にわかオタクの雑記帳

にわかオタクがそのときハマっていることを書き殴るブログです 主にアニメ・ゲーム中心

ジャッジアイズ 死神の遺言 感想 歪んだ正義を断罪する覚悟

f:id:moonyusei:20210131184850p:plain

 

7までナンバリングタイトルが発売され、外伝作品も含めるとかなりの本数がある、人気長寿シリーズ龍が如く
「ヤクザ」「極道」という自分とは縁もゆかりもないかけ離れた世界を描いているゲームであり、これまでは「こういうのが好きな人にはたまらないゲームなんだろうな」と遠目に眺めているだけでした。なので、評判の良さを耳にしてもあまり食指が動かず、最新作である7でゲームジャンルがアクションからRPGに変わったときに少し興味がわいたものの、結局購入までは至らずスルーしてしまいました。確かその時は別ゲーの発売と被っていたんだっけかな……

 

そんな「機会があったら触れてみたい」スタンスを続けていたところ、某動画を見て俄然意欲が高まりまして。今がその機会なのだとシリーズ作品を購入を決断。ネットで評判を調べ、高評価で時系列的には「龍が如く」の出発点である龍が如く0か、シリーズと世界観を共有した派生作品である「ジャッジアイズ」のどちらを買うかで迷い、単発で完結しているほうが気軽にプレイできるし、沼にどっぷり沈んで時間を溶かすこともないだろうと後者を選択しました。

 


「ジャッジアイズ」というタイトルに覚えがなくても、「キムタクが如く」と聞けばピンとくる人も多いのではないでしょうか。元SMAP木村拓哉氏が主人公の八神隆之を演じたことで話題になった本作。
新宿歌舞伎町をモデルとした、シリーズではお馴染みの舞台「神室町」を、あのキムタクを操作して駆け回り、チンピラ相手に派手なアクションを決めたり、探偵として事件解決に奔走したり、大真面目な顔でバカをやったりできる、それだけで唯一無二を誇れるゲームです。
メインストーリーは神室町で起きた連続殺人事件の謎に迫るシリアス中心の展開が続きますが、サイドケースと呼ばれるサブイベントでは、「変態三銃士」と呼ばれる下着泥棒を捕まえるために依頼者の女性から今履いている下着の柄を訊くキムタクが見られたり、風に飛ばされたカツラを全力疾走で追いかけるキムタクが見られたり、ひょんな事からパイロットのコスプレをすることになり、出演作品のパロディをされるキムタクが見られる等、実にバラエティに富んだシナリオが用意されています。
各種ミニゲームも豊富で、バーチャファイターを始めとした完全に別のゲームを遊ぶこともできます。
自分はあまり寄り道をせずにメインシナリオを進めてしまったのですが、全てを網羅しようとするとかなりの時間遊べるのではないでしょうか。キャバクラはありませんが、特定の女性キャラとデートを重ねて彼女にすることもできるぞ!

 


アクションが苦手な自分でも、難易度とイージーに下げればボタン連打で何とかなるし、さらに簡単になるベリーイージーも用意されている親切設計。
ミニゲームやサブシナリオのほとんどはプレイしなくても本編に支障はないので、本編だけ追えば20時間前後でクリア出来る、個人的にはちょうどいいボリュームでした。長すぎるとダレちゃうことが多いので……スルーしてしまったサブイベントは、クリア後でも攻略出来ますしね。

 


あと、自分は「ゲーム内で再現された現代日本の都会の町並み」が結構好きでして。初めてそれを自覚したのはペルソナ3をプレイしたときだったかな?
細部は異なれど、有名チェーン店からいかがわしい大人のお店まで歌舞伎町を再現した街は、無意味に散策しているだけでテンション上がるんですよね。店やビルの中まで作り込まれているところも多かったですし。リアルじゃ怪しさから入るのを躊躇してしまう場所も、ゲームなら気軽に踏み込める!
ただ、「京浜同盟」という本筋とは全く関係ないチンピラ集団とのエンカウントのせいで、気軽にお散歩を楽しめないのは残念でした。
1回だけならともかく、倒しても倒してもキリが無い中ボス連中は害悪でしかないよ……
無視することもできますが、そうすると雑魚敵とのエンカウント率が上がる+街の住人からイヤミを言われる八方ふさがりっぷり。RPGではないので、レベル上げて無双も出来ないですしね。

 

 

 

 

 

f:id:moonyusei:20210131185507j:plain

証拠を探すサーチモードでは、どこかに潜んだ野良猫を見つける小ネタ要素も

 

気を取り直して、プレイ中に一番感じたのが、ゲームとしての演出の上手さ
実写と比べても違和感の少ない精巧なモデリングに、キムタクを始めとした各キャラの熱演は、映画かドラマを見ているような臨場感がありました。そのままテレビで放映してもいいんじゃないかと思わせてくれるレベル。
そんな臨場感あるイベントシーンから、シームレスでバトルに移行する演出が見事で、自然とコントローラーを握る手に力がこもるほど熱中してしまいました。本当にキムタクがかっけぇんだわ……
他の感想でも多く触れられていますが、物語を進めるにつれて「キムタク」ではなく「八神隆之」として認識が改まっていくキャラクターの魅せ方は、他キャラも含めて素晴らしかったと思います。


そして、メインシナリオについては、ネタバレを含みながら書きたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:moonyusei:20210131185816p:plain


まず簡潔に感想を述べるなら、「引き込まれるほど面白かったけど、期待していたものとは少し違った」でしょうか。

 


単なるヤクザ同士の抗争と思われた連続殺人事件が、八神の弁護士人生を終わらせた過去の事件と結びつき、やがてずっと目を背けてきた「真実」を追う覚悟を迫られる。
バラバラだった事件が徐々に繋がっていき、裏に潜んだ国家ぐるみの巨大な陰謀が明らかになっていく中で、八神は相棒の海藤を始めとした信頼できる仲間たちと共に、かつて見捨ててしまった無実の死刑囚を救うために最後まで足掻き、黒幕を追い詰める――
黒幕を明かすだけで終わらない、クライマックスまで盛り上げてくれる展開は、圧倒されたし燃えましたし、事件を追う中で抱えた傷の痛みに苦しみ、それでも乗り越えることを選ぶ八神の感情の揺れ動きは、木村拓哉氏の熱演と、それを表現したモデリングの高さも相まって、痛いほどに伝わってきました。
八神隆之という男は、普段はひょうひょうとしているからこそ、底からわき出る感情の熱さが際立ち、キムタクが演じるに相応しい主人公だったと思います。弁護士として法廷にカムバックする流れは、王道ですがやはりテンション上がりました。

 


