
「先輩……大丈夫ですか?」
頬の傷が気になるのか、ストラが心配そうに見つめてくる。
「大したことはない。過剰に反応しすぎだぞ、ロウマン」
「でも……」
「それよりも――」
輝王は黒髪の少女の前に立ち、告げる。
「俺の実力は見せた。そろそろ話してもらおう――レボリューションの目的を」
切が顔を上げ、輝王と視線がぶつかる。
「いいじゃろう……わしの知っている情報全てを、お主に話す」
「まずは――」
言いかけて、かつて夕焼けの空の下で見せた親友の顔が脳裏によぎる。
セキュリティに入った理由を「私怨」と言ったあの時の顔が。
「――高良火乃。この名前に覚えはあるか?」
ずっと止まっていた時計の針が、今動き出そうとしている。
と言いつつも、唇を尖らせた切は不満げだ。まさかこのターンで決着がつくとは思っていなかったのだろう。
「先輩……大丈夫ですか?」
頬の傷が気になるのか、ストラが心配そうに見つめてくる。
「大したことはない。過剰に反応しすぎだぞ、ロウマン」
「でも……」
「それよりも――」
輝王は黒髪の少女の前に立ち、告げる。
「俺の実力は見せた。そろそろ話してもらおう――レボリューションの目的を」
切が顔を上げ、輝王と視線がぶつかる。
「いいじゃろう……わしの知っている情報全てを、お主に話す」
「まずは――」
言いかけて、かつて夕焼けの空の下で見せた親友の顔が脳裏によぎる。
セキュリティに入った理由を「私怨」と言ったあの時の顔が。
「――高良火乃。この名前に覚えはあるか?」
ずっと止まっていた時計の針が、今動き出そうとしている。