にわかオタクの雑記帳

にわかオタクがそのときハマっていることを書き殴るブログです 主にアニメ・ゲーム中心

自分に百合の良さを認識させてくれたのは「W.C.フレンズ」なのかもしれない

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※タイトルにある「百合」とはガチめのものではなく、女の子の友情の延長線のようなゆるいものを指します。

 

 

女の子同士がキャッキャウフフしているシーンを見て「てぇてぇ~尊い」と即座に認識するようになったのは、果たしていつだっただろうか。

 


あくまで自分の好みの範疇に限った話ですが、と前置きしておきつつ。
一昔前、複数の女の子キャラが登場するジャンルといえば、ヒロイン全員の矢印が主人公の男子に向くハーレム物がほとんどでした。ツンデレやらクーデレといった単語がメジャーになった頃ですかね。
それが今や、矢印が女の子同士で向いている――そう穿って見てしまう――作品が増えた印象です。
個人的な嗜好としては歓迎で、アニメでも毎クール1つはそういった要素が香る作品を見ている気がします。

 
自分としては、最初から百合要素をメインにした作品よりも、ほんのり香る程度というか、「百合に見えなくもない」程度のバランスが好みです(直近だと虹ヶ咲とかゆるキャン△とか)。
それ以外のジャンルにも言えることですが、作品に浸る際、主人公に自分を投影するよりも、キャラクター同士の関係性の構築や変化を楽しむ方向にシフトしてきました。この辺は……まあ歳を食ったことで、少年少女に感情移入することが難しくなってきたことが大きな要因だと思っています。「感情移入」は出来ても「自己投影」はなかなか……

  

今現在は当たり前のように享受している「百合要素」。
ただ、これは最近になって精製されたものではなく、振り返れば「そういった要素」を含んだ作品は、流行前からたくさんありました。自分がそれを「百合の良さ」だと認識していなかっただけで。

 


では、それを認識した、良さに気付いたのはいつだったのか?

 

 

 

 

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話が逸れますが、現在アニメ放送中で、藍本松先生が描く漫画「怪物事変」


自分は藍本先生の前作、保健室の死神が今でも読み返すくらい大好きで、何かの拍子にこっちもアニメ化されないだろうかと夢想しております。
大好きだった作品の作者様が手掛ける次連載作ということで、怪物事変の1話もちゃんと読んだのですが、何故かその時は「求めてるのはこういうのじゃないんだよな~」と心に響かず、そこで読むのをやめてしまったんですね。
個人的な評価として、藍本先生は「キャラクター造形の際の属性の盛り方」がすごく上手いなと思っていて。
一見すると他作品でもよく見るキャラクターでも、必ずどこか「癖」があって、それを生かした魅せ方が素晴らしく、自然とキャラクターに愛着を持たせてくれるんですね。美作君とか、1話で使い捨てても問題ないようなデザインなのに、普通にメインキャラとして活躍させてるしなぁ……
そんな保健室の死神の残影を追いかけすぎていたせいで、少し方向がずれた新作を受け入れられなかったのかもしれません。
時は流れて現在、アニメ化をきっかけに改めて怪物事変を読んでみたら、普通に面白くて一気に最新刊まで揃えてしまいましたし。
ストレートに「少年漫画」をやりつつ、自分が好きだった「キャラの魅せ方」も健在で、なんでもっと早く読まなかったのだろうと後悔するほどいい漫画でした。紺の不器用な恋愛模様も好きなんだ……

 

 

 

 

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話を戻します。


藍本先生は保健室の死神や怪物事変、連載デビュー作であるMUDDYの他に、いくつか読み切りを掲載されています。
そのうちのひとつが、「W.C.フレンズ」
高校入学直後にインフルエンザで休学した主人公の女の子、郁子が、「一緒にトイレに行く友達を作りはぐった!」と悩み、状況打開のためにあれこれ考えるコメディ作なのですが。
自称平凡女子な郁子には、クールな一匹狼系美人の友達、深雪(クラスは別になってしまった)がいて、何とかどこかのグループに入ろうと派手なリアクションを重ねる郁子に、アドバイスという名の冷静なツッコミを差し込みます。


このね~~~~~深雪がね~~~~~郁子に対してね~~~~~ラストに見せる反応がね~~~~~~~
普段は「あたし1人でも全然大丈夫だし」とクールに振る舞っている女子が、ふとした瞬間に漏らす本音がね~~~~~~~

 


最高なんですよ!!!!

 


「当たり前だと思っていた関係」が崩れそうになってしまう時になって、ようやく出る本音がね~~~~~

 


最高なんですよ!!!!!!

 

 


思えばこのときに、「女の子同士っていいな……」と認識したのかもしれません。きらら系列でもなく流行りものでもなく、ここが自分の原点。
もう一度読みたいなぁと掲載されていたジャンプを処分してしまったことを悔やんでいたので、今回短編集に収録されていて歓喜しました。後書き読むと、やっぱりほんのり百合意識してたんですね。

 

 

短編集の他作品では、「○○○してください。」「悪魔の顔」が好きでした。
あと、保健室の死神アシタバ君が何故病魔に感染しなかったのかがずっと疑問だったのですが、まさかその答えが読み切り版にあるとは……
王道の中に特有の癖を持ち込む藍本先生の作品は、俺の趣味嗜好にがっつり刺さるんだなぁと改めて思いつつ。
「W.C.フレンズ」を読み返しながら「良さ」を噛みしめております。