ただ、探偵物ということで、伏線を鮮やかに回収し「そうだったのか!」と唸るようなシナリオを勝手に期待してしまっていた自分としては、面白さの方向性が違ったかな、と思ったところもありました。
ジャンルがアクションなので仕方がないとはいえ、捜査方法が暴力による解決とそれでいいのかその場で捕まらないかとツッコみたくなる強引な展開もありましたし、龍が如くとは違う新規タイトルの割りにはヤクザが話の中心に据えられていたり、最後まで正体が隠されている殺し屋「モグラ」の正体も消去法で何となく察することが出来たりと、驚きに関してはやや物足りなさを感じた印象です。
まあ消去法で察せられると書いた割りに、俺は終盤まで星野君がモグラなんじゃないかと疑ってましたがね! だって一見暴力とは無縁の真面目で若い後輩キャラとか怪しいじゃん! さおりさんパートで見せた童貞っぷりで「あれやっぱ星野君じゃないのか? いやでも……」と結構悩んじゃったよ! さおりさんと幸せになってな……

 


シナリオ構成の荒さはやや目立ちましたが、その分を補って余りあるほどのキャラクターの魅力がありました。
最序盤で登場する借金探偵や、黒幕の正体を告げフェードアウトしたかに思われた羽村のカシラなど、ここぞという場面でのキャラの使い方が上手く、主要キャラクターに「出ただけの端役」がいなかったのは歯車の回し方が見事だな、と。
個人的に一番好きなキャラは、前で名前を出したさおりさんですかね。
暗くて冷たいイメージのボサボサ髪の地味な女性が、実は滅茶苦茶美人でしたとか夢がありすぎてたまらんでしょ。甘い和菓子に目がなくて、差し入れのどら焼きを他の人の分まで素早く食べちゃうところとかお茶目で可愛いし、なんでさおりさんは彼女にできんのじゃ……とがっかりする反面、彼女をドレスアップ(着せ替え)してキャバクラに潜入したり、敵側の中心人物にハニートラップを仕掛ける展開になったときは思わずガッツポーズしちゃいました。
ストレートに好意を表現する星野君とはおねショタ……とまでは行かずともいい年の差カップルだと思うので、隙あらばイチャイチャしてほしい。

 

 

 

 

 

 

f:id:moonyusei:20210131190159j:plain

 

メインシナリオは、事件の首謀者こそ死亡してしまったものの、闇に葬られるところだった真実を暴き出し、罪を着せられた死刑囚である大久保のえん罪も晴らすことが出来たというハッピーエンドで幕を閉じます。
八神たちが暴き出した「真実」とは、新薬を使用した無許可の人体実験
多くの人たちが待ち望む、世界を救うと言っても過言ではない「夢の薬」。それはマウス実験では有用性が示されたものの、人に注入すると毒性を発揮し、必ず死亡してしまう欠陥を抱えていました。その薬を完成させるために、被験者にするヤクザを誘拐し秘密裏に繰り返された人体実験――連続殺人事件はそれの隠れ蓑。
完成すれば「救世主」になれる。そのためには、犠牲を生んでもやむを得ない。
そんな歪んだ正義を糾弾し、然るべき裁きを与えるために奔走する八神たちの背中を見ながら、俺はぼんやりと考えていました。

 

果たして、今も苦しむ人々を救うために非道な人体実験を行う彼らの正義を、「狂気」と切り捨てることができるのかと。

 

アドデック9と名付けられた夢の薬がもたらす効能は、アルツハイマー病の根治
認知症の主たる病気であり、未だ根本的な治療法が確立されていないアルツハイマー病。これはゲームの中だけではなく、現代社会が抱える社会問題であり、老人が老人を介護する老々介護など、高齢化社会と言われる現状では、これから先ますます大きくなっていくものです。
親しかった祖父母が、親が、認知症によって記憶を失っていく、自分のことが分からなくなってしまう、異常行動が増える……直視するだけでも辛い現実に、誰もが「治るのなら治したい」と考えるでしょう。自分には直接介護に携わった経験はないものの、祖母の介護を巡って父親と叔母とで大いに揉めた経験があるため、「認知症を治す新薬」なんてものが発表されたら、大手を振って歓迎すると思います。ただでさえ重労働な介護者の負担が、大幅に軽減されるのは間違いないのですから。
今はまだ目を背けられても、このまま歳を重ねていけば、いつかは介護の問題に向き合うときが来ます。その時に、例え認知症になったとしても、完全に治療することができる選択肢があるとないとでは、精神的な負担が天と地ほども違います。まさに人類が求める、夢の薬です。

 

結局、本編中ではアドデック9に含まれた毒性を取り除くことはできず、夢の薬は夢のまま消えていきました。
アドデック9の研究リーダーであり、事件の黒幕の1人だった生野は、その事実を認めることが出来ず、最後は自らにアドデック9を投与し、副作用で死亡しました。彼は最初に行った人体実験――「殺人」を隠匿するために、実験とは無関係な殺人を行っていたこともあり、仮に死亡しなかったとしても、研究者としての道は絶たれていたことでしょう。

 

でも、もしも。

 

アドデック9が……アルツハイマー病を治す新薬が、本当に完成するとしたら?
そのために、犠牲が必要なのだとしたら?
生野が実験の被験者としてヤクザを選んだ理由のひとつに、「悪人なら良心が痛まないから」がありました。自分が行っていることはあくまで「正義」であり、罪のない人を犠牲にしてはならないと。


「この世界に犠牲になっていい人間なんていない」――そう断罪することが、正しいのでしょう。


けれど、その必要悪を重ねた末に、認知症に苦しむ多くの人々が救われるのだとしたら。
生野も、彼をかばった検事正も、アルツハイマー病に苦しめられた過去があります。新薬がもたらす莫大な利権に目がくらんだ連中とは違い、彼らには芯の通った正義があります。
無論、自分が「犠牲者側の当事者」になれば、死人を出す実験を断固として認めるわけにはいかないでしょう。正当な裁きを受けるべきだと声を荒げるはずです。
では、自分が「新薬によって救われる側」、もしくは「何の関係もない第三者」として立った時。
八神のように、真実を追い続けることが出来るのだろうか。
生野を「歪んだ正義にとりつかれた狂気の科学者」と切り捨てることができるのか。
闇を暴いて白日の下に晒しだし、「夢の薬の完成」を潰すことが出来るのだろうか――
「ヤクザなら死んでも良いんじゃないか」「多少の犠牲は仕方ないんじゃないか」と無慈悲な判断を下してしまいそうな自分が顔を覗かせていることに、追い詰められれば化けの皮が剥がれる醜さが見えた気がして、少し自己嫌悪に陥りました。

 

 

 

 

 

 

f:id:moonyusei:20210131190957j:plain



ジャッジアイズ、面白かったし主人公の八神隆之はとても魅力的なキャラクターでしたが、「夢の薬」を巡っては、八神の言動とプレイヤーである自分の感情が乖離したりしなかったりする、心のしこりが残るゲームでした。ラスボスの主張としてよくある「地球の環境を守るために人類を滅ぼさなければならんのだ!」みたいな言葉よりも、遙かに現実味があって、心臓をわしづかみされたような錯覚を覚えます。


今も逃げ続けている自分が向き合わなければならない未来を思い、ちょっぴり鬱になる……など。

ファイアーエムブレム風花雪月 金鹿ルート感想 理想の夜明けの寂しさ

f:id:moonyusei:20210113195931j:plain

 

青獅子、黒鷲ルートをプレイし、最後に残った学級である金鹿の学級


手持ちの情報が少なかった初見時は、特に理由もなく「一番本筋に絡まなそうだなぁ」と思っていて、どことなくコミカルな雰囲気になりそうな印象を持っていました。
それ故に、後回しでいいだろーと1周目は王道そうな青獅子ルートを選び、2周目は対となる黒鷲ルートを選びました。その判断は……まあ正解でしたかねぇ。
学級が変わっても第一部の展開はほぼ同じなので、さすがに少し飽きが来始めていましたが、途中で投げ出さずエンディングを迎えられたのは、級長であるクロードを始めとした金鹿メンバーの魅力のおかげでした。


個性派揃いだった黒鷲の学級に負けず劣らずアクの強い面々だったのですが、見た目や第一印象そのままのキャラが多かったですね。フィクションのキャラクター造形としてストレートというか、奇をてらってないというか。
ローレンツはエリート思考のキザキャラ、ラファエルは全身筋肉マン、イグナーツは気弱だけど真面目、リシテアは子供っぽい+ツンデレっぽい、マリアンヌは根暗(失礼)、ヒルダは媚び売りギャル、レオニーは男っぽい、そしてクロードは腹黒策略家……もちろんそれだけではないのが風花雪月のキャラですし、それぞれに属性の描き方や成長の仕方がとても真摯なので、不快に感じるところは一切無く、むしろキャラ属性としてはマイナスイメージなものも、それをひっくるめて好きになれる匙加減が絶妙でした。

 

あと、プレイ前は気軽に冗談を言い合えるキャッキャウフフの明るいクラスだと思っていたのですが、いざ支援会話見てみると意外と仲悪かったことに驚きました
険悪というよりも、互いに意地を張ったり、我を通しすぎていたりすることが多く、善かれと投げられた助言を素直に受け取らなかったり、そもそも言い方が悪かったり、余計なお世話だったり……
支援レベルが進むにつれて、各々が悪かった点を鑑みて歩み寄っていく過程を見て、結束が強くなっていく実感を得られたのでよかったと思います。

 

 

では、以下からネタバレを含んだ感想を書いていこうかと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:moonyusei:20210113200252j:plain


まず最初に一言。

 


金鹿ずるくないか???????

 


かつての友たちの屍を乗り越え、まさに血塗られた道の果てに革命を成し遂げたものの、闇に蠢く者たちとの決戦は描かれなかった黒鷲ルート。
復讐に囚われたディミトリが、ロドリグの犠牲を経て王として立ち直るまでを描くに終始した青獅子ルート。
これらと比べると、帝国を打倒しレアを救出、そこで明らかになった真の黒幕である闇に蠢く者たちとの死闘……それで終わらず、復活した解放王ネメシスとフォドラ十傑との決戦という大舞台まで用意されていた金鹿ルート。
英雄の遺産がいかにして作られたのか、レアや闇に蠢く者の正体、主人公の出生の秘密と、ここまで伏せられていた謎のほとんどが明かされ、まさに集大成と銘打ってもいい内容の濃さ。
帝国打倒までの流れは青獅子ルートと同じなのですが、復讐しか頭にないディミトリという泥船に乗って進んでいた時と違い、クロードの策略で数々の作戦をこなし、帝国を倒すためにしっかりと前に進んでいる感じがしましたし。
グロンダーズ会戦においての青獅子組、帝都決戦においての黒鷲組と犠牲は払ったものの、シナリオに湿っぽい空気は少なく、閉鎖的だったフォドラが開かれていくというエンディングを含めて、実に王道感に満ちていました。満ちすぎているせいで、他ルートが不憫に思えてしまうくらい。

 

 

クロードとの信頼しあった相棒な関係は清々しくてよかったのですし、彼が相棒だったからこそ一番理想的なエンディングを迎えられたわけなんですが、逆に主人公抜きでも堅実に立ち回れるのがクロードなんですよなぁ。
エーデルガルドは「支配からの解放」のためと非情になりすぎて改革を急ぎ反発を招いてしまうし、ディミトリは言わずもがな。この2人には傍で支え導く主人公の存在が必要不可欠なんですよ。
でも、クロードはそうじゃない。どのルートでも、それなりに上手く立ち回っている。戦いに敗れたあとも、おそらくパルミラに渡って自らの使命を全うするのでしょうし。
そのクロードと組んだときが(個人的に)最良の結果を得られたというのは、何とも皮肉めいているなと。
もっと悲劇が欲しかったわけではないのですが、迎えた夜明けが綺麗すぎて、前に見た景色が霞んでしまい寂しい気持ちになった感じです。(まだ黒鷲から分岐する教会ルートが残っているのですが)これが3ルートクリア後に解放される真ルートだったら、心から納得のいく結末だったんだけどなぁ……

 

 

 

 

 

f:id:moonyusei:20210113200517j:plain

金鹿プレイして一番印象が変わって好きになるキャラ


今回スカウトしたのは、今まで一度も引き入れてなかったカトリーヌとツィリル、外伝プレイするためにフェルディナントとリンハルト、あとはスカウト見送ろうと予定していたのに金鹿組と支援会話が多かったので結局仲間にしてしまったイングリットでした。アロイス? うーん……
3ルートでリシテアとイングリットは常に自軍にいましたね……今回のイングリットは良成長引きまくって、ヒルダやクロードの飛行組と一緒に先行してそのまま敵陣壊滅させてました。避けるし魔法効かんし強すぎィ!
リシテアはローレンツの外伝報酬のテュルソスの杖装備したら格段に利便性上がりました。闇魔法射程+1も覚えたらまさに砲台。
難易度ノーマルなのにレベリングしすぎたせいもあって、最終面も余裕でしたわぁ。

 

強制加入のフレンとセテスも含めて、全キャラを支援MAXまで上げて迎えたエンディングでは、

 

・主人公(男)+ヒル
・クロード+イングリット
ローレンツ+マリアンヌ
・ラファエル+イグナーツ
・リンハルト+リシテア
・セテス+レオニー
・フェルディナント+フレン

 

がペアエンドになり、カトリーヌとツィリルが単独でした。
男女のペアエンドは自学級(今回なら金鹿組)が優先されると思ってたので、リシテアとレオニーの相手にはびっくりだよ!
主人公の相手をヒルダとリシテアで迷ったのですが、えっちなピンクキャラには勝てなかったよ……でもまあリシテアはリンハルトと結婚すると、紋章消えて長生きできるようなので何より。
クロードとイングリットペア、ローレンツとマリアンヌペアは推してたので無事くっついてくれてホッとしました。
ラファエルとイグナーツのペアエンドだと、イグナーツはラファエルの妹のマーヤちゃんと結婚するんすねぇ。そのマーヤちゃんと、ヒルダの兄であるホルスト卿は、何度も話が出るので顔グラだけでも欲しかったところです。
あとローレンツとフェルディナントの支援がAまでいかないことは納得できぬ。めっちゃ仲いいじゃん。

 

 

 

 

 

f:id:moonyusei:20210113200744j:plain

 

長く浸っていた風花雪月の世界も、これでとりあえずは一区切りでしょうか。
まだ残っているルートとDLCの追加要素があるのですが、大体の謎は明かされてすっきりしましたし。
悲喜交々全部まとめて、評判に違わぬ良いゲームでした。心が良い意味でも悪い意味でも充実した時間でしたよ。

にわかのアークナイツプレイ記 第七章 苦難揺籃 感想

f:id:moonyusei:20201231141538j:plain

 

アークナイツ1周年おめでとうございます!

 

配信開始日にリセマラしてそのあと放置してしまった身としては、まさかここまで熱中することになるとは思ってもいませんでした(失礼)。
当初からゲームシステムはよく練られていると感じていましたが、俺をアークナイツに引き込んでくれたのはやっぱりシナリオ面です。ここを重視する人間なので。
五章ラストから六章を間をおかずに一気にプレイできたのは後追いの強みが出ましたし、イベントではウルサスの子供たちのシナリオが今でも心に焼き付いています。


なので、七章のハードルが自分の中でどんどん上がってしまったわけなんですが。

 

 

シナリオの感想に行く前に、みんなが待ちわびていただろうW&ウィーディ&エリジウムガチャ。その結果をちょっくらご報告させていただくと、

 

 

 

 

119連(無料分+貯めてた分+記念パック2つ購入)でWが2人、単発でウィーディー来たところで撤退しました。エリジウムは3凸かな? 幸運なことにすり抜けはありませんでした!
性能的にはどちらも使いこなせる気がしないので、単純に見た目の好みでウィーディー引けたら終わりかなと事前に決めていたのですが、そういうときに限ってWの方が先に来るんだよな~って予想してたら案の定でしたよ。どっちか一方だけ引けなくて泥沼に嵌まることは回避できたので良しとします。

 

 

 

 

星6指名権は唯一いなかったアンジェリーナを選んで、早速コーデ着てもらいました。
ガチャがスムーズに終われば他キャラのコーデも欲しかったんですけどね……うん……ラップランドだけ買ったよ……
でも、今回のコーデで一番好きなのがビーグルなので、無料配布に感謝したいですまる。

 

 

それでは、本題に戻りまして七章の感想ですネタバレ(中国版の情報有り)を含みますので未攻略の方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:moonyusei:20201231142026p:plain

 

最終章前編、と銘打ちたい七章。


Wの実装を待ち望んでいたファンの方々には申し訳ないのですが、今回実装されるのってロスモンティスのほうがよかったのでは!?
シナリオ的には七章でロスモンティス→八章でW実装のほうが、内容とマッチしていた気が……まあアークナイツのガチャがイベントとかシナリオの内容と関係ないことは多々ありますが。闇夜の内容とガチャこれでもかってくらい無関係でしたし。

 

ともあれ、顔見せだけはしていたロスモンティスが本筋に関わってきましたが、ロドスにはまだドクター(プレイヤー)が知らないエリートオペレーターがたくさんいるんですね……七章でも名前だけ登場のキャラがちらほら。
というか、物語のスタートであるドクター奪還作戦からまだ2週間しか経っていないことにびっくりだよ! 1年掛けて2週間の出来事を描いてきたのか……ジョジョ5部並みの密度ですよこれは。
チェルノボーグ脱出戦、ミーシャ防衛戦、スカルシュレッダー戦、スノーデビル小隊との邂逅、龍門防衛戦チェンサイドとロドスサイド、そしてフロストノヴァとの決戦――あいだにイベントを挟んでいるせいもありますが、2週間でやるには濃密すぎるでしょと。この裏で、戦地の逸話や闇夜に生きるのエピソードが進行していたわけで、今から全部を網羅しようとするとかなりの労力が必要になりそうです。
ロドスの前身であるバベル時代、記憶喪失前のドクターがいた時代、ドクター不在時もこんな調子だったんですかね……? そりゃアーミヤのメンタルも鍛えられるというか、強くならざるを得ないわけだと、嫌な部分で得心してしまいました。

 

 

そのアーミヤと肩を並べ、互いに支え合って戦うポジションのロスモンティス。
今までアーミヤの周りって年上キャラばっかりで、同年代っぽかったミーシャがあんなことになってしまったので、ロスモンティスがそこに収まってくれたことでちょっとホッとしました。
まあ「心を許しあってる尊い」みたいな単純な関係ではなく、アーミヤもロスモンティスもそれぞれ複雑な問題を抱えており、それを解決、または良い方向に持っていくために、戦いに身を投じるしかないという皮肉さなのですが。
(俺の読解力が低いせいで)七章だけ読むとロスモンティスの背景がしっかりと掴めないのですが、記憶障害のようなものが起こっているのかな? でも、記憶が消えてもそれに付随していた感情は消えずに苦しんでいる。涙の理由が分からずにもがいている。

 

 

 

 

 

f:id:moonyusei:20201231142302p:plain



そういったものを全部抱えて前進し続けたのが、七章のボスであるパトリオット
破壊と混沌を起こすレユニオンに属しながらも、秩序ある反乱を貫き続けた武人。
彼と彼の指揮する部隊が、無意味な暴虐を望んでいるわけではないことはこれまでのシナリオで描写されており、今回もケルシーの口から「もうひとつのロドス」と評されました。
快楽に傾倒した(以前の)メフィストや、考えの読めないタルラと違い、彼ならば対話による解決が望めるかもしれない――
そんなロドスの希望は、彼自身によって打ち砕かれることになります。


娘であるフロストノヴァの仇だからではなく。
決して譲ることのできない信念のために。


パトリオットは、自身と仲間たちを裏切ることはできない。自らを曲げることで生じる犠牲を許すことはできない。背負っている「厚み」が、途方もなく違う――ひしひしと感じました。
その厚みによって、彼はもう前にしか進めなくなっていたのでしょう。
立ち止まっても、横を向いても、振り返っても、抱えた重みに潰されてしまう。例え進む道が間違っていたとしても、最良の道がすぐ脇に枝分かれしていたとしても、歩みを変えることはできない。「死」という運命に屈するのだとしても、それは自ら選んだ結果でなければならない。
もし、説得と救命に成功したフロストノヴァがロドス側について場に居合わせたとしても、パトリオットは戦いによる決着以外の選択肢を選ばなかったでしょう。それほどまでに彼の覚悟は堅かった。堅くなってしまった。
感染者を救うロドスの理想を貫くには、パトリオットの強靱な盾を打ち破るだけの力が必要――フロストノヴァの氷に続き、本来なら救わねばならないパトリオットの盾を砕かねば、前には進めない非情さ。ううん、重い……

 


アークナイツのような非情な世界でなくとも、ただ日常を過ごしているだけで自然と経験や記憶が蓄積していくものです。
それらは心を豊かにしてくれますが、同時に進む足を重くする。
若い頃は気軽に道を変えられたのに、歳を重ねるにつれて思考や責任が重くなっていき、選択することに躊躇いが生まれる。
普通の人間には想像も出来ないほどの重みを抱えたパトリオットの胸中を、真に理解することは出来ないのだと痛感しました。

 

 

 

 

 

f:id:moonyusei:20201231142506p:plain


ロドスとパトリオットの戦いだけではなく、七章は「譲れない物のための戦い」がテーマでしたね。
ウェイ長官とチェン、チェンとホシグマ、パトリオット遊撃部隊とサルカズ傭兵部隊……
特にチェンとホシグマの激突は、1周年記念の短編アニメで仲むつまじいシーンの見せてからのこれかよと唸りました。
龍門組はお互いがお互いを守りたいのに衝突するしかない哀しさが溢れていたので、戦争終結後に何とか丸く収まってくれないかと願うばかりですね……

 

 

そして、サルカズの予言にある「魔王」と称されたアーミヤ。
ゲーム外で「ブラックCEO」「アイコンが怖い」などとネタにされていたのに、まさかシナリオでもこんな扱いをされるとは……パトリオットの死を安らかにしようと善意で行った行為が引き金になっているのがまたやるせない。
これまでも無数の戦場をくぐり抜け、「大人にならざるを得なかった」アーミヤ。
せめて戦いの終わりには笑ってドクターの元へ戻って欲しい……そこでアイコンが変わるとかエモ演出してくれないかな……
ドクターもドクターでテレジア殺害犯疑惑が深まるなど、未だ明かされていない過去が気になるばかりです。ラストで摂生王はテレジアを復活させようとしていたんですかね?

 

 

 

 

 

 

f:id:moonyusei:20201231142630p:plain

 

六章に続き、引きずる重さに満ちていた七章ですが、発光二アール(星5じゃないでしょ彼女)とお気楽パイロットに振り回されるドベ教官という癒やしポイントを描いてくれたのがすごくありがたかったです。
終わったばかりですが、もう八章が待ちきれませんね! 早く出してくれ!

 

 

ちなみに、今回のステージ攻略は割とサクサク行っていて「イベントよりぬるいな!」と油断していたら、パトリオット戦でズタボロにやられました。
長時間のプレイで脳が疲弊していたこともあり、攻略動画でカンニングしちゃいました……次回の危機契約が思いやられるぜ……

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 アニメ感想 ひとりだけどひとりじゃない優しい世界【ネタバレ有】

f:id:moonyusei:20201227002411j:plain

 

ここが……ここが理想郷なのか……?

 

 

サンシャインに続く「三代目」ではなく、「外伝」としてスタートした虹ヶ咲学園。
アニメ以外のメディア展開にノータッチだった俺にとって、ラブライブ!はサンシャイン2期で時が止まっており、虹ヶ咲がなんで外伝なのか、アプリではどういう扱いなのかも知らないまま視聴を始めました。

 


まず思うのが、この「外伝」という位置付けが全て良い方向に向かったな、と。


キャラクターデザインやシナリオがいい意味で従来作品から脱却しており、「ラブライブ!」に囚われることなく、「虹ヶ咲」の世界を描いてくれたな、というのが一番の感想です。
多くのファンを抱えるほど膨れあがったコンテンツ、少し舵取りを間違えれば炎上といっていいほどの批判の嵐が巻き起こる状況。もし虹ヶ咲が三代目なら、「こんなのラブライブじゃない!」と声が上がったかもしれません。(ちなみに俺はラブライブらしさと問われると首をかしげてしまうにわかです)
外伝だから、シリーズの主流からは外れた作品だからこそ、凝り固まった伝統を過剰に気にすることなく、伸び伸びやれたのではないかなーと感じました。もちろんそれは過去作品を蔑ろにするという意味ではなく、シリーズが育ててきた「スクールアイドルの良さ」を、別の角度から描いていたと思います。
それはスクールアイドルを外から見る主人公の侑ちゃんであり、グループではなくソロアイドルの集まりであること。中ではなく外に主人公を置き、「みんなで成長する」というよりは「影響を与え合う」に重心を置いたシナリオ構成。ラブライブ!を知らない人でも十二分に楽しめる、素晴らしい外伝でした。

 

 

 

 

 

f:id:moonyusei:20201227002625j:plain

 

てっきり過去作と同じでメンバーみんなでグループ結成してラブライブ出場を目指すもんだと思っていたので、ソロアイドルやるって聞いたときは「えっ?」ってびっくりしたもんですが、これにより1話ずつ各キャラの担当回をやって各々の壁を乗り越えつつライブをする流れができあがり、出番の多い少ないで割りを食うことを抑えつつ、それぞれの掘り下げを行うスタイルもよかったですね。その回でメインじゃない他キャラも、ちゃんとストーリーに関わり、壁を乗り越えるための「影響を与えている」。
みんな目指すアイドル像はバラバラで、そこに向かうための道も違う。
だから各個人で孤独に頑張りましょうソロアイドルなんだしではなく、目指す場所が違っても支え合える。「団結しよう」「ひとつになろう」なんて言葉がなくても、自然と輪は繋がっていく。個性を大事にしつつ、手を差し伸べ、背中を押す。そんな「理想郷」を丁寧に描写してくれました。


この辺を強く感じたのはりなりー回で、表情を作れないことに改めてショックを受けたりなりーが段ボールに引きこもってしまった時、誰も無理矢理段ボールを剥がそうとしなかったんですよね。彼女の意思を尊重しつつ、励ます。「笑えるように特訓しよう」ではなく、「別の形で表現しよう」と提案する。ああ、なんて優しい世界なんだろうと。

 

 

 

 

 

f:id:moonyusei:20201227002808j:plain

 

俗に言う「なろう作品」がヒットする昨今、視聴者が強いストレスを感じる展開は嫌煙されがちな傾向があります。
アニメ虹ヶ咲は、そうした風潮を汲み、現代の視聴者層に受け入れられるアイドルアニメを作ってくれた気がします。
山も谷もある、シリアスなパートもある、でもストレスは感じない。
無遠慮な言葉のナイフも、理解しがたい突飛な行動も、明らかに破綻したシナリオもない。演出も含め、全ての部分できめ細やかに描かれた、優しい世界。
全ての登場人物が心の底から「誰か」を応援している。人の温かさに満ち溢れているのが、画面越しに伝わってくる。
「ああ……俺ってこんな作品が見たかったんだな……」と心がじんわりとあったまる、いいアニメでした。

 

 

突飛な行動で触れなきゃいけないのが、闇堕ちしかけた歩夢ちゃんの押し倒しなんですが。
あれは汚れたオタク目線で見ると「ヤンデレズ! 重い女!」とネタにしたくなるし、そう見ても仕方ないような演出だったのですが、歩夢の感情としては「ずっと一緒だった幼馴染が離れてしまうのが怖い」と友情の範疇に収まってるんですよね。
自分の知らない侑の姿を人づてに聞かされて、自分自身もスクールアイドルをやって侑以外のファンから声援をもらうことに喜びを感じてしまっている。このまま進めば、もう2人の道は交わらないかもしれない――そんな不安と恐怖をため込み、爆発してしまったからこその押し倒しだったわけです。いや別にヤンデレならそれはそれでいいんですけど。
こんな風に、シーンだけ抜き取って見ると衝撃の展開でも、過程や理由をちゃんと見せてくれる安定感が常にありました。キャラクターを大切にしていて、シナリオの都合で動いているように見えなかったのは、本当に構成が上手いなと感心しきりでした。

 

 

 

 

 

f:id:moonyusei:20201227002949j:plain

 

 

www.youtube.com

 

アニメで虹ヶ咲を知った身として「どのキャラが一番好き?」と訊かれたら、彼方ちゃんって答えますかね。
昼寝が好きなのんびり天然少女だと思ってたのに、詰め詰めスケジュールを頑張る苦労人だと知ってギャップにやられました。MVも一番好きで何回もリピートしましたわ……
直近で書いたアサルトリリィの記事でもそうですが、こういったギャップに弱いのかもしれません。


そして、脚本上一番動かしやすかったのはかすみんだろうなぁと。気軽にギャグやらせても安心な矢澤枠はやっぱいると便利なんでしょうなぁ。ある意味無敵なのでずるい。

 

 

 

 

 

f:id:moonyusei:20201227003856j:plain



ことあるごとに「バラバラ」を強調していた同好会が、最後のステージで侑ちゃんのためにグループになる王道だからこそのエモさを見せてくれた最終回。あとは2期告知があれば完璧でした。映画でもいいので、また虹ヶ咲の優しい世界が見られる日を、期待しながら待つとします。

 

 

 

 

 

 

 

f:id:moonyusei:20201227003224j:plain

 

……助演俳優賞あげてもいいよね?

 
細かい演出が話題になった作品でしたが、お台場を舞台にしているのに頑なに描写を避けていて「権利関係なのか?」と疑っていたユニコーンガンダムに、まさか最後の最後で意味合いを持たせるとは……こんなのオタク虹の彼方に飛んじゃうよずるいじゃん。

僕がアサルトリリィBOUQUETを最終回まで追いかけられた理由

f:id:moonyusei:20201225200405j:plain

 

来週は大晦日。今年も残すところあと1週間になり、秋アニメも続々最終回を迎えています。
一時期よりは視聴本数が減ったとはいえ、今期もアニメ化前から注目していたもの、アニメ化をきっかけに注目したものその他諸々を視聴していました。

 


その中で、個人的にダークホースだったのがアサルトリリィBOUQUET


ドールや舞台など様々なメディアで展開しているシリーズですが、「ソシャゲがリリース予定」くらいの予備知識しかありませんでした。キャラデザと設定と百合っぽい雰囲気に少し惹かれたので、とりあえず1話は見てみるかと軽い気持ちで視聴開始したところ……

 

 


正直な話、1話はかなり微妙で「来週からはいいかな……」と継続断念に気持ちが傾いていました。
まだアプリは配信スタートしてないとはいえ、販促も兼ねているはずなのでいわゆる「ソシャゲアニメ」に分類される作品だと思うのですが、それらにありがちな悪い部分が散見されていたというか。
1話から大量のキャラが登場、作品特有の固有名詞乱発、キリのいいところまで持っていくための駆け足展開……「画面の中だけで盛り上がっている」感がすごくて、ほぼ予備知識ゼロのこっちとしては完全に置いてけぼり食らってました。(この点は同じソシャゲアニメだとデレマス1話がめちゃくちゃ上手かったですね)

 

 

 

 

 

f:id:moonyusei:20201225200629j:plain

 

それを繋ぎ止めてくれたのが、楓・J・ヌーベル嬢です。

 


楓嬢はチャーム(武器)の生産メーカーとして知られる大企業の令嬢で、(初登場時は)俗に言う「お嬢様キャラ」でした。
1話では、主人公の梨璃が「お姉様」と憧れる夢結に対し、シュッツエンゲル(パートナー)となることを迫り、自分がどれだけの実力者なのかを見せようとする、主人公視点から見るとお邪魔虫ライバルっぽい立ち位置のキャラ。

 


ところが、1話で梨璃がヒュージ(敵)を撃退する姿に惚れ込み、コロッと鞍替えしちゃうんですね。ライバルお嬢様かと思ったら、主人公LOVE勢への転身ですよ。即落ち2コマってレベルじゃねーぞ
これに意表を突かれまくった俺は、「もう少し視聴してみよう」と録画を続けたわけです。
百合作品への造詣が浅いせいもありますが、梨璃みたいな「実力はまだまだだけどひたむきに頑張るタイプ」の主人公が、楓嬢のようなお嬢様キャラに好き好きアピールされて迫られるシチュエーションって、あまり見たことなかったので。主人公が好かれる理由付けに「カリスマ」スキルを当てて、その後の展開に繋げたのも上手いなぁと。

 

 

 

 

 

f:id:moonyusei:20201225200838j:plain

 


まあ梨璃の本命は夢結様であり、2人がくっついた後はもう楓嬢が入り込む隙間は無く、毎回のように「ぐぬぬ」してたわけですが、それを見るのが妙に楽しかったです。
楓さんの好き好きアピールって上品というかTPOをわきまえているというか、シリアスなシーンで不適切なことをやったり、夢結様を貶めて梨璃の気持ちを向かせようと画策したりといった重苦しいものではなかったので、ギャグとして安心して楽しめましたし。
キャラ造形的には全然好みのタイプじゃないのですが、楓嬢の即落ち2コマのおかげでアサルトリリィに入り込むことが出来たので、推しいえば推しなのかもしれません。

 


最終回まで見ても未だにメインキャラの名前が覚えきれないし、色々と突っ込みたい部分もあるのですが、やらなければいけないことが多かっただろうに1クールでよくまとめたな、と拍手を送りたくなる作品だったアサルトリリィBOUQUET。
設定を見るともっとシリアスに寄らせることも出来たはずですが、それよりもキャラクターを描くことと、梨璃と夢結様にスポットを当て続けることを選択したのは、いい判断だったのではないかと思います。
終始作画が安定しており、戦闘シーンでは目を見張るところもあり、最終回まで温泉パートを入れるサービスっぷりに、映像としても存分に楽しませてもらいました。

 

 

 

 

 

f:id:moonyusei:20201225201107j:plain


あとうれしかったのが、アニメがアプリの前日談になっていたことでしょうか。
媒体が変わるとはいえ、一度見たシナリオをもう一度最初からやり直すのはモチベーションの維持が難しいので、新しいストーリーが展開されるようで楽しみです。やれるかどうかは不明ですが事前登録はしました!
アニメだけだと大半のキャラが「賑やかし役」の域を出なかったので、その辺の掘り下げも期待したいところ。そしてできたら結梨ちゃんにも救いを……

 

 

 

 

しかし、来年はいよいよウマ娘が配信スタート(予定)するんですよ……
またソシャゲに囚われ過ぎて時間を溶かさないように気をつけなければ……

ファイアーエムブレム風花雪月 黒鷲/帝国ルート感想 深紅の覇道

f:id:moonyusei:20201224170020j:plain

 

進む道は赤く染まり、躊躇えば足はたやすく沈んでいく――

 


青獅子ルートの初見プレイを終え、他ゲーも落ち着いたので2周目を開始したFE風花雪月。
次は黒鷲と金鹿どちらにしようか当然のごとく迷ったのですが、何故エーデルガルドが「ああいった選択」をしたのかがやはり気になったため、黒鷲の学級を選びました。金鹿のキャラは気になるのですが、シナリオの大筋が青獅子と似たようになりそうな感じがしたので……

 


あと、主人公の性別も女(ベレス)にしました。
セリフや展開は変わらないのに、天然お姉さんとしてすっごくえっちに映って困りました。表情変わるところはどれも好き。

 


いざ本格的に黒鷲の学級の面々と交流を開始すると、青獅子って優等生揃いだったんだと思ってしまうほどの個性派揃いで、協調性ゼロだったので面食らいましたわ。
どいつもこいつも自分中心で、エーデルガルドの強烈なカリスマがなければ、途中で空中分解してましたよね絶対。フェルディナントはエーデルガルドやヒューベルトへの対抗意識を悪い意味で前面に出しているし、リンハルトはすぐ面倒くさがるし、ドロテアは貴族嫌いで一部面々にとげとげしいし、カスパルは人の話を聞かないし、ベルナデッタはすぐ引きこもろうとするし……きちっとしてるペトラも、フォドラ外の生まれのため言葉の伝達にやや難ありと、「主人公が担当教師ではなく、事件も何も起こらず普通に士官学校生活を送っていたらどうなっていたか」がすげえ気になるメンバーでした。
個人的には「典型的な悪の参謀役」っぽいヒューベルトとずっと味方でいられるというシチュエーションが、とても新鮮で楽しかったです。悪人に見えるけど実はいい人……ってわけでもないですしねヒューベルト。
まあ問題児だらけだからこそ、その後の展開のエモさが増すものですが……

 


以下、ネタバレを含んだ感想を書いていきますので、ご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:moonyusei:20201224170306j:plain



ヒエッ……


いやいやいやいや敵に回ったレア様怖すぎません? このシーンは背筋が凍りました……
敵に対する容赦の無さは一部の頃から見せていましたが、それが自分に向けられるとこれほどまでに恐ろしいのかと……母親のような慈愛や、為政者としての凜々しさが消え、「自分を裏切った失敗作共々、愚かな敵を根絶やしにする」という圧だけが残り、怒りと憎しみに囚われて狂っていくレア様は、嫌な意味でラスボスの風格がありました。
青獅子ルートのとき、帝国軍からガルク=マグを守るために初めて見せた「白きもの」の姿が、恐怖の象徴として君臨するとは……エーデルガルドに味方することを選んだときから予想していたとはいえ、ここまで印象が変わるのかと衝撃を受けました。

 

 


ただ、エーデルガルドの理想を実現するためには、女神の眷属であるレアと、彼らに味方する教団を倒さなければならない。
初見プレイでは敵だったエーデルガルドに寄り添っていると、彼女の生い立ちから現在の世の中の歪さ、それを正すために決死の覚悟を持って修羅の道を歩もうとしていることが分かるわけです。
紋章によって人生が狂う。生き方を強制される。覆せない優劣が決まってしまう。
その辛さ、不合理さは、青獅子ルートでもシルヴァンやイングリット、メルセデスを通じて感じることができました。
1人の人間に2つの紋章を宿す実験のせいでリシテアは寿命を奪われ、エーデルガルドは家族を奪われた。紋章がもたらす貴族社会のせいで、平民であるドロテアやアッシュは大変な幼少期を過ごした。
だから、例え痛みを伴おうとも、中身が腐った社会を壊して改革を成し遂げるべきだと告げるエーデルガルドの姿は眩しく、彼女の力になりたいと思わせてくれるわけです。

 

 

 

 

 

f:id:moonyusei:20201224170449j:plain

 

しかし、覚悟していたはずの「痛み」は想像よりもずっと鋭くて。


この戦争は正義と正義のぶつかり合いで、どちらが悪だと断言することはできない。
エーデルガルドが目指す理想の社会は確かに尊いものだが、それは今の社会で幸せに暮らす人々を殺してまで目指す価値があるものなのか? この世界を守ってきた人々に矛を向けてまで得る価値があるものなのか?
自分たちの「正義」を信じ続ける強い意志がなければ、足下はいとも簡単に崩れ去ってしまう。
敵に回った同盟や王国のキャラたちは、「帝国は間違っている」「力で支配しても平和は訪れない」と声高に叫びながら向かってくるわけですよ。それらを無慈悲に斬り捨て、仲間を失った慟哭を聞き流し、ただ愚直に歩を進め続ける――
帝国打倒側に回った経験があるだけに、向かってくる敵が敵だと割り切れなくて、めちゃくちゃしんどかったですね……こちらが悪なんじゃないかと錯覚してしまう幻痛に、後半はずっとドロテアの「できれば殺したくない」に同調してました。

 


セテスやフレンを手に掛けたあと、攻略見て生存させる条件があったことに気づきどんよりしたり、Twitterでヒーローズの告知を元気にこなすヒルダを見る傍ら、主人公で大人ヒルダをぶっ殺したり、スカウトしなかったフェリクスやシルヴァン、アネットを殺したり、逆にスカウトしたイングリットをディミトリにぶつけたら罵られて心中でイングリットに謝ったりと、とにかくずっとしんどかったです。これが……これが風花雪月か……
目を失わずとも結局は復讐に囚われていたディミトリといい、前述のレア様といい、主人公が関わらないとことごとくおかしくなるのが辛い。みんなクロードみたいにさっぱりと退却してくれよ……

 

 


2周目だったので、もっと多くのキャラをスカウトして、犠牲を減らすことはできたといえばできたんですが。(ちなみにスカウトしたのはリシテア、メルセデス、イングリット、マヌエラ、ハンネマンでした)
帝国ルートにおけるそれは祖国を裏切らせることになるので、どっちが幸せなのかと考えてしまいますね……
かつての仲間たちと最後まで共に戦い命を散らせるか、かつての仲間たちを殺して生き残るか。
エピローグでは幸せに暮らした的な文章が書かれますが、生涯消えることのない心の傷が残っているはずです。描かれなかった余白を思うと、余計にしんどくなる。そんな帝国ルートでした。

 

不満点は、二部開始時の再会ムービーがなかったことと、やはり「闇に蠢くもの」たちとの決戦までやってほしかったことですかね。後者は青獅子ルートでもよく分からなかったので、教団ルートで決着付けるのかな?

 

 

 

 

f:id:moonyusei:20201224170716j:plain

ほっこりするヒューベルトとのお茶会


今回のペアエンドは、

 

・主人公(女)+エーデルガルド
カスパル+ペトラ
・リンハルト+ベルナデッタ
・フェルディナント+ドロテア
・イエリッツァ+メルセデス

 

でした。それ以外のメンバーは単独エンドでしたね。百合最高や! ……なんて気軽に喜べる世界ではなかった……

 

もうずっとしんどい中での救いが、イエリッツァとメルセデス支援会話でした。
序盤から登場する割りには大して内情が描かれないまま退場してしまった死神騎士。
青獅子ルートでは叶わなかった姉弟の再会に、思わず目頭が熱くなりました。エピローグもよかったなぁ……これがアップデートの追加ってマジ? 最初から入ってないとダメなレベルでしょう?

 

 

 

さて、残すは金鹿のみ……だと良かったのですが、黒鷲はエーデルガルドと敵対する教団ルートがあるんですよな……あんなに陛下を信じていた黒鷲メンバーが、ある意味エーデルガルドを裏切る展開……いや見たくねえなぁ……またしんどくなりそうなので、先に金鹿ルートいっちゃおうかしら。
ちょっと他のゲームに食指を伸ばしながら、間を開けて3周目をやろうと考えているのですが、

 

・分岐前のセーブからやり直して教団ルート
・このまま金鹿ルート
DLC入れて金鹿ルート
DLC入れて最初から教団ルート

 

の選択肢で迷ってます。
まだ明かされていない謎も残っているので、モチベが他に移っちゃう前に完走したいところです。
あ、難易度はずっとノーマルだよさくさくシナリオ見たいからね!!

漫画「世呑の竜」をなるべくネタバレ無しで語ってみる

www.comic-valkyrie.com

 

無料で読めるweb漫画雑誌コミックヴァルキリーにて好評連載中の漫画、世呑(せいどん)の竜
「竜」が実在する宗教国家、その辺境の村にて家族と平穏な日々を送っていた少年マナト・アスクレイ。
主教の巡行が行われたその日、彼の暖かな生活は一変してしまう。
全てを呑んだ忌むべき存在に対し、マナトは復讐を誓う――

 


作者であるワス先生とは結構古い付き合いの友人で、俺がYahooブログ時代に書いていた遊戯王の二次創作小説の挿絵を描いていただいたこともあります。
世呑の竜連載スタートまでの道筋を知っているだけに、どうしても「贔屓目」が入ってしまい、公平な視線では作品を語ることが出来ないのですが……なるべくそれを抑えつつ、ネタバレも控えめに、自分なりに軽く語ってみようと思います。

 

 

 

 

seiga.nicovideo.jp


ダークファンタジーと銘打たれ、あらすじを把握しつつ1話を読み進めると、「この後に待ち受けるであろう悲劇」が概ね予想が付きます。
フィクションにおいて悲劇を演出する際、そこに至るまでにどの程度主人公や他キャラクターたちに感情移入させているかで、読者が受ける衝撃が変わってくると思いますが、その悲劇を物語の幕開けに据える場合、幸せな生活を描く尺が限られており、反動を与えるための描写が浅くなりがちですが、その点において世呑の竜は素晴らしい構成の1話だったのではないかと。

 

シナリオの筋は「ありがち」かもしれませんが、マナトがどれだけ家族のことを大切に想っていたか、そして血が繋がっていなくとも、両親や妹のレンカが、マナトのことを「本当の家族」として想っていたのかが伝わってきます。
だからこそ、その後の悲劇が際立つ。引き込まれる。
ストーリーの演出というか、肉付けが上手くて、シナリオに面白さを見出しがちな自分にも楽しめました。

 

 

 

 

f:id:moonyusei:20201212122821p:plain

安直な丸呑みのイメージ

 

この作品を語る上で避けては通れない「丸呑み」という要素。
人間が生きたまま呑み込まれ、体内に取り込まれてしまうシチュエーション……そういったシーンが「大好き」な方々には、そりゃもうぶっ刺さりまくっているのではないかと。というか丸呑み好きの方々はこんなブログ読む前に世呑の竜ファンになってると思いますええ。
残念ながら自分にはそういった性癖が無いため良さを100%理解することは出来ないのですが、個人的に唸ったのは、宗教国家においての丸呑みの意義
ネタバレになるため詳細は書きませんが、食事や力の吸収など本能的な理由付けが多い(と思う)丸呑みを、こういった理由で設定と絡めるのか、と目からウロコが落ちた気分でした。
今後の展開や登場するだろう敵キャラが楽しみになる、よく練られた設定であり着眼点じゃないかと。

 

 


あとはもうわざわざ書かずとも伝わるであろう画力の高さですね。
知り合った当初から「すげえ絵が上手い」と思っていたし、挿絵描いてもらったときも「すげえ絵が上手い」と自分の作品には勿体ないくらいだと恐縮したし、世呑の竜1話を読んだときも「すげえ絵が上手い」と感動しました。
昔からずば抜けていたクリーチャー系の書き込みもさることながら、バトルシーンも俺が知る過去と比べると段違いに迫力やスピード感が増しており、「さすがプロだ……」と後方プロデューサー面してしまいます。
女性キャラはえっちで可愛らしくえっちで(大事なことなので2回書いた)、繰り返しになりますが丸呑みシーンは性癖持ちの方にはドストレートに抉ってることかと思います。物足りない人は18歳未満は買えないえっちな漫画も単行本あるよ! 
……真面目に補足すると、場面場面における表情の魅せ方が上手いなぁと。女性キャラも可愛くてえっちなだけじゃない、適切な描き方が目に留まりました。

 

改めて1話を読み返し、最新話である6話を読むと、画力のレベルが大分違って見えました。半年でなんたる成長……

 

 

 

 

 

 

ここからちょっとだけネタバレなのですが。


先日配信されたコミックヴァルキリー最新号に掲載された6話では、新章に向けての幕間的な話が描かれました。こういった今後のストーリーへの種まき話が大好きなので、次号の休載が残念で仕方がないです……単行本作業なら仕方ないネ。
他とは明らかに違う形でドラディウムを操れるマナトに隠された秘密とは?
どうすべきかを迷うレンカの前に現れたユリシアはいかなる提案を持ちかけるのか?
敵も味方も新たな方向へ向かう中、マナトは復讐を遂げ大切なものを守ることが出来るのか――
次話も単行本も、楽しみに待ちたいと思います。